トヨタ ダイナは1956年に登場した、トヨタの代表的な小型・中型トラックです。その昔は小型トラックのトヨエースの上のクラスに位置していましたが、2020年3月31日にトヨエースがダイナと統合されたため、現在ではトヨタの唯一の小型・中型トラックとなっています。
ダイナはその積載量から現在は1トン積み系と2トン積み系の大きく2種類に分けられますが、現在のダイナの2トン積み系は8代目にあたり、2011年にデビューしています。一方、小さな1トン積み系は2001年にデビューした7代目が現役となります。現在現役のダイナは、2トン積み、1トン積みとも同じグループの日野自動車との共同開発車であり、日野自動車の『日野 デュトロ』と兄弟車になります。その昔は、ダイナはダイハツに供給されており、『ダイハツ デルタ』という兄弟車もいました。
さて、レッカー車とは、故障や事故で動けなくなってしまった車両や駐車違反をしている車両を、自分に備え付けられている牽引装置を使って前輪または後輪を釣り上げ、邪魔にならない場所まで動かすために使用する特殊牽引自動車です。日本ではJAFなどのロードサービスのような車両移動業者や自動車修理業者、警察や消防、自衛隊などのほか、自動車レースのサーキットなどでよく使用されています。
レッカー車の特徴とも言える主要装備は、基本的には車体中央前方に装備される、他の車両を吊り上げる装置です。最も目につくのはレッカーブーム、あるいはクレーンブームと呼ばれる長い作動腕(日本の法規的にはジブ――一般にレッカー車に装備されているものの場合は箱型構造伸縮ジブ――と呼びます)をもったクレーン、起重機でしょう。
これに加え、吊り上げた車両の下に潜り込ませて持ち上げ、車両の前輪あるいは後輪を引っかけて牽引するのに用いるアンダーリフトという装置が車体後部にあります。その昔はクレーンで車両の前輪あるいは後輪を引き上げ、そのまま牽引していましたが、現在ではクレーンで引き上げてアンダーリフトを潜り込ませ、その上に車両を載せて牽引します。また、レッカー車はその役割から、あまり軽い車両は使われません。
そんなところから考えると、トミカNO.5のレッカー車は現行ダイナの重い方、2トン積み車をベースにしたレッカー車だと思われます。また、赤いレッカーブームとアンダーリフトが一体となっていますから、インテグレート型と呼ばれるタイプのレッカー車になります。ちなみに、それぞれが独立しているタイプをインデペンデント型と呼びます。
レッカー車も様々なタイプのものが登場しており、現在では洪水、土砂崩れ、大雪といった自然災害によって悪条件となった道路などでも運用できるよう高床4輪駆動シャシーを用いて悪路の踏破性を高め、副変速機を備えて50トンもの大型車両の牽引排除を可能にした、道路啓開用レッカー車と呼ぶ高性能レッカー車も登場しています。
■トヨタ ダイナ カーゴ2t標準キャブ 標準デッキ 主要諸元(レッカー車のものではありません)
全長×全幅×全高(mm):4690×1695×1985
ホイールベース(mm):2525
トレッド(前/後・mm) :1400/1245
車両重量(kg):2300
エンジン:N04C-WD型直列4気筒ディーゼル
排気量(cc):4009
最高出力: 110kW(150ps)/2380rpm
最大トルク:440Nm(44.9kgm)/1300-2380rpm
トランスミッション:6速AT/6速MT
サスペンション(前/後):ダブルウィッシュボーン/リーフスプリング
ブレーキ(前/後) :ディスク/ディスク
タイヤ:(前)205/70R16 (後)205/70R16