ついに出る! トヨタ・センチュリーSUVのライバルは、ロールスロイス・カリナン? ベントレー・ベンテイガ?

シルエットが浮かび上がったセンチュリーSUV
トヨタが登場を予告しているセンチュリーSUV。アルファードの新車発表会の場で、サイドのシルエットが浮かび上がったが、いまのところそれ以上の情報はなし。どんなモデルになるか、予想してみよう。
新型アルファード発表会の会場で突然明らかにされたセンチュリーSUV

まさか本当に開発しているのは思わなかった!という人も多いだろう。なんと、トヨタはトヨタブランド、いや日本車最高峰のショーファードリブンカーであるセンチュリーのSUVをデビューさせる。具体的なデビュー時期はわからないが、年内登場は明言されている。

まずは、センチュリーだ。

トヨタの最高峰、センチュリー 車両価格は2008万円だ
全長×全幅×全高:5335mm×1930mm×1505mm ホイールベース:3090mm

現行モデルは2018年デビューの3代目。5.0L V8エンジンにTHSⅡを組み合わせたハイブリッドで駆動方式は後輪駆動(FR)だ。プラットフォームはTNGAではなく、先代LSのロングホイールベース版をセンチュリー用に最適化させたものだ。
車両価格は、2008万円。トヨタの最高峰に相応しいプライスタグである。

トヨタ・センチュリー
全長×全幅×全高:5335mm×1930mm×1505mm
ホイールベース:3090mm

では、予告されたセンチュリーSUVはどんなクルマになるか?

現行センチュリーセダンのプラットフォームはTNGAより前の世代だ

素直にセンチュリーセダンベースになるのか? 前述したようにセンチュリーセダンのプラットフォームはTNGAより前の世代。今後、PHEVなどの電動化することも想定するとしたら、考えられるのは

TNGA GA-L
TNGA-GA-K

のどちらか、ということになる。

GA-Lは、レクサスLS、LC、トヨタMIRAI、先代クラウンが使うプラットフォーム。つまりフロントにエンジンを縦置きする後輪駆動ベースのプラットフォームだ。

GA-Kは、クラウンクロスオーバー、カムリ、RAV4、レクサスRX、TXなどが使うベストセラー・プラットフォーム。こちらは、フロントにエンジンを横置きする前輪駆動ベースのプラットフォームだ。

超高級車たるもの、エンジン縦置きでないと、という考えていえば、GA-Lを使うことなる。ざっくり言えば、レクサスLSのSUV版ということだ。4WDは、コンベンショナルな機械式になるだろう。パワートレーンは、レクサスLSと同じく3.5L V6ツインターボ+10AT/3.5L V6+ハイブリッドが考えられる。

縦置きにこだわらない、ということなら、素性の良さに定評のあるGA-Kを使うだろう。現在のところ、GA-Kを使うモデルでもっともホイールベースが長いのは、新型レクサスTXで2950mmである。4WDは、リヤにモーターを搭載する電動式になると予想できる。

さて、どちらか。

Twitter等で目撃されているセンチュリーSUVらしきクルマ(カムフラージュしてある)の写真を見ると、エンジン横置き(GA-K)のように見える。

繰り返すが、現行センチュリーの車両価格は2008万円。そのセンチュリーの名前を冠したモデルがエンジン横置きで2000万円なりのプライスタグを下げられるのか? パワートレーンは、2.4L 直4ターボ+HEV/2.5L直4+HEV/3.5L V6+PHEVあたりだろうか。いくら作り込みをセンチュリーセダン並みにしたとしても、これで2000万円内外の価格は少し無理がある。となると、センチュリーSUVの価格は、センチュリーと違って、もっと身近(!)なものになるのではないか?

トヨタブランドのSUVで現在もっとも高価なのは、
ランドクルーザーGRスポーツ:800万円
レクサスブランドでは
レクサスLX600エグゼクティブ:1800万円
GA-KプラットフォームのレクサスRXの最上位モデルが900万円だ。

たとえば、GA-KプラットフォームのセンチュリーSUVの価格が1300万円なら、まぁ納得だが、セダンが2008万円でSUVが1300万円というわけにもなかなかいかないだろう。

となると、やはりGA-Lプラットフォームを使う後輪駆動ベースとなるのか? 

センチュリーSUVのライバルは?

左からロールスロイス・カリナン、トヨタ・センチュリー、ベントレー・ベンテイガ

ロールスロイス・カリナン

ロールスロイス・カリナン
さすがロールスロイス、搭載するのは6.7L V12エンジンだ。

センチュリーが狙う超高級SUVというカテゴリーに君臨するのは、ロールスロイス・カリナンだ。フロントに6.7L V12エンジンと搭載する文字通り「SUVのロールスロイス」である。

ロールスロイス・カリナン
全長×全幅×全高:5340mm×2000mm×1835mm
ホイールベース:3295mm
車両重量:2750-2850kg
エンジン:6.7L V12+8AT
最高出力:571ps(420kW)
最大トルク:850Nm/1600-4250rpm

トップスピードは250km/h。日本での車両価格は4258万円! センチュリーセダンの軽く2倍の価格である。

ベントレー・ベンテイガ

ベントレー・ベンテイガ
煌びやかなベンテイガのインテリア

もう一台は、ベントレー・ベンテイガだ。プラットフォームは、VWグループのMLB-evoを使うから、ポルシェ・カイエン、ランボルギーニ・ウルス、アウディQ8と血縁関係があると言っていい。

ベントレー・ベンテイガ
全長×全幅×全高:5125mm×1995mm×1740mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2690kg
エンジン:3.0L V6ツインターボ+モーター
最高出力:449ps(330kW)
最大トルク:700Nm
車両価格は2450万8000円(3.0L V8ツインターボ)から3573万9000円(6.0L W12ツインターボ)。

トヨタ・センチュリーセダン 全長×全幅×全高:5335mm×1930mm×1505mm ホイールベース:3090mm
ロールスロイス・カリナン 全長×全幅×全高:5340mm×2000mm×1835mm ホイールベース:3295mm
ベントレー・ベンテイガ 全長×全幅×全高:5125mm×1995mm×1740mm ホイールベース:2995mm

ボディサイズはともかく、このカテゴリーは搭載エンジンも重要だ。ベンテイガの3.0LV6ツインターボが最低ラインと考えると、トヨタでいうと3.5L V6ツインターボか、あるいは現行センチュリーが積む5.0L V8(ちょっと古いが)+ハイブリッドでないと勝負が挑めない気もする。

やはり後輪駆動ベースのGA-Lなのか?

いや、あっけなく、現行センチュリーをベースにした伝統的なSUVに仕立てるというのもアリかもしれない。

どこで売るのか? センチュリーは基本的に国内専用車だ。センチュリーSUVもそうなるのか? それとも、中国などの海外に打って出るか。登場まで、いろいろ想像できるセンチュリーSUV。本当に楽しみである。

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