BMW320d(F30型)5年5万km走行で燃料代はいくら? やはりディーゼルは経済的?

2018年型BMW320dスポーツ 当時の車両価格は585万円
2018年12月に新車購入したF30型BMW320d。2023年12月で丸5年、2回目の車検を迎える。5年5万km走行したディーゼル搭載セダンの車計簿は? 燃費は?

5年5万km 燃費はどうだった?

早いもので、マイカーF30後期型BMW320dスポーツが2回目の車検を迎える時期になった。つまり5年経ったというわけだ。走行距離は約5万km。5年5万km。1年1万kmは、平均値よりは多いが、過走行というほどでもない。

5年経ったが、内外装ともにさほどやれた感じもなく、好調だ。BMWのメンテナンスプログラムに加入しているために、整備点検はディーラーにお願いしている。1年毎の点検で交換すべき油脂類、フィルター類は交換をしてきた。エンジンオイルも1年毎に交換している。

ここまでの燃費は以下の表の通りだ。ここ10ヵ月10278kmの燃費は17.2km/L、平均速度は31.9km/hだ。Dセグメント・セダンの燃費としては優秀なのではないだろうか?

トータルの燃費は17.2km/Lだった
日時オドメーター平均燃費平均時速走行距離
購入後1年2019年12月9800km15.0km/L計測せず
購入後2年2020年12月17123km15.4km/L29.0km/h
購入後3年2021年12月26284km15.6km/L29.2km/h
2022年2月30221km15.7km/L29.7km/h
システムリセット2022年5月13日32823km
2022年9月30日37124km17.3km/L33.2km/h4392km
購入後4年2022年12月24日40000km17.2km/L32.4km/h7177km
購入後5年2023年11月2日50278km17.2km/L31.9km/h10278km

5万kmでいくら燃料代がかかったか? ガソリンだったらいくらか?

B4720A型2.0L直4ディーゼルターボ 最高出力190ps(140kW) 最大トルク400Nm 燃料タンク容量:57L JC08モード:21.4km/L トランスミッションはZF 8HP(8速AT)

さて、この5年5万kmでどれほどの燃料を消費し、燃料代はいくらだったのか? ザッと計算してみた。

ちなみに、F30型が搭載しているB47型2.0L直4ディーゼルターボは、尿素SCRシステムを搭載していない。だから、AdBLUE(尿素水)の補給の必要はない。

じつは、ディーゼルのF30後期型BMW320dスポーツの前の愛車は、ガソリン(N20型2.0L直4DOHCターボ)を搭載するF30前期型BMW320i SEだった。F30前期型320i SEは7.2万km走行して実燃費が11.5km/L(平均時速は30.2km/h)だった。

2018年型の320iのモード燃費はJC08モード(だったのだ、まだ)
320dスポーツ:21.4km/L
320iスポーツ:16.0km/L

BMW320dのトータルの燃費を17.2km/L、ガソリンの320iを12.8km/L(どちらもモード燃費の80%)だったと仮定すると、ここまでの50278kmでどれほどの燃料代がかかったか。

といっても、この5年間のガソリン価格(軽油価格)の上昇はすさまじい。

ちなみに、この320dを購入した2018年12月25日の価格(資源エネルギー庁のデータ)は
レギュラーガソリン:146.6円/L
ハイオク:157.3円/L
軽油:127.2円/L

これが2023年10月30日になると
レギュラーガソリン:173.4円/L
ハイオク:180.0円/L
軽油:152.9円/L

だから、どこを基準にするかで変わるが、仮に
ハイオク:170円/L 軽油:142円/L(価格差28円/L)とすると

320i:約3928L=65万0760円
320d:約2923L=41万5066円
燃料代の差額は23万5694円という計算になる。

2018年型BMW320dスポーツと320iスポーツの価格差は25万円だから、5年5万km走行したら、ディーゼル代は燃料代で取り戻せることになる。逆に言えば、それだけ乗らないと、ディーゼルの経済性を享受しにくいわけだ。

だいたい、どのブランド問わず
NAガソリンエンジンとディーゼルの価格差は30-35万円程度
ガソリンターボエンジンとディーゼルの価格差は20-25万円程度
だから、ざっくり言って5万km前後走行すると燃料代でディーゼルエンジン代を取り戻せる計算だ。これが国産車の場合、ハイオクではなくレギュラーエンジンと軽油の価格差となるから、もう少し走らないとモトが取れないだろう。

ディーゼルの良さは、燃料代が安いだけではない。まずは燃費そのものがいいから1回の給油で1000kmほど走れるのがいい。また、大トルク(320dの場合は最大トルク400Nm、320iは270Nm)ゆえの余裕がいい。高速走行時の追い越しなど本当に楽なのだ。

フロントのサスペンションタワー部。F30型は板金の溶接でできているが、現行G20型はアルミダイカスト製に進化している。

2回目の車検はいくらかかる?

組み合わせる名機ZF製8速AT、8HPは5年経っても絶妙なシフトスケジュールでストレスなし。電気自動車の試乗が増えて、エンジン始動時やアイドリング時のディーゼル音が「うるさいなぁ」と感じることは確かにある。でも、このサイズのセダン、しかもFRセダンはいまや稀少種だ。2回目の車検を通して、さらにBMW320dとすごそうと思う。ということで、このBMW320d長期レポートは、まだ続きます。

参考までに、ディーラーからの通知で2回目の車検で必要な書類と費用は次のようになるという。

ディーラーからの通知。2回目の車検はトータルで14万6150円になる。

入庫時に必要な書類と費用
車検証/自賠責保険証/印鑑/納税証明書(本年度のもの)
重量税(1.5t~2.0t):20,000円
自賠責保険(24ヵ月):17,650円
車検印紙代(指定工場):1,400円
車検代行手数料:17,600円
技術情報管理手数料:400円
合計:57,050

これ以外に
法定2年点検:36,300円
BMW推奨点検(法定点検付随):6,600円
測定検査料:33,000円
下回りスチーム洗浄料金:13,200円
整備料金:別途お見積もり
ということだ。

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…