ホンダ新型シビック タイプR、3本出しマフラー「トリプルエキゾーストシステム」なぜ3本?

新型シビック タイプR
いよいよ新型シビック タイプRがそのヴェールを脱いだ。搭載するエンジンはホンダが「究極のICE」を呼ぶ2.0ℓ直列4気筒DOHC直噴ターボである。リッターあたり160ps/200Nm超えのハイスペックは先代譲りだ。迫力あるエクステリアでひときわ目立つのがリヤの「3本出しマフラー」だ。
新型シビック タイプR 2022年9月に発売予定だ。

新型タイプRの心臓は2020年代を生き抜く究極のICE

新型タイプRも心臓部はK20C型2.0ℓ直4ターボだ。手前にターボチャージャーが見えるとおり前方排気後方吸気のレイアウトを採る。
シングルスクロールのターボチャージャーはこの位置。左側に見えるのが電動ウェイストゲート。

新型タイプRのエンジンは、先代(2015年登場)と同じK20C型直列4気筒DOHC直噴ターボである。燃費を重視したロングストローク型が主流の現代だが、K20C型のボア×ストロークは86.0mm×85.9mmの「スクエア」。ハイパワーのための技術だけでなく、ローエミッションの先端技術も投入された究極のICE(内燃機関)だ。吸排気にVTC(可変バブルタイミング)、排気側にはVTECを装備。軽量高剛性のクランクシャフトや低圧損高冷却の2ピースウォータージャケット、ナトリウム封入バルブ、高圧直噴システムなど、タイプRの心臓部にふさわしい技術が満載だ。パワースペック等は未発表。ちなみに前型のスペックは
総排気量:1995cc
最高出力:235kW(320ps)/6500rpm
最大トルク:400Nm/2500-4500rpm
である。

ターボは電動ウェイストゲート付きのシングルスクロールタイプであることは先代と同じだが、翼の枚数・形状、ハウジングの形状を変更して効率向上を図っている。

エキゾーストシステム全体はこうなっている。(先代シビック タイプRのもの)

さて、そんな新型シビック・タイプRだが、新型もリヤに3本のセンター出しのマフラーがその高性能ぶりをしっかりアピールしていた。4気筒なのになぜ3本なのか?

まずは、排気系全体の取り回しから。図は先代のものだが、新型でも大きくは変わらないだろう。サイレンサーやパイプをなるべく車体中央に通すことでヨーモーメントを低減させるという効果が期待できる。エンド部のタイコの手前で三つ叉に分かれ、そのまま3個のタイコを経て3本のエキゾーストエンドに至る。

こちらも先代の図版。

3本のうち左右の2本がメインパイプ、つまり通常のマフラーエンドと同じもの。排気流量の増大が図られ、高出力化に貢献している。

では中央の一本はなにか?

センターテールパイプの奥にはレゾネーターと呼ばれるパーツがある。レゾネーター(Resonator)とは、特定の周波数を低減するデバイスのことだ。つまり、低回転域では左右のメインパイプに合わせて開口面積を増やすことで音圧を向上させ、高回転域では負圧効果で不快なこもり音を低減し、気持ちのよいエキゾーストノートを作り出すというわけだ。

先代シビック・タイプRのエキゾースト
こちらが新型

上が先代のエキゾースト、下が新型のものだ。こうしてみると、新型ではメインパイプがセンターテールパイプより細くなっている。というよりセンターテールパイプがより太くなっている。この3本出しエキゾーストノートがどんなエンジンサウンドを生み出すのか? K20Cエンジンがさらに進化しているのか、気になるところだ。

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