【プロが選んだ思い出の愛車・ベスト3】どこかフランス車を思わせる姿がお気に入りだった三菱ミラージュ(4代目)

ときに舌鋒鋭く自動車をレビューするモータージャーナリストは、どのような愛車とともに人生を過ごしてきたのだろうか。専門誌から一般紙まで幅広い媒体で健筆を振るう塚田勝弘さんに、歴代のお気に入りの愛車・ベスト3を聞いてみた。

TEXT●塚田勝弘(TSUKADA Katsuhiro)

3位:マツダ・デミオ(4代目)

「最後のデミオ。静粛性や乗り心地は並だが運転感覚は濃厚!」

現在乗っている愛車は、「最後のデミオ」といえる生産時期で、1.5Lガソリンエンジン+MTという選択をした。家の駐車場や周囲道路が、Bセグメント以上のボディサイズを拒むという事情もあり、スズキ・スイフトスポーツ、シトロエンC3の3択からMTであること、スタイリングの好みから決定した。

同クラスの国産コンパクトカーと比べると、静粛性や乗り心地は並だが、運転している感覚が濃厚で、ハンドリングも直進安定性も文句なし。MAZDA2から採用されている背骨がS字カーブを描くシートは用意されていないけれど、座面のウレタンは同じだそうで、長距離移動でもあまり疲れないのもお気に入り。デザイン的には前田育男氏による3代目が傑作だと思うが、年代的に少し古くなっていたので断念した。

マツダ デミオ
初代はトールワゴンボディで1996年に登場し、スマッシュヒットを記録したデミオ。写真の4代目は2014年から発売が開始されたが、2019年に「MAZDA2」に改名。
マツダ デミオ
マツダ・デミオ

2位:フォルクスワーゲン・ポロGTI(2代目)

「硬派なホットハッチ。FFでも意のままに曲がる!」

クラッチもステアリングも今の基準から考えると重めで、乗り心地はとくにハード。まさに硬派なホットハッチだった。1.8Lターボは、低速域からトルクフルで、ラフに踏み込むとホイールスピンするほど。さらに、過給が始まると加速フィールは豪快そのもので、現在ほど燃費に気を使わずにすむ時代だったのもこうしたキャラにはありがたかったのだろう。

とはいえ、Bセグメントなのに実燃費は12.0km/L程度だった。踏みすぎると、財布を直撃した記憶が鮮明に残っている。タイトコーナーでも意のままに曲がる一方で、曲がりすぎる感覚に襲われたのにも驚きっぱなしで、FFでも山道は本当に楽しかった。

フォルクスワーゲン ポロGTI
フォルクスワーゲンの主力モデルとして、ゴルフと双璧をなすポロ。写真は四代目ポロGTI(後期型)。パワートレーンは150psの1.8Lターボエンジンと5速MTの組み合わせ。
フォルクスワーゲン ポロGTI
フォルクスワーゲン・ポロGTI

1位:三菱ミラージュ(4代目)

「小さくてもきちんと座れる。コンパクトカーの良さを実感!」

親が乗っていた三菱の4代目ミラージュ(V6モデルではない)をそのまま乗っていた若い頃の記憶では、若干(!?)フランス車のような香りがするエクステリアと4人乗っても意外に広いキャビンがお気に入りだった。内装のクオリティも高かったと思う。

一時期は実家のある北関東から一般道で大学の通学でも使い、ロングドライブやスキーにも友人と出かけた。1.3L+ATという組み合わせだったので、スポーティといった走りではなかったけれど、「小さくてもきちんと座れて、積める」というコンパクトカーの良さを実感した1台だった。

三菱ミラージュ
4代目となる三菱ミラージュは1991年に登場。バブル期に開発されただけあり、世界最小の1.6L V6エンジンや可変バルブタイミング&リフト機構付きの1.6L MIVEC(175ps)をラインナップするなど、三菱もイケイケだった。
三菱ミラージュ
三菱ミラージュ

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著者プロフィール

塚田 勝弘 近影

塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー…