「環境負荷の少ない移動手段としてのEVの社会実装のために、製造者として積極的に地域に関与」「利用者が簡易に優遇を受けるための仕組みの整備も行い、来訪者への周知と利用促進に努めている」ことが評価
日産自動車は2月21日、環境省と一般社団法人日本エコツーリズム協会が主催する「第18回エコツーリズム大賞（環境大臣賞）」の特別賞を受賞したことを発表した。自動車産業の企業が同賞を受賞するのは今回が初めてだ。
2005年にスタートした「エコツーリズム大賞」は、エコツーリズムに取り組む事業者、団体、自治体などを対象に、優れた取り組みの団体・個人を表彰し、広く紹介するもので、今年で18回目を迎える。全国のエコツーリズムに関連する活動の質的・量的向上、および情報交換等による関係者の連帯感の醸成を図ることを目的に表彰されている。
今回、日産は「エコツーリズムを推進する地域において、環境負荷の少ない移動手段としての電気自動車（EV）の社会実装のために、製造者として積極的に地域に関与し、また、利用者が簡易に優遇を受けるための仕組みの整備も行い、来訪者への周知と利用促進に努めている」と評価され、特別賞を受賞するに至った。
日産は、2010年に世界で初めてグローバルな量産型EV「日産リーフ」を発売して以降、EVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月より、EVの普及を通じて、脱炭素、災害対策、エネルギーマネジメント、エコな観光、地方での交通課題などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を、全国の自治体や企業、販売会社とともに推進している。
また、サステナブルな観光の実現に向け、自治体および関連団体の協力を得て、CO2を排出しないEVで観光地を訪問することで観光施設等利用の優遇特典を受けることができる「EV優遇策」の実現にも努めている。これまで、2021年4月に阿蘇市、2022年9月に佐世保市にて同施策を開始し、さらにEV優遇策を受けることができるマップの制作や配布、動画等での情報発信も行っている。
さらに、これらのEV優遇施策を手軽に受けることができるEV利用証明書「ブルー・スイッチカード」の運用を、2022年10月より開始。阿蘇市や佐世保市だけでなく、ゼロカーボンドライブの優遇施策を行っている国立公園の駐車場でもこのカードを提示することで、無料で利用することができる。
また、阿蘇くじゅう国立公園でのEV優遇策策定により、2021年9月には、自動車産業の企業初となる、環境省との「国立公園オフィシャルパートナーシップ」も締結。「国立公園オフィシャルパートナーシップ」とは、環境省と企業・団体が相互に協力し、国立公園の魅力を発信するとともに、国立公園利用者の拡大を図ることで、人々の環境保全への理解を深めるとともに、地域の活性化につなげる取り組みだ。
日産は、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体（※）におけるカーボンニュートラルを実現する目標の達成に向け、2030年代早期より、主要市場に投入する新型車をすべて電動車両にすることを目指している。今後も日産は、様々な団体と連携しながら、EVを活用したエコツーリズム実現と観光活性化に取り組んでいく方針だ。
※原材料の採掘から、生産、クルマの使用、使用済み自動車のリサイクルや再利用までを含む