新型日産エクストレイル(X-TRAIL) 主駆動モーターは新開発 BM46型

日産の新型エクストレイルは、1.5ℓ直列3気筒の可変圧縮比(VCR)ターボエンジンを搭載しモーターで駆動するe-POWERである。それも、エンジン/主モーターともに新開発である意欲作だ。モーターの型式はフロントがBM46型、e-4ORCEのリヤがMM48型だ。日産の電動車両のモーターを見てみよう。

日産の電動車両のモーター一覧

日産の電動車両を長きにわたって支えてきたEM57型交流同期モーター

日産の電動車両のモーター一覧

BEV搭載位置モーター型式最高出力/最大トルク
リーフフロントEM57型160kW(218ps)/340Nm
アリアフロントAM67型160kW(218ps)/300Nm
サクラフロントMM48型47kW(64ps)/195Nm
e-POWER
ノート/ノートオーラ/キックスフロントEM47型85kW(116ps)/280Nm
リヤMM48型50kW(68ps)/100Nm
エクストレイルフロントBM46型150kW(204ps)/330Nm
リヤMM48型100kW(136ps)/195Nm
PHEV
三菱アウトランダーPHEVリヤYA1型100kW(136ps)/195Nm

上は現在の日産の電動車両の駆動モーターである。

長らくラインアップを支えてきたのは、「EM57型」交流同期モーター(IPMモーター)だ。IPMとは「Interior Permanent Magnet」のことで、モーターの回転子(ローター)の鉄心に永久磁石を埋め込んだモーターのことだ。

EM57型はリーフ、初代ノートe-POWER、セレナe-POWERなどに使われた。

EM57型IPMモーター IPMモータは永久磁石型電動機で、回転子(ローター)に永久磁石を使用しているため、磁束を作るための電流が不要。このため回転子側の損失が非常に少なくできるのが長所だ。

次に登場したのが、第二世代e-POWER、現行ノート/ノート オーラのフロント用モーター「EM47型」だ。最高出力は85kW(116ps)、最大トルクは280Nmである。

ノート/ノート オーラ4WDのリヤ用モーターが「MM48型」だ。このMM48型は
ノート/ノート オーラのリヤ用:50kW(68ps)/100Nm
サクラのフロント用:47kW(64ps)/195Nm
そして
新型エクストレイルe-4ORCEのリヤ用:100kW(136ps)/195Nm

として使われる。

新型エクストレイルのリヤ(e-4ORCE用)に搭載するMM48型モーター

MM48型を最初に搭載したのが、三菱アウトランダーPHEVのリヤで、三菱では「YA1型」という型式になる。パワースペックは100kW(136ps)/195Nmだから、新型エクストレイルのリヤモーターと同スペックだ。

注目の新型モーターBM46型

注目は新型エクストレイルのフロントモーターだ。型式は「BM46型」。EM、MMというシリーズではなく、新しい「BM型」というシリーズになる。このBM46型は、やはりIPMモーターで、後述する「巻線界磁式」モーターではない。

アリアのフロントモーターは巻線界磁式のAM67型

アリアのモーターユニット、型式はAM67型
こちらがローター(回転子)
こちらがステーター。

BEVのアリアの駆動用モーター(フロント)は、「AM67型」である。これまでの、IPMモーターではなく、「巻線界磁式」の同期モーター(Electrically Excited Synchronous Motor、EESM)だ。リーフのEM57型もサクラのMM48型も永久磁石式(IPM)の同期モーターだ。なぜ、日産はアリア用にEESMを開発したのか?

ローターの製造過程

より上級で大型のBEVであるアリアは、リーフよりも高速道路を使う機会も増え、高速走行時の効率がより重要になる。IPMモーターは高速側で効率が悪化することから、アリア用にはEESMの方が有利と判断したわけだ。低速低回転側はIPMが優れ、高速高回転側はEESMが優れていて、一長一短である。おそらく、アリアの4WDモデル、アリアe-4ORCEのリヤモーターは、フロントと同じくAM67型を搭載するだろう。

著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…