ボルボが次世代EVにエピックとコラボしたゲームエンジン「Unreal Engine」を搭載。より高品質なグラフィックスのディスプレイを実現

ボルボ・カーズはこのほど、ユーザーに最高の体験を提供するため、エピック・ゲームズ(Epic Games)との新たなコラボレーションにより、フォトリアリスティック・ビジュアライゼーション技術を次世代EVに搭載する予定であることを明らかにした。両社は協力して、エピックのゲームエンジン「Unreal Engine」をボルボの次世代EVに搭載し、車内に比類なき高品質なグラフィックスを提供する。

新たなグラフィックが搭載されるのは今年後半に公開されるボルボの新フラッグシップEVから

エピック・ゲームズは、世界最大級のゲーム「フォートナイト」でよく知られているインタラクティブ・エンターテイメントとソフトウェアの大手米国企業。同社はゲームに限らず、様々な業界で使用されている最先端のリアルタイム3D制作ツールであるUnreal Engineも開発しており、このたびボルボ・カーズが車内のデジタルインターフェースの開発や車内のリアルタイムグラフィックスのレンダリングに使用することになった。

ボルボ・カーズは、欧州の自動車メーカーとしては初めて、ヒューマン・マシン・インターフェイス (HMI)の開発に Unreal Engineを使用する。具体的にはまず、ドライバーに関連情報やインフォテインメント機能を提供する車内ディスプレイのひとつであるドライバー・インフォメーション・モジュール (DIM)に焦点を当てる予定だ。

次世代のボルボ車では、これらのディスプレイで印象的で高品質なグラフィックスを目にすることができる。よりシャープなレンダリング、豊かな色彩、全く新しい3Dアニメーションはボルボ・カーズの開発者がグラフィックの限界を押し広げるための第一歩に過ぎない。ボルボ・カーズの最高製品責任者であるヘンリック・グリーン氏はこのように述べている。
「お客様に最高のユーザー体験を提供し、安全でパーソナルなドライブに貢献するためには、車内に豊かで没入感のある反応の良いビジュアライゼーションが必要です。Unreal Engineをクルマに搭載することでこれを実現し、ボルボの車内で過ごす時間をより楽しいものにすることができます」

Unreal Engineを第3世代のSnapdragonコックピットプラットフォームの高性能コンピューティングパワーと組み合わせることで、次世代のボルボ車は、グラフィックスとインフォテインメントシステムの性能における新しい基準を打ち立てることになる。その結果、ボルボ・カーズの次世代インフォテインメントシステムは、先代に比べて2倍以上高速化し、車内のグラフィックス生成と処理は最大で10倍高速化される予だ。

エピック・ゲームズのUnreal Engineの自動車およびHMI担当ディレクターであるハイコ・ウェンシェル氏は、次のように述べている。
「リアルタイムで動作するインタラクティブな高解像度グラフィックを車内に持ち込むと、車内にいるすべての人に情報を提供し楽しませる、膨大な数の新しい方法への扉が開かれます。ボルボ・カーズの才能溢れるデザインチームと製品開発チームは、この機会を捉えて、Unreal Engineの機能を活用したエキサイティングな新機能で進化し続ける、斬新なものを作り上げました」

新たなグラフィックが初めて搭載されるのは、今年後半に公開されるボルボの新フラッグシップEV。このモデルは、2030年までにEVのみを販売することを目指すボルボの新世代EVの最初のモデルだ。そして将来的には、Unreal Engineが新型ボルボ車の他の技術分野を発展させる機会もあるとボルボ・カーズは考えている。ボルボ・カーズの開発者は安全性を常に念頭に置きながら、このプラットフォームやその他のソフトウェア主導の技術プラットフォームの新しい用途を探求し続けている。

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