フロントウィンドウがひとつの大きなディスプレイに!? BMWが新ヘッドアップディスプレイ「BMWパノラミックビジョン」を発表

BMWはこのほど、新しいヘッドアップディスプレイとして、フロントウィンドウのガラス全幅にわたって表示する「BMW Panoramic Vision(パノラミックビジョン)」を開発し、今後登場する新たなクラスのモデルから生産を開始すると発表した。

ドライバーは自分の視界に表示する情報や、乗員全員が見られるコンテンツを決めることができる

BMWは現在、1960年代の先駆的なBMWモデルに由来するノイエ・クラッセ(新たなクラス)のために、まったく新しい技術プラットフォームを開発中だ。このプラットフォームでは、電気自動車のデジタル化、持続可能性、デザインにおける新スタンダードを確立する。フロントガラスの全幅に投影する新しいヘッドアップディスプレイは、すべての搭乗者にとって唯一無二のインタラクションと情報面を作り出す。

BMW AG開発担当役員のフランク・ウェーバー氏は、この画期的な新型ヘッドアップディスプレイの主な特徴について、次のように説明する。
「新しいBMWパノラミックビジョンでは、フロントガラスがひとつの大きなディスプレイとなり、当社モデルのデザインにまったく新しい可能性をもたらします。ドライバーは自分の視界に表示する情報や、乗員全員が見られるコンテンツを決めることができます。画期的な投影技術と格段に鮮明になったコックピットによって、印象的で新しい感覚の空間とドライビングエクスペリエンスを提供します。BMWは実績のあるスローガン『eyes on the road – hands on the wheel (視線は路上に、手はハンドルに)』を新たな水準に引き上げています」

革新的な投影技術により、初めてフロントガラスの全幅にディスプレイが表示され、すべての搭乗者が見られるようになった。より高い光度とコントラストが採用されたBMWパノラミックビジョンは、ドライバーと同乗者に関連する情報をフロントガラス下端の暗く塗られた部分に表示。これにより、フロントガラスの全幅にわたって常に視認できる極めてシャープな画像が作られる。運転状況に関連した情報を、常に適切な場所で、適切な時間に確認できるのだ。

BMWパノラミックビジョンは、ノイエ・クラッセの新しいBMW iDrive制御システムにおける、BMWの一貫したドライバーオリエンティッドのアプローチを象徴している。BMWグループは、自動車メーカーとして初めて、とくに安全性と集中力を集約したドライブ体験を重視したコックピットを開発。デジタルディスプレイを備えたオンボードコンピューターは、1980年代にBMW 7シリーズで初めて登場した。2001年に導入された初代BMW iDriveでは、それまでの制御システムとは異なり、スイッチやボタンを包括的に削減し、モダンですっきりとした車内を実現し、その直後に、BMWのヘッドアップディスプレイが初めて連続生産された。先駆的なイノベーションを開発するBMWグループの成功は、ノイエ・クラッセ向けの新しいBMWパノラミックビジョンのヘッドアップディスプレイでも続く。

BMW i Vision Dee
BMW i Vision Dee
BMW i Vision Dee

BMWグループは、BMWパノラミックビジョンを通じて、BMW iDriveの包括的なオペレーションコンセプトを一貫して発展させ続けている。今年初めにラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、革新的なコンセプトモデル「BMW i Vision Dee」を公開。拡張ヘッドアップディスプレイを、今後のディスプレイ制御デザインや没入感のあるユーザー体験にも利用できる方法を示している。研究では、フロントガラスの窓を投影面にすることで、現実と仮想世界の融合が実証されている。この技術は、ノイエ・クラッセモデルのシリーズ・バージョンであるBMWパノラミックビジョンで現実のものとなる。

9月5日〜10日にドイツ・ミュンヘンで開催される「IAAモビリティ2023」では、BMWパノラミックビジョンに加えて、ノイエ・クラッセに向けたさらなるステップと詳細情報が発表される予定だ。

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