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同じFR-Lプラットフォーム+VR30DDTTの2台
現行V37スカイラインは、2014年に登場している。プラットフォームはFR-Lプラットフォームで、これは新型フェアレディZも同じだ(もちろん、さまざまな改良は施されているだろうが)。VR30DDTT型3.0ℓV6ツインターボを搭載した400Rが追加されたのは2019年だった。
まずは価格から。
スカイライン400R:562万5400円
フェアレディZ ベースグレード:524万1500円
フェアレディZ バージョンT:568万7000円
フェアレディZ バージョンS:606万3200円
フェアレディZ version ST:646万2500円
スカイライン400RとフェアレディZ バージョンTがほぼ同じ価格というわけだ。
ボディサイズは?
フェアレディZのボディサイズは
全長×全幅×全高:4380mm×1845mm×1315mm
ホイールベース:2550mm
スカイライン400Rは
全長×全幅×全高:4810mm×1820mm×1440mm
ホイールベース:2850mm
だから、同じFR-Lを使っていても、サイズはまったく違う。2シーターのZと5シーターのスカイライン400Rだから、当然だ。
最小回転半径は
フェアレディZが5.2m
スカイライン400Rが5.6m
エンジンはVR30DDTT
VR30DDTT(フェアレディZ搭載エンジン) 形式:V型6気筒DOHCターボ 型式:VR30DDTT 排気量:2997cc ボア×ストローク:86.0mm×86.0mm 圧縮比:10.3 最高出力:298kW(405ps)/6400rpm 最大トルク:475Nm/1600-5600rpm 燃料供給:DI(筒内燃料直接噴射) 使用燃料:無鉛プレミアム タンク容量:62ℓ
スカイライン400Rも新型フェアレディZも同じ型式の3.0ℓV6ツインターボエンジンを搭載する。型式はVR30DDTTだ。DD=DOHC Direct Injection(DI)TT=ツインターボエンジンだ。Vバンクは60度。ターボはバンク外側にそれぞれ1基ずつ計2基。
最高出力は405ps(298kW)
最大トルクは475Nm
というハイパワーユニットだ。
同じ型式だが、フェアレディZに搭載されているVR30DDTTは、リサーキュレーションバルブを新規開発することで、スロットルOFF時のタービンの失速を抑えることに成功しているという。
最大トルクは
スカイライン400R:475Nm/1600-5200rpm
フェアレディZ:475Nm/1600-5600rpm
とZの方がトルクバンドが上に広くなっている。
トランスミッションは7AT vs 6MT & 9AT
違いがあるのは、トランスミッションだ。
新型フェアレディZは6MTと9ATを採用する。対するスカイライン400Rは7速ATを使う。
ギヤ比を見てみよう。
スカイライン400R | 7AT | 3.133 | 4.783 | 3.102 | 1.984 | 1.371 | 1.000 | 0.87 | 0.774 | ||
フェアレディZ | 6MT | 3.538 | 3.794 | 2.324 | 1.624 | 1.271 | 1.000 | 0.794 | |||
フェアレディZ | 9AT | 3.133 | 5.425 | 3.263 | 2.249 | 1.649 | 1.221 | 1.000 | 0.861 | 0.713 | 0.596 |
FINAL | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | 6th | 7th | 8th | 9th |
直結ギヤ(1.000)は、400Rは5速、フェアレディZの6MTも5速、9ATは6速にあたる。新型フェアレディZの9ATはオーバードライブギヤが3つ。9速のギヤ比は0.596。
今度は、各ギヤ比と最終ギヤ比を掛け合わせたものを計算してみよう。
スカイライン400R | 7AT | 14.985 | 9.719 | 6.216 | 4.295 | 3.133 | 2.726 | 2.425 | ||
フェアレディZ | 6MT | 13.423 | 8.222 | 5.746 | 4.497 | 3.538 | 2.809 | |||
フェアレディZ | 9AT | 16.997 | 10.223 | 7.065 | 5.166 | 3.825 | 3.133 | 2.698 | 2.234 | 1.867 |
1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | 6th | 7th | 8th | 9th |
こうなる。新型フェアレディZの9ATのレシオカバレッジ(最ハイを最ローで割った数字)は9.10となり、非常にワイドなレシカバを持つ。7ATに対して、ロー側にもハイ側にも1速ずつギヤを足したと言える。ファイナルギヤレシオと掛け合わせると、クルージングギヤ(9速)1.867となり圧倒的に小さい数値になる。9ATを採用したことで、加速がよくなり、また細かくギヤをスムーズに繋げることで走りのフィーリングも燃費も良くなっている。
ちなみに、タイヤサイズは
スカイライン400R:F&R245/40RF19
フェアレディZ バージョンST:F255/40R19/R275/35R19
である。
燃費はどうだろう? パワーウェイトレシオは?
次は燃費について。フェアレディZを購入する層がどれほど燃費を気にするかは、わからないが、燃費は良いに越したことはない。
それぞれのモード燃費を比較してみる。
フェアレディZ
6MT
WLTCモード燃費:9.5km/ℓ
市街地モード 6.4km/ℓ
郊外モード 9.9km/ℓ
高速道路モード 11.6km/ℓ
9AT
WLTCモード燃費:10.2km/ℓ
市街地モード 6.6km/ℓ
郊外モード 10.9km/ℓ
高速道路モード 12.6km/ℓ
スカイライン400R
WLTCモード燃費:10.0km/ℓ
市街地モード 6.5km/ℓ
郊外モード 10.6km/ℓ
高速道路モード 12.5km/ℓ
もちろん、燃費はMTよりもATの方が優れている。新型Zの燃費が400Rより良いのは、9ATのおかげとともに、140kg~170kgほど軽い車重のおかげだろう。
パワーウェイトレシオはどうだろう? 同じくトルクウェイトレシオも比較してみよう。
パワーウェイトレシオ
Z 6MT:3.926kg/ps
Z 9AT:4.000kg/ps
400R:4.326kg/ps
トルクウェイトレシオ
Z 6MT:3.347kg/Nm
Z 9AT:3.410kg/Nm
400R:3.705kg/Nm
となっている。