1Nmいくら選手権2023年版 安くてトルキー!トップは直6ディーゼル搭載のCX-60?

安くてトルキーなクルマはどれか?
エンジンの性能で重要なのは、パワー(最高出力)だけではない。トルク(最大トルク)もクルマの走行性能を左右する。こちらも、大トルクを得るには大排気量にするか、過給するか、ディーゼルにするか、でどうしても高価なパワートレーンになりやすい。「高くてトルキーは当たり前」、では「安くてトルキーなクルマ」はどのモデルなのか?

最大トルク/車両価格 1Nmを得るのにいくらかかるのか?

1psいくらなのか、は車両価格(円)÷最高出力(ps)で求められる。
では、トルクはどうなのか? 豊かなトルクでクルマをぐいぐい押し出す力。トルキーな走りにはエンジンの最大トルクが重要だ。(ちなみに、それは「トルキー」であって、「トルクフル」とは言わない。同様に滑りやすいは、「スリッピー」ではなく「スリッパリー」だ)。

さて、大トルクといえば、モーターの得意分野なのだが、今回はエンジンに注目する。
1Nmを得るのにいくらかかるのか? ガソリンターボか、ディーゼルか、はたまた大排気量NAか?

1馬力いくらか。最新のランキングはこちら。
パワーとトルクの関係は、こちらで勉強しましょう。

例を挙げてみよう。車両価格÷最大トルクだから

トヨタ・カローラのエントリーグレードXの場合は
1.5ℓ直3エンジン(最大トルク145Nm)で199万円
1990000÷145=13724(1万3724円)
つまり1Nm=1万3724円ということだ。

これが電気自動車になるとどうなるか?
日産アリアB6(FWD)の車両価格は539万円、モータートルクは300Nmだから
5390000÷300=179667 1Nm=1万79667円

インポートのディーゼルエンジン搭載のプレミアムモデルだと
メルセデス・ベンツS400d4マチック
車両価格1415万円、3.0ℓ直6ディーゼルの最大トルクが700Nmだから
14150000÷700=20214 1Nm=2万0214円ということになる。

さて、これらの情報を念頭に置いてランキングを見ていこう。TOP10圏外の12位から。

第12位 ルノー・メガーヌR.S.=1万2357円

ルノー・メガーヌR.S. 車両価格519万円

ルノー・メガーヌのスポーツモデルルノー・スポール(R.S.)の1.8ℓ直4ターボの最大トルクは420Nmと強力だ。車両価格は519万円だから、1Nm=1万2357円。インポートカーとしては異例のトルク・コストパフォーマンスを誇る。

第11位 ホンダ・シビック タイプR=1万1898円

シビック タイプRの価格は驚きの500万円切り。499万7300円。最大トルクは420Nm

ルノー・メガーヌR.S.の宿命のライバル、ホンダ・シビック タイプR。2.0ℓK20C型直4ターボエンジンの最大トルクは、メガーヌR.S.と同じ420Nm。価格がメガーヌR.S.より20万円ほど安いから、トルク・コストパフォーマンスは1Nm=1万1898円となる。

第10位 トヨタGR86=1万1196円

GR86のRCグレードは「安くてトルキー、安くてパワフル」なモデルだ。ホイールも交換を想定してスチール。そのぶん価格も低く設定されている。

GR86の搭載エンジンはFA24型2.4ℓ水平対向4気筒自然吸気エンジン。ターボではないので、最大トルクは250Nmである。最廉価モデルはRCで279万9000円。となると1Nm=1万1196円ということになる。

第9位 日産フェアレディZ=1万1035円

新型フェアレディZのベースグレードは、大トルクなのに価格はリーズナブル。

新型フェアレディZのベースグレード(車両価格524万1500円)が搭載するのは、3.0ℓV6ツインターボエンジン(VR30DDTT型)の最大トルクはターボならではの475Nmと大トルクを発生する。1Nm=1万1035円だ。

第8位 トヨタ・ランドクルーザー=1万0857円

写真はZXのガソリン車。ディーゼルは760万円なのに対してガソリンは730万円。

ランドクルーザーが積むのは、F35A-FTV型という新開発の3.5ℓV6ディーゼルエンジンだ。最大トルクはなんと700Nm。最廉価版はZXで車両価格は760万円。

第7位 スバルWRX S4=1万0667円

スバルWRX S4 写真はGT-H EX 車両価格438万9000円

FA24型2.4ℓ水平対向4気筒ターボは、最大トルク375Nm。エントリーグレードはGT-Hで400万0400円。かなりリーズナブルである。

第6位 マツダMAZDA3 FB=1万0621円

MAZDA3が搭載するディーゼルはSKYACTIV-D1.8。

ディーゼルに熱心なマツダの1.8ℓ直4ディーゼル、SKYACTIV-D1.8はMAZDA3に載せるスペック(285万7800円)で270Nmだ。1Nm=1万0584円。ちなみに、e-SKYACTIV X(最大トルク240Nm)搭載モデルのトルク・コストパフォーマンスは1万1908円になる(Xスマートエディション)

第5位 GRヤリス=8919円

GRヤリスのエントリーグレード、RCの車両価格は330万円。

GRヤリスのエントリーグレードRC(というか、モータースポーツ向けグレード)の車両価格は330万円。これに載るのは、現在国産屈指のハイパワーユニット、1.6ℓ直3ターボのG16E-GTS型だ。最大トルクは1.6ℓにして370Nm。1Nm=8919円と、一気に1Nm=1万円の壁を突破しての9000円切りだ。

第4位 スズキ・スイフトスポーツ=8819円

スズキ・スイフトスポーツのエントリーモデルは202万8400円

第4位はスズキが誇るコンパクトホットハッチ、スイフトスポーツ。エンジンは、K14C型1.4ℓ直4DOHCターボ(140ps/230Nm)。いわゆるスズキ版ダウンサイジングターボの最大トルク230Nmを2500-3500rpmで発生する。トルク・コストパフォーマンスも高いが、トルク/ウェイトレシオ(車両重量970kg)の数値も4.22kg/Nmとなかなか優秀だ。

第3位 マツダCX-3=8581円

ロングセリングモデルとなっているマツダのコンパクトSUV、CX-3。このサイズで1.8ℓの直4ディーゼルターボを搭載しているのだから、トルク・コストパフォーマンスが高いのも頷ける。

マツダのコンパクトSUVのCX-3は、MAZDA3と同じSKYACTIV-D1.8(最大トルク270Nm)を積む。そして車両価格が231万7000円とかなりリーズナブルだから、結果トルク・コストパフォーマンスが非常に高くなるわけだ。

第2位 マツダCX-5=6857円

マツダのベストセリングSUV、CX-5が搭載する2.2ℓ直4ディーゼルターボ、SKYACTIV-D.2.2の最大トルクは450Nm。写真はマツダ CX-3 XD Exclusive Mods

またしてもマツダだ。CX-5のXDスマートエディションが積むのは、2.2ℓ直4ディーゼルターボのSKYACTIV-D2.2。最大トルクは450Nmと強力だ。

第1位 マツダCX-60=6479円

3.3ℓ直列6気筒DOHCディーゼルターボをフロントに縦置きするCX-60。マイルドハイブリッドでない、4WDでないモデルは、車両価格323万9500円。もはやバーゲンプライスだ。

もうダントツと言っていい。マツダCX-60の、FR/マイルドハイブリッドシステムなしのモデルがトルク・コストパフォーマンスのトップに輝いた。

SKYACTIV-D3.3の最大トルクは500Nm。車両価格はバーゲンプライスの323万9500円である。トルク・コストパフォーマンスを考えると、「FR/マイルドハイブリッドシステムなし」で装備を足していくのが一番いい買い方……といえる。もちろん、トルク・コストパフォーマンスだけが指標ではないのだけれど。

ちなみに、直6ディーゼル+マイルドハイブリッド(e-SKYACTIV D3.3)を搭載する上級モデル(XD ハイブリッドエクスクルーシブスポーツ)の車両価格は505万万4500円と500万円超えだが、エンジントルクが550Nmにアップすることもあって、トルク・コストパフォーマンスは1Nm=9190円と非常に高い。

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