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ちょっと、ビ・ン・カ・ン!
昨年(2021年)12月末に納車になったGR86加茂号。約1年乗ってあらためて思うのが本当に良いクルマだということ。これはお世辞でもなんでもなく、先代でも良いと思ったのにそれを凌駕するほどにしっくりくるボディ。乗り心地がよく、ステアリングの操作にも瞬時に反応してくれるクルマなのである。
脚周りもしっとりとしていて乗り心地がよく路面を掴む。サスペンション自体は交換してジール製になったが、もとの設計の良さもあってさらにしなやかになった。
エンジンは先代より遥かにトルクフルになっている。全域でパワーが満ちていて、いつでも加速していけるのは運転の楽さと楽しさにつながっている。そして、その高揚感フィーリングも特徴。室内にはロマンあふれるエンジン音が響いて、ちょっとしたレーシングカーのような気持ち良い加速をしていける。
加茂のつぶやき:よく「トルクフル」という人がいますが、じつは間違い。クルマ好きな皆さまはぜひ「トルキー」でお願いします!
そこでちょっと気になるのがアクセルレスポンスだ。
電子制御スロットルだからダルい! という人はよくいるのだが、個人的には全然わからない。電スロのクルマとワイヤースロットルのクルマを目隠しで乗りくらべてもわからない自信がある(と、まぁそこはどうでもいいのだが)。
アクセルペダルをちょっと多めに踏んでしまうとパオーンと大きく吹け上がってしまうのが気になるのだ。
とくに発進時にクラッチミートがちょっとだけ難しく、加速しすぎてしまうのである。
この傾向は初代86はもっと顕著だった。GR86になってかなり改善されたが、まだちょっと気になるのである。
初代86ではECUチューンを行なった。
エンジンを制御するコンピュータの中身を書き換えることで、パフォーマンスをアップさせるチューニングのことだが、スロットル操作に合わせたエンジンの反応を変えることもできる。
わざと少しダルくする部分と、シャープに反応する部分を調整してもらいじつに乗りやすくなったのだ。
ついに、できるように!
そこでGR86でもそれを行ないたいのだが、これまでまだECUチューンができなかった。
なぜか。答えは簡単だ。エンジン制御の中身を書き換えることなので、自動車メーカーとしては好ましいことではないから。
いじれないようにプロテクトがかけられていて、それをいじれるようにチューニング業界ではECUを解析。パソコンの中身をハッキングして書き換えるように、ECU内部のデータを書き換えることでチューニングしていくのだ。
このチューニングがついにGR86でもできるようになったという。
海外製の書き換え機が対応できるようになった。それだけではデータが書き換えられるようになっただけなので、現在は全国のチューニングショップが自社オリジナルのデータを作成。
それぞれの考える乗りやすくて速いデータを構築している最中なのだ。
だが、それに近いことがGRヤリスではディーラーで解禁されたのだ。
それがGRガレージで提供されるサービスとして開始された「GR YARIS PERFORMANCE SOFTWARE 2.0」というもの。
最大トルクを370から390Nmに向上。エンジンコンピュータはアクセルレスポンスを高反応レスポンス、標準、コントロール重視から選択。4WDの前後比率も前寄り、均等、後ろ寄りから選択。パワステの重さを重め・標準・軽めから選べるという。
これがあればスロットルだけコントロール重視にしてほしいなど、個人に合わせたカスタマイズができる。それがGRガレージでできるようになったのだ。
このサービスがGR86で展開されるかはまだ不明で、その前にチューニングによるECU書き換えが提供されるようなので、加茂号には先にチューニングECUを入れることになりそうだが、それの効果、GRガレージで提供されるサービスの効果、それぞれがどれだけドライバーに乗りやすく感じられるか興味深いところだ。