ブリヂストンと出光興産が“パンクしない”次世代タイヤ技術「エアフリーコンセプト」の超小型EV向け実証実験を開始

ブリヂストンと出光興産はこのほど、出光興産千葉事業所が構内移動車両として運用する超小型EVに、空気の充填が要らない「エアフリーコンセプト」を用いた次世代タイヤを装着し、実用化に向けた実証実験を2023年2月から開始すると発表した。

将来的には出光興産が開発に携わる超小型EVに「エアフリーコンセプト」を実装することを視野に検証進める

ブリヂストンと出光興産はこのほど、出光興産千葉事業所が構内移動車両として運用する超小型EVに、空気の充填が要らない「エアフリーコンセプト」を用いた次世代タイヤを装着し、実用化に向けた実証実験を2023年2月から開始すると発表した。

ブリヂストンの「エアフリーコンセプト」は、タイヤ側面の特殊形状スポーク(※1)により荷重を支えることで、パンクしないことに加えて、空気圧管理などのタイヤメンテナンスが不要になることを目指して開発。また、路面に接するゴムの部分をリトレッド(※2)できるだけでなく、独自開発した再生可能なスポーク部分の樹脂をリサイクルすることで、資源の効率的な活用とサーキュラーエコノミー(※3)の実現に貢献していく。
※1:地面に接地するゴムとホイールを繋ぎ、荷重を支えると共に衝撃を吸収する機能を持つ部材
※2:すり減ったタイヤを再利用するために表面(トレッド)のゴムを貼り替えること
※3:省資源で持続可能な製品の設計・生産、持続可能な消費活動、使用後の製品や資源の適切な回収、再生・再利用を通じ、資源のムダを省き、環境破壊のリスクを低減させる経済システム

多様な省資源・資源循環ソリューションを世の中に提供するという観点において、両社が共感し、今回の実証実験に至った。この実証実験を通じてEV化を促進することで、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速。将来的には、出光興産が開発に携わる超小型EVに「エアフリーコンセプト」を実装することを視野に検証を進めていく。

出光興産モビリティ戦略室の大石朗室長はこのように述べている。
「出光興産は2022年11月に発表した中期経営計画のなかで掲げた2050年ビジョン“変革をカタチに”を目指し、多様な資源循環ソリューションの社会実装を通して、人びとの暮らしを支え、未来の地球環境を守る責任を果たしてまいります。ブリヂストンが開発された『エアフリーコンセプト』は、地球環境に配慮されており、当社のビジョンと親和性が高いと考えております。また、ノーパンクタイヤは車両停止リスクの減少に貢献し、お客様の利用価値向上が期待されます。将来、現在開発中の超小型EVへの装着を目指して、当実証実験を共同で実施してまいります」

一方、ブリヂストン ソリューション・デジタルエンジニアリング開発部の川原隆宏部門長はこのように述べている。
「今回、次世代モビリティを用いた先進的なソリューションビジネスを目指す出光興産とともに、『エアフリーコンセプト』の実用化に向けた一歩となる実証実験を開始できることに大きな喜びと可能性を感じています。ブリヂストンは、この共創を通じて、企業コミットメント“Bridgestone E8 Commitment”で掲げる『Ecology持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと』『Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと』にコミットしていきます」

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