国内最強クラスの走破力が圧巻!「スズキ・ジムニーシエラ」【最新国産&輸入車SUV 車種別解説 SUZUKI JIMNYSIERA】

軽自動車の中でもオンリーワンなポジションを確立している「スズキ・ジムニー」を5ナンバー枠に拡大した「ジムニーシエロ」。その大きな違いは乗り心地と悪路走破性といえる。ワイド化したタイヤにあえてホイールサイズをダウンすることで、乗り心地はソフトになり、超悪路での低速でも粘るエンジンについて行く足回りは確実な安心感を得られる。ラゲッジルームも12段階のリクライニングとアクセサリーソケットを備え、柔軟な使い勝手と機能も良点だ。
REPORT:安藤 眞(本文)/山本晋也(写真解説) PHOTO:中野孝次

悪路の微低速走行はよく粘る 高速走行時の走りも満足度大

軽自動車として1970年に誕生したジムニーだが、77年には800㏄エンジンを搭載した海外向け仕様を設定。これを国内向けに仕立て直した〝ジムニー8(エイト)〞が、ジムニーシエラのルーツだ。

エクステリア

現在もその伝統に則り、基本ボディは軽ジムニーと共用。キャビンの広さは軽仕様と変わらず、乗車定員も4名だ。前後バンパーが大型化されているため、全長は3550㎜と軽自動車枠を超えており、アプローチ&デパーチャーアングルも軽ジムニーより小さい。とはいえ、それが問題になるような走り方をする人は、アフター品に交換してしまうという手がある。

インストルメントパネル

荒れたデコボコ道での走行時に役立つ助手席側の立派なグリップはオフロードマシンらしさを際立たせる。機能面でもスクエアなボディは車両感覚がつかみやすい。タイトな林道に行ってもアグレッシブに走れることだろう。

幅方向はオーバーフェンダーが付いて全幅が1645㎜になるだけでなく、タイヤサイズも専用設定。軽ジムニーが175/80R16 であるのに対し、シエラは195/80R15にワイド化。外径を揃えたかったという事情もあるが、ホイールサイズをインチダウンすることでエアボリュームを確保し、乗り心地と悪路走破性の向上にもつなげている。

居住性

軽ジムニーと最も異なるのがエンジンで、排気量は約2.3倍の1.5ℓ。最大トルクは130Nmと、ターボの付く軽仕様の1.35倍に達する。だから極悪路の微低速走行でも良く粘るし、高速走行時もエンジン回転数を抑えて走れる(5速MT車の100㎞/h走行時で、軽ジムニーが約3800rpm、シエラは約3000rpm)。

うれしい装備

ラゲッジ壁面の左側に12Vアクセサリーソケットを備える。バックドアのヒンジが向かって右側にあるため、とても使いやすい位置といえる。
パワーウインドウのスイッチはインパネセンターに置かれている。右から2番目のスイッチを押すとヒルディセントコントロールが起動する。
月間販売台数   1984台(22年9月〜23年2月平均値)
現行型発表     18年7月(一部使用変更22年7月)
WLTCモード燃費  15.4km/l ※5速MT車

ラゲッジルーム

一般ユーザーが性能の違いを最も実感できるのが高速道路なのだが、通行料が軽仕様より20%高くなるのが弱点か!?

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.149「2023-2024 国産&輸入SUVのすべて」の再構成です。

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