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逃した魚は大きかった? なかなか見つからない理想のBMW
唐突に始まった私のBMW探しの旅だが、中古車探しの強力なアイテムといえば、中古車検索サイトだ。最近はスマホアプリまで用意されており、いつでもお目当ての車種を検索可能。しかも年式やグレード、距離など細かい指定することで、最良の一台を紹介してくれる。同時に、クルマ好きの暇つぶしアプリでもある(笑)。
しかし、高年式車ならまだしも、探すのは数が減る一方の低年式車である。簡単に希望の一台に出会えないのが、現実。E46系3シリーズのクーペとカブリオレを検索し続けても、あのグリーンの330Ciを超えるクルマには出会えず……。さて、どうしたものかと思案していると、中古車大好きのAさんが助け舟を出してくれ、とある中古車店の存在を教えてくれた。
無店舗ブローカーが紹介してくれたのがモルディブブルーのZ4
その中古車店は大手中古車サイトには情報を出さず、自社のサイトのみで公開。さらに一人で会社を運営し、展示場もなしという、ちょっと一般人には手の出しにくい店。いや、店というより中古車ブローカーと言った方が良いだろう。
店主は、少し古めの輸入車を得意としているとのこと。そこの売り物として現れたのが、全くノーチェックだったBMW Z4だ。2004年式のスタンダードな2.2iで、車検残りが1年ちょっと。走行距離は2.7万kmと少なく、なんと100万円切りの98万円のプライスダグが掲げられていた。
簡単に紹介された装備を見ると、当時オプションだったシートヒーター、レザーシートとナビゲーションシステム、17インチアルミホイールなどが装備されているようだ。色もレアなモルディブブルー。オープンカーらしい華やかな色であることに興味を惹かれた。
BMW Z4という選択肢はアリか? ナシか?
その流れから、ようやく初代Z4について調べてみることに。そもそもZ4を候補としていなかったのは、2人乗りの点とアメリカ製だったから。2人乗りだと実用性は薄いし、荷物も積めない。何よりも北米向けのファッション色が強いモデルよりも、生粋のBMWが狙いたかったからだ。
ともかく相場を把握するために、中古車検索サイトをチェック。なんと30万円弱から売り物がある。ただ、買っても良さそうな物件だと80万円前後となり、低走行車両で100万円前後。100万円以上のものは、後期型の低走行車が中心といった感じ。
驚くべきは、2.2i、2.5i、3.0iの値段差があまり感じられず、距離や程度による差の方が大きそうだったこと。
因みに、同じ3.0L車でもMロードスターは、さすがは「M」。別格扱いで高価だ。
電動オープンは悩みの種? でも手動なら……
しかし、同時に現実も知ることになる。まずは電動ソフトトップの故障だ。
どうも初代Z4は、雨水の抜けが悪い部分があるらしく、それがソフトトップの駆動用モーターに侵入し、壊れてしまうようなのだ。“開かずのルーフ”なんて、怪談の開かずの扉並みに恐怖でしかない。もちろん、電動ソフトトップの修理費は決して安くない。
しかし、発見したZ4は手動式とのこと。それならば、ソフトトップの故障に悩む必要はない。
実は以前、電動ソフトトップ付きのアルファロメオ・スパイダーを所有していたことがあるのだが、ソフトトップの作動機構が故障し、部品の手配に難儀。結果的には、部品の自主製作に至った経験もあったため、ちょっとナーバスになる問題だったのだ。また手動式ソフトトップのアルファロメオ・スパイダーも所有していた経験もあるため、手動式だからといってそこまで不便でないことも知っていた。
皆さんが中古オープンカーを購入する際には、便利な電動式ルーフが時の流れと共に悩みの種となる可能性があることも覚えていて欲しい。中古車では作動の有無はもちろんだが、もしもの故障の際の修理費についても調べておくのがベターだ。
なにはともあれ、想定外のZ4が愛車候補に相応しいかも含め、モルディブブルーのZ4を見に行ってみることにした……。