上質な乗り心地と静粛性はSUV 随一!「シトロエン C5エアクロス SUV」【最新SUV 車種別解説】

ディーゼル車、ガソリン車に加え、21年にはプラグインハイブリッド車もラインナップされた「シトロエン C5エアクロス SUV」。往年のシトロエン車を彷彿とさせる上質な乗り味に、運転席パワーシートやワイヤレス充電などの利便性の高い装備が全車標準される。高い静粛性もジマンだ。
REPORT:河村康彦(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽/神村 聖 MODEL:菅原樹里亜

スムーズな加速で走りが快適 ターボ付きガソリン車も秀逸

最新シトロエン車に共通する、〝ダブルシェブロン〞を中央に配する個性豊かな顔つきがまずは印象的なこのモデルが、「魔法の絨毯のような乗り心地」というキャッチフレーズとともに日本で発売されたのは2019年5月のこと。

エクステリア

PHEVに専用ロゴやブルーの加飾が施されるほかは、基本的に純内燃機関仕様と意匠は同じ。最低地上高は190mmで、雪上など日常使いなら十分な高さを確保し、全車にルーフレールを標準装備する。最小回転半径は5.6m。

そんな特長が謳われる根拠となっているのが、サスペンションのストロークが進むとピストンがシリンダー内に入り込んでストッパーとして作用するような〝第二のダンパー〞を配した〝プログレッシブ・ハイドロリック・クッション〞と呼ぶ構造を備えたサスペンションの採用だ。

インストルメントパネル

厚みのあるダッシュボードと柔らかさを抱かせるデザインにより包まれ感のある空間になっている。左右独立調整式オートエアコン、スマホ連携が可能な8インチタッチスクリーンは全車標準で、写真のナビはオプションになる。

さらに、ラウンジのソファのような着座感を実現するシートや二重ラミネート構造のフロントサイドガラス採用などによる静粛性の高さなども、上質な乗り味の実現にひと役買っていると謳われる。かつて独自の油空圧=ハイドロニューマチック・サスペンションを採用していた名高い往年のシトロエン車に強いオマージュを抱いた存在が、このモデルと言っても良さそう。

居住性

試乗したのは、当初2.0lのディーゼルターボエンジンだった心臓部に20年4月に追加された、1.6lのガソリンターボエンジンを搭載したモデル。

うれしい装備

PHEVは、200Vの普通充電にのみ対応する。3kWは5時間、6kWなら2.5 時間で満充電になり、65kmのEV走行が可能だ。
電動メッシュサンシェード付のパノラミックサンルーフは、PHEVとナッパレザーパッケージに標準で、車内に明るさと開放感をもたらす。
航続距離65km、最高速135km/hのエレクトリックがデフォルトで、ハイブリッド、スポーツの3つの走行モードから状況に応じて選択できる。
月間登録台数    NO DATA
現行型発表     19年5月(グレード追加 21年6月)
WLTCモード燃費   17.1km/l※「SHINE BlueHDi」

ラゲッジルーム

最高出力はディーゼルを上回る一方で最大トルク値は400Nmに対して250Nmと明確に見劣りはするものの、それでも思った以上に軽々と加速をし、売り物の上質な乗り味にも磨きが掛かったように受け取れたのは、120kg以上軽さを増した車両重量とも関係がありそうだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.141「2022-2023 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。
 
http://motorfan-newmodel.com/integration/141

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