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2022年11月12日、大磯ロングビーチで開催された「オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング2022」。コロナ禍の影響から3年ぶりの開催にオーナーやファンの期待も大きく、多数の参加希望者から抽選で318台620名がエントリー。新旧オーテック車のオーナーはもちろん、ニスモ車オーナーも集い大いに盛り上がった。
湘南里帰りミーティングとは?
車種ミーティングではなく、車種は違えど、日産車、オーテック車というつながりが楽しめるメーカーを中心としつつもオーナーが主役になるイベントとして開催。日産車を愛用するユーザーへの感謝を込めたイベントであり、メーカーがユーザーとのつながりや理解を深めユーザーのニーズをダイレクトにキャッチする貴重な機会にもなっている。
同イベントは前身となる2004年から始まり、2013年の台風と2020年、2021年のコロナ禍による中止を除き、今回で通算15回目の開催となった。
2022年4月にオーテックジャパンとニスモを統合した「日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社」が誕生したこともあり、オーテック車はもちろんニスモ車も多数参加。
全318台のうち、ノートが70台、マーチが53台、セレナが50台を占めつつもエルグランドやエクストレイル、シルビア、オーラ、リーフ、スカイラインなどなど新旧問わず実に多彩な車種が集まった。中には滅多にお目にかかれない貴重なクルマも参加していた。
充実した内容にファン大満足!
■開会式&授賞式
開会式では日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)代表取締役社長兼CEO 片桐隆夫氏がステージに上がり、会場に集まったオーテック&ニスモオーナーや日産ファンに挨拶。3年ぶりに開催できたことの喜びを語った。
また、ミーティング恒例の「過走大賞」「遠来賞(北東方面/南西方面)」も発表され、その走行距離には一同驚かされた。「過走大賞」はセドリックブロアムVIP Lオーナーで50万8600kmの”壁田”さん。「遠来賞(北東方面)」は札幌からエクストレイルAUTECHで来場した”工場長”さん。「遠来賞(南西方面)」は鹿児島のシルビアオーテックバージョンの”K”さん。遠来賞の2人は11月10日に出発して会場に入ったという。
■オーテックラインナップ
オーテックブランドとして、現在ラインナップしている日産車のオーテックモデルを一堂に並べた。オーテックモデルはエクストレイル、キックス、ノートオーテッククロスオーバー、リーフ、NV350キャラバンと勢揃い。NV350キャラバンは車中泊仕様と、固定方法を改良した車椅子仕様のチェアキャブを展示した。
■GT500マシン
NISMOチューニングカーに加え、スーパーGTで活躍したGT500マシンを展示。本物のレーシングカーをすぐ近くで見ることができる貴重な機会となった。GT500マシンはNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rだ。
■メーカーブース
会場にはオーテックやニスモ、協賛メーカーのブースが並び、会場限定やお買い得価格のアイテムが販売された。NISMO Performanceブースではグッズの他にレースで使用したホイールまで販売されるなど、ファン垂涎のラインナップとなっていた。
さらに食事からスイーツまでケータリングカーもやってきて、グルメも堪能できた。
■パネル展示&プレイイベント
屋内では、話題となった伊藤かずえさんが所有するシーマのレストア記録や、NMC(その前身であるオーテックジャパンとニスモ)のヒストリーを代表車種と共に紹介するパネルが展示された。
また、茅ヶ崎発祥の「ビーサン飛ばし大会」(飛距離の関係でスリッパで代用)ではキッズが大盛り上がり。家族みんなで楽しんでいた。
豪華ゲストによるトークショー&ジャンケン大会
ゲストには2022年シーズン、REALIZE CORPORATION ADVAN Z(GT500 24号車)で活躍したレーシングドライバーの平手晃平選手と、2022AUTECHレースクイーンの美すずさんが来場。
平手選手は2021年7月に立ち上げたFacebookを拠点とする会員限定クラブ「平手晃平と車で遊ぼう!」を紹介。”ファンと繋がれる大人のクラブ活動”として、サーキット走行や撮影会、ミーティングなどを開催している。
この活動用にフェアレディZ(Z33型)に加え、ビギナー向けマーチ12SRも購入。マーチ12SRはショートサーキットでは思った以上に鋭い走りを見せるので気に入っているとのこと。
ちなみに、平手選手はGT500に参戦する全メーカーのタイヤを経験しているという稀有なドライバーだ。
2020年、2021年はオンライン開催ということもあり、大磯でのイベント参加を心待ちにしていた美すずさんも会場を見てまわり、オーテックとNISMOのクルマが並ぶ様子に感動。展示車両に添えられたオーナーのコメントに共感を示していた。
トークショーに続き恒例のジャンケン大会が催され、平手選手と美すずさんが参加者とジャンケン勝負を繰り広げ、幸運にも勝者となった参加者は12月4日にフジスピードウェイで開催される「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2022」の入場券をゲットした。
貴重な名車、旧車、レア車が目白押し!
1986年の設立以降、さまざまなカスタムカーをリリースしてきたオーテック。今回の参加車両の中にはそんなこれまでオーテックが手がけてきたクルマも多数参加していた。そのラインナップは誰もが知る名車から知る人ぞ知る希少車、競技ベース車両など実に多彩。中には今では貴重な二桁ナンバーの車両もあり、いずれもオーナーの愛を感じさせる逸品揃いだった。
■スカイライン
R33型のスカイライン40周年記念車やR32型の5ナンバーボディ4ドアGT-Rなど、4ドアGT-Rがここまでまとまって見ることができるのはオーテックのミーティングならでは。
また、オーテック初のハイパフォーマンスカスタムカーであるR31型スカイラインGTS-Xオーテックバージョンも来場していた。
■シルビアコンバーチブル&ヴァリエッタ
シルビアのオープンカーもなかなかお目にかかれないレア車。S13型のコンバーチブルとS15型のヴァリエッタが並ぶシーンなど滅多に見られるものではない。特に幌車であるS13型など、幌のコンディションなどを考えれば維持していくのにはさぞ神経を使うことだろう。
■フォーマルセダン
スポーツや競技志向の強いNISMOに対し、カスタムカーやチューニングカーでもどちらかといえば”オトナ”仕様といった印象のオーテックバージョン。セダンの展開も少なくないのだが、目立つ4ドアGT-Rの影に隠れがちな印象もある。そんなレア車が集まるのもオーテックミーティングの特色。
走りの良さが高く評価されたP10型プリメーラを、グループAに代わるツーリングカーレースの参戦車両のレーシーなイメージを加えた400台限定のハイチューンなプリメーラや、「くうねるあそぶ」のキャッチコピーと、手頃なサイズの4ドアFR車という点でラグジュアリーにも走りにも人気を集めたA31型セフィーロ、5ナンバー上質セダンのブルーバードシルフィアクシスと幅広くオーテックバージョンを設定した。
また、商用特装車を手掛けるオーテックだけに、Y31型グロリアロイヤルリムジン セレクションIも参加。ブーメランアンテナやレースのカーテン、サブミラーなど今では見ない装備は貴重だ。
■U12型ブルーバードSSS-R
日産が誇るフルタイム4WDシステム「ATTESA(アテーサ)」を初めて搭載したのがU12型ブルーバードだ。そのブルーバードを競技用にチューニングしたグレードがSSS-R。特に当時の改造範囲の厳しい全日本ラリーに対応するため、ロールバーやクロスミッションを標準装備し、1987年には見事全日本チャンピオンを獲得している。
完全な競技ベース車のため、ロードユースには不都合も多く競技車両としてはベストセラーだったが販売台数は多くはなく、競技でのハードユースにより現存する車両は貴重だ。
そんなブルーバードSSS-Rが3台も集結! それぞれ違った当時感のある車体を披露していた。
■ホットハッチ
歴代マーチを筆頭にホットハッチとも言えるコンパクトカーのオーテックバージョンも多い。特に今回のミーティングではNISMOと合わせて歴代マーチが合計53台も参加するなど、一大勢力を築いていた。特にK12型のスポーティグレード12SRはゲストの平手晃平選手もその走りに惚れ込むほど。
マーチといえばクラシックテイストが流行した際にラインナップされたボレロの姿もあった。特にオーバーフェンダーによるド派手な外観が印象的なK13型の30周年記念車、ボレロA30が7台も参加していた。
また、シビックタイプRの対抗馬として期待されたN15型パルサーVZ-Rも貴重な1台だ。
感動のフィナーレ
イベントの最後はオーテックのスタッフが見送るなか、参加者が会場をあとにしていく。手を振るスタッフに参加者も手を振って応えるシーンはイベントを締めくくるにふさわしい感動的なシーンでもある。また来年、大磯で多くの参加者を集め「オーテックオーナーズグループ湘南里帰りミーティング」が開催されることになるだろう。