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ラインナップ充実で選択肢増 運転支援や先進安全装備強化
ロッキーは、日本の5ナンバーサイズの貴重なスモールSUVの一台である。トヨタブランドで販売されるライズも、ロッキーとは外観デザインや一部仕様が異なるだけの双子車で、その企画開発や生産を担当したのはダイハツ。つまり、販売台数はライズの方が多いが、クルマの出自としてはロッキーこそが本家・本流と言えなくもない(?)。
エクステリア
2021年度(21年4月〜22年2月)のロッキーの販売台数は2万983台で、国内登録車販売ランキングで28位だったのに対して、ライズは8万4731台で6位だった。両車を合計すると10万台超となり、実質的には4位にランクアップする。この次に売れたSUVは、6万台弱のホンダ・ヴェゼルだから、ロッキー/ライズが昨年度の国内SUV市場で圧倒的な1位と言っていい。
乗降性
ロッキー/ライズが人気の理由はいくつも考えられる。4mを切る全長と5ナンバー枠に収まる全幅は、やはり日本の交通環境では非常に使いやすい。それでいて、競合するスズキ・クロスビーよりワイド&ローなディメンションで見た目の安心感・安定感も高く、大型センターコンソールをもつインテリアも軽自動車とは別格のありがたみが感じられる。
しかも、200万円以下でFFも4WDも選べる価格設定も素直に買い得感が高く、アダプティブクルーズコントロール(ACC)を用意するなど、先進運転支援システム(ADAS)も充実している。さらに、ロッキー/ライズには、 その地位を盤石にしてくれそうな改良が昨21年11月に実施された。それは新開発ガソリンエンジンの1.2l車と、その1.2lが発電に徹するシリーズハイブリッド車の追加である。
1.2l車は従来の1.0lターボより安価な設定で、スタート価格は170万円を切る。そして、ハイブリッドは 28.0km/l(WLTCモード)という低燃費を誇る。そして従来の1.0lターボも健在。 1.2l車とハイブリッド車がFFのみなのに対して、1.0lターボ車は4WDのみ……と、ラインナップがあらためて整理された。
インストルメントパネル
さらに、同時にADASも、ステレオカメラと電動パーキングブレーキを組み合わせた最新システムにアップデート。自動ブレーキは夜間の歩行者にも対応して、全車速対応ACCは停車保持機能も加わり渋滞追従も飛躍的に楽になった。さらには旋回を補助するコーナリングトレースアシスト、標識認識機能、路側逸脱警報、ふらつき警報なども加わり、掛け値なしに最新鋭となった。
居住性
市街地でも取りまわし性のいい走りは、レジャー用途にも対応できるプラスアルファの余裕をどのパワートレーンでも発揮する。ハイブリッド車は静粛性こそ思ったほど高くないが、電動駆動らしい加減速レスポンスが心地良く、エコランを意識せずとも軽く20km/l に達する実燃費も素晴らしい。そして1.0lターボ車の4WDは素直にパワフルだ。もっとも印象的なのは手頃な1.2l車で、スペックから想像する以上に強力で燃費もいい。
うれしい装備
月間登録台数 2065台(21年10月〜22年3月平均値) 現行型発表 19年11月(新エンジン追加 21年11月) WLTCモード燃費 28.0 km/l ※ハイブリッド車
ラゲッジルーム
前記のようにハードウエアとしては大人気のライズと異なるところのないロッキーだけに、デザインが気に入れば迷わず買って間違いない。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.141「2022-2023 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。
http://motorfan-newmodel.com/integration/141