クルマの紫外線対策!人間&愛車のボディの日焼け防止に有効な方法とグッズは?

夏場の強烈な日差しはクルマのボディを劣化を早めさせるほか、窓から入り込む紫外線は車内にいる人間へも少なからず悪影響を与える。こうした紫外線の害からクルマと身体を守るためにはどのような点に気をつければよいのだろうか。夏場のドライブに欠かせない紫外線対策について解説していこう。

【車内の日焼け対策・4選】窓と身体の両方で紫外線をブロック

高性能なUVカットガラスを装備するクルマでも車内には紫外線が入り込むため油断できない。

一般的な自動車用ガラスでも、紫外線を大幅に遮断してくれる性能が持たされている。さらに近年は、紫外線の99%を遮断するスーパーUVカットガラスが装着される新車も増えてきた。

だからといって車内にいれば紫外線対策が不要かと言えばそうではない。夏場の運転は窓への対策と身体への対策の2段構えが肝心だ。

高性能UVカットフィルムで紫外線を遮断

紫外線対策は、唯一の侵入経路といえる窓ガラスへの対策がもっとも重要。UVカットフィルムのなかには紫外線遮断率100%の商品も存在する。

スーパーUVカットガラスのような高性能ガラスが装備されるのは一部のクルマだ。また、前席には高性能ガラスが装着されていても、後席は標準ガラスというように部位によって紫外線カット率が違うこともよくある。

どんなクルマや部位にも有効な紫外線対策が、窓ガラスへのUVカットフィルムの貼り付けだ。紫外線の遮断を目的に開発されたフィルムのなかには、スーパーUVカットガラス並の紫外線カット率を誇る商品もある。

黒っぽい色のスモークフィルムは紫外線カット率はそれだけ高くなるが、運転視界を妨げるため前席への装着は保安基準違反となる点には注意しよう。しかし、可視光線透過率70%以上ある透明度が高いフィルムであれば、前席はもちろんフロントウィンドウに装着しても問題ない。

遮光カーテンやシェードは後席限定

前席窓へカーテンやシェードを装着した状態での運転は「乗車積載方法違反」となり、違反点数1点、普通車は反則金6000円が科せられる。

カーテンやシェードを使えば手軽に紫外線を遮断できる。なかでも吸盤で簡単に脱着できる網目状のシェードは安価で扱いやすい人気商品だ。

ただし、吸盤ですぐに取り外せるシェードであっても前席窓への装着は違反となる点には注意しよう。カーテンやシェードは停車中、もしくは後席の乗員や皮膚が弱い子どもへの配慮として限定的に使うのがよいだろう。

日焼け止めクリームやUVカット手袋で運転焼けを防止

車内でも肌を露出しないことが大切。日焼け止めクリームと衣類で日焼けを防止しよう。

運転中、もっとも日焼けしやすい腕を保護するには長袖の衣服を着用するか、腕を覆える薄手のロング手袋の使用が確実だ。首周りにはストールなどを巻くとよいだろう。

ただ、肌を覆うことになるため車内の暑さ対策も必要となる。エアコンの調子は万全に整えておくことも忘れてはいけない。どうしても肌が露出してしまう顔などは日焼け止めクリームで対策をしよう。

目から入る紫外線はサングラスでガード

運転中に使うサングラスは視認性を優先して選びたい。

目から入る紫外線も身体の日焼けを促すことが知られているため、サングラスも日焼け対策に有効だ。もちろん、サングラスは強い日差しのなかで視界を確保するのにも役立つ。

ただし色が濃いサングラスは瞳孔が開くことで、かえって光の吸収量が増えるとの話も聞かれる。良好な運転視認性を確保するためにも、色は薄めで紫外線カット率が高いものを選ぶとよいだろう。

【クルマの劣化対策・2選】ボディカバーやコーティングで紫外線の害を抑える

クリア層が破壊された部分からボディは色あせていく。なかでも赤や青などの原色は退色しやすい。

クルマも人と同じように日焼けをする。ボディの表面は透明な塗装で保護されているが、紫外線の影響で徐々に退色していく。さらにクリア層が破壊されてしまうとカラー塗装が露出し退色が一気に進んでしまう。

そのほかヘッドライトやプラスチック部品、ゴム類やタイヤも紫外線の影響で変色やヒビ割れが起こりやすい箇所だ。

クルマの外装部品には十分な耐候性が備わっているが、紫外線がクルマを劣化させるのは間違いない。対策を実施するのとしないのでは、クルマの痛み具合に大きな差がつく。

ボディコーティングやワックスでは紫外線を遮断できない

コーティングやワックスは、紫外線劣化が起こる際に必要となる酸素や湿気を塗装面から遮断してくれる。

ボディを保護してくれる効果を持つコーティングやワックスだが、実を言えば紫外線の遮断効果はほどんど期待できない。しかし、ボディの紫外線劣化に対してまったく効果がないわけではない。

強固な被膜を形成するガラスコーティングやセラミックコーティングは紫外線自体を遮断するのではなく、塗装と外気を遮断して紫外線による劣化のプロセスを妨害する働きをしてくれる。

ヘッドライトへのコーティングは黄ばみを抑え、塗装で保護されない無塗装樹脂パーツへのコーティングは白っぽく変色する白化現象を抑えるのに効果的だ。

車庫保管が理想だがボディカバーでも代用可能

デメリットは多いもののボディカバーの紫外線遮断性能は絶大だ。

紫外線からボディを守るには車庫やカーポートで管理し、クルマに直接紫外線に当てないのがもっとも確実な方法となる。

車庫が確保できない場合はボディカバーを利用するとよいだろう。着脱が面倒なうえ、風が強い日はボディと擦れてキズの原因になるが、確実に紫外線の害からクルマを保護してくれる。

クルマにキズが付きづらい内側起毛のボディカバーや、屋外保管のオープンカー用に幌と窓のみを保護することで着脱しやすいハーフカバーなど利便性を向上させたボディカバーも販売されている。

紫外線対策グッズでクルマと身体を保護しよう

紫外線による内装の劣化にも注意したい。とくに本革製のハンドルやシートは紫外線の影響を受けやすい。

真夏の屋外に紫外線対策が施されていない樹脂製品を置いておくと、ほんの数日でヒビ割れしボロボロになってしまう。これは紫外線の恐ろしさがよく分かる光景だ。

人間に対して真夏の強力な紫外線は日焼けを誘発するだけでなく、シミやシワの増加に加えて細胞レベルで身体にダメージを与える。幸いなことに、人間の肌には回復機能が備わっているが、クルマのボディは原則として一度劣化したら元に戻ることはない。

紫外線から身体とクルマを守るには全窓がスーパーUVカットガラスのクルマをシャッター付き車庫で保管するのが理想だが、実際のところ実行は簡単ではないだろう。しかし、クルマも人も部分的な紫外線対策なら可能だ。

とくに近年のUVカットフィルムや日焼け止めクリームの進歩は著しいものがある。ボディカバーの着脱が面倒なら日差しが強まる夏場だけに使うのも手だ。これらのグッズを活用して真夏の紫外線から身体とクルマを守ろう。

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