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2023年1月13日(金)〜15日(日)に千葉県の幕張メッセで開催された国内最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2023」。会場には多くの出展者がそれぞれの技術の粋を凝らしたカスタムカーを展示していた。
NATSこと日本自動車大学もそんな出展社の1つであり、オートサロンの東京国際カスタムカーコンテストではグランプリを1回、部門最優秀賞を9回、優秀賞を9回獲得している実績を持ち、今回の「東京オートサロン2023」にも学生の手によるカスタムカーなど7台が展示されていた。
NATS GR STANCE
このド迫力のトヨタ86は”GTカー”をモチーフにカスタムされているというが、一見するベース車両が86とは思えないくらい手が入れられている。僅かにキャビンスペースの形状に86オリジナルを残しているが、フロントもリヤも大胆に作り替えられている。
パイプフレーム化で延長されたボディはまるでNASCARのようなフォルムを作り出し、張り出した前後のオーバーフェンダーがGTカーのテイストも醸し出す。
GTカーではあるのだが、NASCARのようなアメリカンテイストを感じさせるのは、このカスタムのもう1つのテーマが「スタンス」にあるからだ。
「スタンス」はアメリカで人気のカスタムジャンルの1つであり、車高を思い切り下げてホイールとタイヤとフェンダーをツライチにしたスタイルが特徴。日本でも「スタイルネイション・ジャパン」といったイベントが開催されるほど盛り上がっているという。
GTウイングのみならず大柄のディフューザーも備え、オーバーフェンダーにはカナードを配置したエアアウトレットのスリットなど、GTカーのデザインスキームが再現されている。86とは全く異なるテールランプはトヨタ・ハリアーのものを使用しているそうで、もちろんブレーキもウインカーも作動する。
「GR」の名を冠したGTマシンモチーフだけに、カラーリングはGAZOOレーシングカラー。ステッカーはこのカスタムカー制作にあたって協力を得たテクニカルサポーターや装着パーツメーカーの他に、GAZOOレーシング風のレプリカステッカーも貼られていた。
インテリアもチューニングも本気度高し
コクピットはこれまたNASCARのようなドライバー保護ネットがSAFTY21製ロールケージ装着され、レカロのフルバケ・PRORACE RRMS2700Gにはスパルこのクイックリリース式4点シートベルトをセット。ステアリングはバックスキンのスパルコP300をクイックリリースで装着しており、レーシーな仕上がりとなっている。
一方でダッシュボードには多数の追加メーカー、BRITZ RACING METER SDを設置するなど、チューニングカーとしてクルマの状態管理にも気を遣っている。
もちろん、これらの追加メーターは伊達ではなく、そのレーシーなエクステリア&インテリアにふさわしいチューニングが施されている。
FA20エンジンはGreddy T518Zターボキットを装着し、GreddyコンフォートスポーツGT/Ver.3マフラーを組み合わせ、279.4psの最高出力と30.1kgmの最大トルクを発揮する。
足回りはサスペンションとブレーキをT-DEMAND製で揃え、PRODAMPERショックアブソーバーにレクサスGS450用の電子式ハイトセンサータイプのエアサスマネジメントシステム・HARD LINE BUTTERFLY V8 SYSTEM ALW-019を組み合わせている。
ホイールはSSR製SPXをセレクト。サイズはフロントが18インチ×10.5J(インセット-21)、リヤが18インチ×12.5J(インセット-29)で、タイヤはTOYOタイヤのプロクセスR888Rをセット。フロント255/35ZR18、リヤ295/30ZR18のワイドサイズとなっており、”スタンス”スタイルを描き出している。
目指すはナンバー取得! 公道デビュー!
NATSのカスタムカーはデザインから車体加工、塗装などの製作過程を経て、その成果としてオートサロンに出展。その後は車検を通してナンバープレートを取得し、卒業旅行でテスト走行を行うという流れになっている。
もちろん、このNATS GR STANCEもナンバープレートを取得して公道走行する予定なのは他のカスタムカーと同様だが、このカスタム内容でどのように車検を通すのか、そもそも通せるのかは大いに気になるところだ。