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谷口信輝「新型NX350h“F SPORT”」をロードインプレッション
谷口信輝さんの「NOBチャンネル」最新回では、新型レクサスNXを一般道でロードインプレッションしていただきました。
今回試乗したのはこちら、NX350h“F SPORT”
2021年10月に登場した新型NXは、2014年に登場した初代から数えて2代目となり、トヨタ「ハリアー」や「RAV4」と同様の「GA-Kプラットフォーム」を採用したミドルクラスのプレミアムSUVです。ライバルはメルセデス・ベンツ「GLC」やBMX「X3」など。
Fスポーツはサスペンションなど足まわりの補強や電子制御ダンパーなどを採用したスポーツグレード。パワートレーンは2.5ℓ直列4気筒ガソリンエンジン+電気モーター。エンジンは最高出力190p/最大トルク243Nm。モーターはフロントが最高出力182PS/最大トルク270Nm、リアが54ps/21Nm。全輪駆動の「E-Four」となる。
谷口さん、新型NXはどうですか?
谷口さん新型NXはどうですか?
「もう、走り出しの時点でいいですよね。NXは。車全体のバランスが良いというか、『淀みが無い』という感じです」
「淀みがない」とはどういうことでしょうか?
「いわゆる「ダルいクルマ」というのは、タイヤだったり、サスペンション、ブッシュなど各部品に「遊び」があるわけですよ。伝達ゲームに例えると、スタートからゴールに行くまで、話が曲がったり、内容が端折られたりしますよね?クルマも同じでドライバーが路面と対話するには、タイヤやサスペンション、ブッシュ、ステアリングなどを伝わって情報が伝達されてきます。
そこを全部固めてしまえば、情報はダイレクトに伝達しますが、弊害として振動が出たり、挙動がピーキーになってしまいます。まさにレーシングカーのような「まったく遊びがないクルマ」という状態です。街乗りのクルマに大切なのは、キビキビ感は残しつつ、どれだけマイルドにするか。微振動やピーキーな部分を穏やかにして疲労感・不快感をなくしていくか。というサジ加減。ここの方向性を決めるのが車両開発において重要な部分だと思います。
そのうえで、今回の新型NXは、不快感につながる微振動や騒音などの雑情報は上手くカットされている。そして、ピーキー過ぎず、ダルくもない、ちょうどいいバランスなんです。そうゆう意味で『淀みが無い』と表現しました。運転操作が思ったようにクルマに伝わっていくという感じかな」
それは、すべてのレクサス車に共通している感触ですか?
「いや、違います。この新型NXの世代から変わりました。例えば、僕が乗っている先代RXは、このNXより遊びがあってマイルドな操作感です。新型NXはハンドルを切って、ロールして、曲がり始めるタイミングの具合や、路面から伝わる情報のレスポンスタイムも的確で、情報を一言一句漏らさずにドライバーに伝えてくれている感じです。
サスペンションの突き上げも穏やかですし、コーナーに入る時に、ドライバーが構える感じが必要ないのもイイですね。マイルドなクルマだと、コーナーに入る前にハンドルを切って、クルマがロールするまでの時間をドライバーが予め(無意識だけど)予想しておかないといけないのですが、新型NXはそれがストレス無くスパッと行えます。
ロードノイズに関しては静かだと思うのですが、アクセルを踏み込んだ時に少しエンジンが唸りますね。そのぶん加速感は十分です。ボディのサイズ感も丁度いいですよね。ひと回り大きいRXでも慣れたら問題ないけど、日本国内で乗るならこのサイズの方が楽でいいかな。
スポーツカーじゃないからサーキットなど攻めた走りはできないけど、「走る、曲がる、止まる」というクルマの基本に動作に対しての楽しさ、人馬一体の感覚だったり、とてもいい車ですね。僕も欲しいです。これで車両価格608万円〜はお買い得価格だと思います」
レクサス NX350h“F SPORT” 車両価格:608万円 全長×全幅×全高:4660mm× 1865mm× 1660mm ホイールベース:2690mm 車両重量:1820kg 排気量:2487cc エンジン:直列4気筒DOHC エンジン最高出力:190ps/6000rpm エンジン最大トルク:243Nm/4300〜4500rpm モーター最高出力 フロント/182ps ・リヤ/54ps モーター最大トルク フロント/270Nm ・リヤ/121Nm 駆動方式:AWD トランスミッション:電気式無段変速機 燃料タンク容量:55ℓ(ハイオク) WLTCモード燃費:19.9km/L タイヤサイズ: 235/50R20 乗車定員:5名