ニーズに合わせてシングルモーター（FWD）とデュアルモーター（AWD）の両仕様を設定。85kWhバッテリー搭載により、一充電航続距離は約482kmを目標に開発
ホンダは2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100％とする目標を掲げ、各地域の市場特性にあわせたEVの投入を進めている。新型EV「プロローグ」はその名のとおり、北米におけるEV本格展開の先駆けであり、GM（ゼネラルモーターズ）の「Ultium（アルティウム）」バッテリーを搭載したGMとの共同開発モデルだ。
全長約4877×全幅約1989×全高約1643mm、ホイールベース約3094mmのディメンションを持つSUVボディに搭載する電動パワートレーンは、走行性能と航続距離の両立を目指した仕立て。走行性能では、フロントとリヤにプロローグのために最適化したマルチリンク式のサスペンションを採用。ホンダが培ってきたダイナミクス技術によるスポーティな走りをベースに、ユーザーのニーズに合わせて、シングルモーター（FWD）とデュアルモーター（AWD）の両仕様を設定。とくに最高出力約288hp、最大トルク約333lb-ft（約452Nm）を発生するデュアルモーター仕様は、よりパワフルな加速と意のままの走りを実現する。
バッテリー容量は85kWhで、EPA（米国環境保護庁）が定める基準で300マイル（約482km）以上の航続距離を目指す。また、DC急速充電では150kW以上の高出力充電にも対応し、約10分（※）で航続距離65マイル（約104km）相当の充電ができるなど、外出先での充電を素早く行うことができる。
※150kW以上の出力が可能な急速充電器を使用した場合。充電時間は充電機器やバッテリーの状態などによって変化する。
デザインコンセプトは「Neo-Rugged（ネオ ラギッド）」。シンプルで洗練されたデザインでありながら、たくましさを感じられるアウトドアスタイルを目指し開発された。エクステリアは、ロー＆ワイドで流麗なシルエットが特長で、とくに最上位グレードには21インチの大型ホイールを採用することで、SUVらしい力強さとスタイリッシュなデザインを両立している。
インテリアは上質な素材を用い、水平基調でシンプルなデザイン。インターフェースには、質感の高い11インチのデジタルメーターパネルや、直感的に操作できる11.3インチのタッチスクリーンを採用。最上位グレードには7×3インチのヘッドアップディスプレイが備わり、運転中もスムーズな視線移動で、運転支援などのさまざまな情報を確認することができる。
コネクティビティの面では、車内でのシームレスなデジタルサービスを提供する。車載向けコネクテッドサービス「Google built-in（グーグル ビルトイン）」を標準装備し、Googleアシスタント、Googleマップ、Google Playなどが車内で使用できる。ソフトウェアはOTA（Over the Air）により一部機能や性能のアップデートができ、常に最新化されたサービスを提供する。
ホンダは予防安全・衝突安全においても高い性能を目指した。先進安全運転支援システムとして「Honda SENSING（ホンダ センシング）」を標準装備。米国の安全性能評価試験において、米国道路安全保険協会（IIHS：Insurance Institute for Highway Safety）の最高評価であるトップセーフティーピック＋、米国高速道路交通安全局（NHTSA：National Highway Traffic Safety Administration）の最高評価である5つ星を獲得するのが目標だ。
ホンダは北米において、信頼性の高い充電インフラの整備を目的に、自動車メーカー7社（※）でEV用高出力充電網を構築する合弁会社の設立に合意している。さらに、2025年からは、北米で販売するEVの充電ポートに北米充電規格（North American Charging Standard 以下NACS）を採用することを、NACSを展開するテスラ社と合意。「プロローグ」はCCS（Combined Charging System）用充電ポートを採用しているが、2025年以降、充電アダプターを用いることでNACSにも対応できるよう開発を進めている。EV投入の拡大とともに充電環境の整備にも取り組むことで、ホンダはEV普及に向けた取り組みも加速していく。
※アメリカン・ホンダモーター、BMWグループ、GM、ヒョンデ、キア、メルセデス・ベンツグループ、ステランティスN.V.
なお「プロローグ」は、10月25日から東京ビッグサイトにて開催される「ジャパンモビリティショー2023（一般公開は10月28日～11月5日）」のホンダブースにて展示される予定だ。