どのRXを選ぶのがベストか? 新型レクサスRXのパワートレーンは、うれしい悩みを与えてくれる

レクサスの主力SUV、レクサスRXがフルモデルチェンを受けた。3つのパワートレーンは、どれもキャラクターが立ったもので、どれを選んでも楽しめそうだ。とはいえ、どのパワートレーンがどんな人に向いているのか? 試してみた。
TEXT:瀨在仁志(SEZAI Hitoshi)PHOTO:Motor-Fan/LEXUS

3種類のパワートレーンと3種類の4WD

初代レクサスRXと新型RX。初代は、ベースがトヨタ・ハリアーであることがすぐにわかるが、代を経るごとに別のモデルへと進化していったことがわかる。

レクサスを代表するSUVモデル『RX』が2022年11月にフルモデルチェンジを行なった。レクサスRXはデビュー当初(日本デビューは2009年、初代モデルは北米で1998年デビュー)から都会派SUVとして、洗練されたボディフォルムに目を奪われたが、5代目モデルもその精神をしっかりと受け継ぎ、スピンドルグリルからレクサスの新たなデザイントレンド『スピンドルボディ』に進化している。グリルとの一体感を演出した力強いボディフォルムが目を惹く。

注目すべきポイントは機能面での強化だ。駆動システムはFFモデルのほかに、機械式4WD(RX350)、E-Four(RX450h+)に加えて高出力リヤモーターを採用する『DIRECT4』(RX500h)を新たにラインアップ。 

RX500hのパワーユニットは、クラウンRSと同じ構成だ。
レクサスRX500hのパワートレーン
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:T24A-FTS
排気量:2393cc
ボア×ストローク:87.5mm×99.5mm
圧縮比:-
最高出力:275ps(202kW)/6000rpm
最大トルク:460Nm/2000-3000rpm
過給機:ターボチャージャー
燃料供給:DI+PFI(D-4ST)
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:65ℓ
トランスミッション:6AT+モーター(Direct Shift-6AT)
モーター:
フロント 1ZM型交流同期モーター
 最高出力87ps(64kW)
 最大トルク292Nm
リヤモーター 1YM型交流同期モーター
 最高出力103ps(76kW)
 最大トルク169Nm

RX500hは、DIRECT4のパワーユニットには2.4L4気筒ターボ(275ps/460Nm)とフロントに64kWのモーター、リヤにE-Fourの40kWに対して76kWのパワーを持つモーターを採用することで歴代最強の4WDモデルが用意された。組み合わせる6ATはトルクコンバーターの代わりにマルチプレートを採用し、力強い走りをサポートする。

レクサスRXh+はPHEVモデルである。
レクサスRX450h+のパワートレーン
エンジン形式:直列4気筒DOHC
エンジン型式:A25-FXS
排気量:2487cc
ボア×ストローク:87.5mm×103.4mm
圧縮比:-
最高出力:185ps(136kW)/6000rpm
最大トルク:228Nm/3600-3700rpm
過給機:×
燃料供給:DI+PFI(D-4S)
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:55ℓ
トランスミッション:6AT+モーター(Direct Shift-6AT)
モーター:
フロント 5NM型交流同期モーター
 最高出力182ps(134kW)
 最大トルク270Nm
リヤモーター 4NM型交流同期モーター
 最高出力54ps(40kW)
 最大トルク121Nm

RX450h+は2.5L4気筒・PHEV・E-Fourモデルとなり、クラストップレベルの86kmのEV走行とWLTCで18.8km/Lの好燃費を実現している。

レクサスRX350は、もっともコンベンショナルなパワートレーン。2.4ℓ直4ターボ+8AT。
レクサスRX350のパワートレーン
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
エンジン型式:T24A-FTS
排気量:2393cc
ボア×ストローク:87.5mm×99.5mm
圧縮比:-
最高出力:279ps(205kW)/6000rpm
最大トルク:430Nm/1700-3600rpm
過給機:ターボチャージャー
燃料供給:DI+PFI(D-4ST)
使用燃料:プレミアム
燃料タンク容量:67ℓ
トランスミッション:8AT

RX350はノンハイブリッドで、唯一FFモデルと機械式4WDの2タイプをラインアップし279ps/430Nmの2.4L4気筒ターボユニットと8速ATが組み合わされている。

全長×全幅×全高:4890mm×1920mm×1700mm ホイールベース:2850mm サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rマルチリンク式

さらに今回採用されている改良型GA-Kプラットフォームは全長こそ先代モデルとの差は小さいものの、ホイールベースで60mm、トレッドではフロント15mm/リヤ45mm拡大。低床化と軽量化によって重心高を15mmダウンさせ、さらにリヤサスペンションは新開発マルチリンクを採用するなど、大幅な変更を受けている。

どのRXを選ぶのがベストか?

レクサスRX500h F-SPORT Performance 車両価格:900万円 試乗車はオプション(48万8400円:ルーフレール F SPORT Performance+パノラマルーフ20万9000円/マークレビンソンプレミアムオーディオ27万9400円)付き
走りの専門家である瀨在氏のおすすめはRX500h

もっともハイパワーなRX500hはこれらのスペック向上の真価を実感させるのに充分な走りを見せている。旋回に入っていったときのボディのぐらつきが少なく、足元の動きも自然だ。突起乗リ越えなどでは大口径タイヤ特有のコツンとくる入力はあるものの、その動きを上体まで伝えることはない。ダンピングの効いたタイヤとサスペンションに加えて、支持部分の無駄な動きを抑えることで、微振動を残さない。

もっともハイパワーなRX500hはこれらのスペック向上の真価を実感させるのに充分な走りを見せている。旋回に入っていったときのボディのぐらつきが少なく、足元の動きも自然だ。突起乗リ越えなどでは大口径タイヤ特有のコツンとくる入力はあるものの、その動きを上体まで伝えることはない。ダンピングの効いたタイヤとサスペンションに加えて、支持部分の無駄な動きを抑えることで、微振動を残さない。

パワーをかけていったときのトレース性はフロントの牽引力に加えて、リヤの駆動力の高さによって旋回方向の動きをサポートしてくれているのか、コンパクトなラインで通過できる。踏んでいくほどに旋回力を感じさせるのが特徴で、リヤのパワーがあることと接地性の高さが最大限、活かされていることが理解できる。

450h+も同様にボディの大きさを感じさせない旋回力を見せるものの、旋回後半にはリヤからのサポート感は薄く、安定方向に終始。それでもボディの大きさを感じさせない、素直なハンドリング性能は、進化したシャシー性能の本領発揮。基本性能の高さがよくわかる。

もっとも500hのパワーは発進加速時にフロントタイヤを滑らせるほど強力。

ウェット路面で旋回発進をすると、フロントがキュルキュルと鳴き、FFベースの大パワーモデルであることがわかる。

レクサスらしくインテリアの質感は高く、「いいもの感」がある。

制御介入による失速感はなく、すぐにリヤからの駆動力によってスムーズな走りができるが、機械的につながっているコンベンショナルな4WDのほうが、低μ路の駆動力に関しては分があるように思う。オンロードでの旋回力やハンドリングにおいてはDIRECT4が理想的だが、低μ路や悪路になるほどメカヨンクの一体感があり、そんな用途にはRX350の4WDモデルがよいだろう。

RX500hの走り
レクサスRX350 Version L 車両価格:車両価格:705万円 試乗車はオプション(14万4100円:ムーンルーフ11万円/おくだけ充電1万3200円/寒冷地仕様2万0900円)付き

また、一定走行においては450hは補修路面などでリヤがゆっくりと反応してしまう傾向があって、足元の重さがやや気になった。機能としては、加速状態や旋回方向に関しては文句なしにシームレスな走りができて快適だが、直進力が減る状態だと重さがネガティブな方向に働くように思う。

RX500hはややその傾向が薄いから、トータルで考えると、ベストはRX500h。オフロードを走ることを考えるとRX350。街乗り中心でEV走行で経済性を狙うなら、RX450h+が良いだろう。

レクサスRX450h+ Version L 車両価格:871万円試乗車はオプション(50万9300円:ルーフレール+パノラマルーフ20万9000円/マークレビンソンプレミアムオーディオ27万9400円/寒冷地仕様2万0900円)付き

いずれにしても高い静粛性と、ゆとりあるパワーによって、あらゆるシーンに対応出来るラインアップが揃っていることがRXの持ち味。レクサスを代表するSUVモデルだけに、その豊富なキャラクターにアタマを悩ませてしまう人が多いに違いない。うれしい悩みである。

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著者プロフィール

瀨在 仁志 近影

瀨在 仁志

子どものころからモータースポーツをこよなく愛し、学生時代にはカート、その後国内外のラリーやレースに…