夏も冬も交換不要の先進オールシーズンタイヤのマルチな性能を実地体験!グッドイヤー『ベクターフォーシーズンズ GEN-3』【CarGoodsMagazine】

全35サイズ中34サイズで、国内ラベリング制度「ウェットグリップ性能a、転がり抵抗性能A」を獲得する、GOODYEAR『ベクターフォーシーズンズ GEN-3』。スノーフレークマークやM+Sマークも刻印され、高速道路の冬用タイヤ規制時にも走行が可能だ。
巷で話題のオールシーズンタイヤ。雨の日も雪の日も、365日履き替えずに使える全天候型タイヤは、グッドイヤーがはじめて日本市場に持ち込んだ。夏タイヤとスタッドレスの中間的な位置付けで、都心部を中心に着実にユーザー層を広げつつある。そのメリットはスタッドレスへの履き替えが不要になることだ。大雪に見舞われる降雪地に住んでいるならいざ知れず、年に数回しか降らない雪のために冬タイヤに履き替えるのは面倒と考える向きも多い。さらにスタッドレスの保管場所を確保するのも困難なマンション住まいのユーザーにとって、1年中履き替えずに済むオールシーズンはぴったりニーズにマッチしている。 ただしドライからウェット、そしてスノーまでより幅広い路面状況に対応できる利便性と引き換えに、快適性やライフが多少なり犠牲になっていたのは否めない。ゆえに夏タイヤ性能についてはそれなりというのが従来のオールシーズンの評価だった。では今の最新モデルはどうか? 雪残る地を跨いだロードインプレッションをどうぞ!

「ウェットグリップ性能a」「転がり抵抗性能A」を獲得!
さらにプレミアム仕立てになったGEN-3(ジェンスリー)

そこでグッドイヤーが新たに送り込んできたのが『ベクターフォーシーズンズGEN-3』だ。プレミアムオールシーズンと銘打ったこのモデルでは、トレッド下のゴム層やブロックをより強固にして負荷が掛かった際に変形するのを抑制。さらに新コンパウンドを採用することで高い操縦安定性を確保しつつ耐摩耗性をアップするなど、細部に渡って改良を進めている。

摩耗が進むと溝が広がる特殊構造を採用するのもそのひとつ。従来品のベクターフォーシーズンズハイブリッドと比べてウェットブレーキ性能は8%向上、ライフ性能についても30%向上と、オールシーズンの弱点といわれるウェット性能や寿命についてもきっちり対策されているのだ。

中央部が細かい溝(サイプ)が入った冬タイヤ仕様、両サイドが剛性の高いゴムを採用した夏タイヤ仕様となっており、シチュエーションを選ばない。雪道や泥道でも頼もしい走破性を発揮する。

さらに注目すべきは不快なノイズを抑え込んでいること。ひと昔前のスタッドレスやオールシーズンを履いて高速を走ると気になる異音が車内に響き渡ることもあった。GEN-3ではブロック配列を細分化するなどし、パターンノイズは36%、ロードノイズは31%を低減するなど、快適性を格段に向上している。

雨でも雪でも変わらず、安定した快適な走りを披露

その走りはどうか? 今回の試乗でまず感じたのが、いい意味でいたって普通であること。路面の継ぎ目を超えても不快な突き上げ感もなく、カーブでの腰砕け感もない。タイヤからのノイズも気にならないので、同乗者との会話も弾む。事前にオールシーズンを履いていると聞いていなければコンフォートタイヤを履いているのでは勘違いしてしまうほどだ。

試乗中、雲行きが怪しくなり、雨が降り出してきた。それなりの雨量があったが、GEN-3がしっかりと濡れた路面を掴んでいる感触が伝わってくる。走りはすこぶる安定しており運転に緊張を強いられることは一切なかった。
今回は冬タイヤ性能を探るべく雪道での試乗も行った。しかしグリップ力を失うこともなく頼もしい走りを披露してくれる。さすがにシャーベット状の路面で急加速&ブレーキするとタイヤが少し滑るような感覚もあったが、そもそもオールシーズンは氷上走行を推奨していない。それにも関わらず、GEN-3は普通に走っていればアイス路面でもグリップを失うこともなく、しっかり前に進んでくれる。

雪道での安定感は抜群。タイヤが滑る兆しもなく、しっかりと路面を掴んでいるのが分かる。坂道も頼もしいトラクション性能でタイヤが空転することもない。これなら急な降雪時に慌てる心配はないだろう。

どんなシチュエーションでも安心して、そして快適に走れるベクターフォーシーズンズGEN-3。1年中履くタイヤなだけに我慢を強いられない点は大きなアドバンテージといえる。プレミアムオールシーズンの謳い文句に偽りなしだ。

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