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シンプルなドライブレコーダーはオールマイティに使える!
いまどきのドライブレコーダー選びにおいて欠かすことができない条件とは何だろうか?
交通事故などアクシデントの状況を明確にするフロント録画はもちろん、追突事故やあおり運転の被害を受けたことを示すことのできるリヤ録画機能も欲しい。つまり2カメラの前後録画機能は必須といえる。
そして、簡単に操作できることも大切な条件となるだろう。
高機能なドライブレコーダーの中にはスマートフォンと連携することを前提としているタイプもあるし、カーナビと連動するモデルも珍しくない。しかし、家族で共有しているクルマだったりすると、誰もがデジタル機器に強いワケではないこともある。
ドライブレコーダー単体で操作や映像確認が完結する方が使い勝手はよかったりもする。シンプルだからこそ、誰もが扱いやすいといえるのだ。
画面はクリアで大きな方がいいし、カメラは夜間でもクリアに撮れる性能を持っていた方がいい。せっかくドライブレコーダーを取り付けてもキチンと撮れていなかったら意味がないからだ。
もちろん、リーズナブルな価格であるに越したことはない。
そうした条件で絞っていったときに注目したいのが、パイオニア・カロッツェリアのドライブレコーダー「VREC-DH301D」だ。
撮影素子には、夜間の撮影に適したSTARVIS™技術搭載ソニー製CMOSセンサーを採用。フロント側の本体センサー性能は約370万画素、後方を映すリヤリアカメラのセンサーは約200万画素と、エントリーモデルのドライブレコーダーとしては非常に高い性能を誇っている。
数字が小さいほど明るいレンズであることの指標となる“F値”についても、フロント側がF1.4、リヤ側はF1.8となっている。このことからも昼夜を問わずクッキリとした映像を録画する性能があることは想像できるだろう。
高画質な3.0インチの大型ディスプレイの見やすさは抜群
しかも、本体背面の液晶ディスプレイは3.0インチと大画面なだけでなく、クリアで見やすい。録画した映像を再生するとき、駐車時にメニュー操作をするとき、運転中リアルタイムに表示される画面……様々なシチュエーションで大型ディスプレイの映り具合を確認してみたが、常にクリアで見やすいものだった。
前述したように、「VREC-DH301D」はスタンドアローンで成立するシンプルな操作系となっている。それゆえに本体ディスプレイのクオリティは重要だが、その点において不満はないというのが正直な感想だ。
メニュー操作は装着状態で本体を見たときに右側にある4つのボタンで行う仕組みとなっているが、画面に表示されているメニューとボタンの配置が常にリンクしているのも扱いやすさにつながっている。
使用前に説明書を熟読することは当然だが、もし使い方をど忘れしてしまっても、画面を見ていれば直感的に操作することができるだろう。このあたりの使い勝手のよさも、家族で共有するクルマなどではポイントとなるはずだ。
こだわりの本体デザインも好印象
明るい撮影素子とレンズ、そして大きなディスプレイを搭載していながら、本体がコンパクトに仕上がっているのも「VREC-DH301D」の特徴だ。
リヤカメラが小さく後方視界の邪魔にならないというのと合わせて、付けていることが気にならないデザインとなっている。また本体前面がマット風ブラックとなっているのはガラスへの反射を抑えるという点でも評価したい。
それでいて、車内から見える本体部分は高級感のあるピアノブラックとなっているのは、所有満足度についても十分に考慮されている部分だ。
本体をコンパクトにしているポイントは、マウント部の設計にある。
多くのドライブレコーダーでは本体に電源を挿す設計となっているが、「VREC-DH301D」の場合はマウント部分に電源コードがつながっており、本体にはリヤカメラからの配線をつなぐだけとなっている。
さらにマウントにはGPSアンテナが内蔵されている。単に固定するためのパーツではなく、マウント部分にも機能を持たせることで全体としてコンパクトに仕上げているというアイデアは脱帽もの。エントリーモデルといえる価格帯で、ここまで凝った設計となっているのはカーAV業界の巨人であるパイオニア・カロッツェリアならではといえるだろう。
撮り損ねを防止する「フォーマットフリー機能」
ドライブレコーダーを取り付けて利用したことのあるユーザーから、「アクシデントが起きたときにSDカードを確認したらカードエラーで撮影できていなかった」という経験談を聞いたことはないだろうか。
ご存知のように、車内というのは電子機器にとっては非常に過酷な状況だ。夏場、炎天下に駐車したときには車内が60℃を超えてしまうようなことも珍しくない。じつはメモリーカードのコンディションを確認するというのは、ドライブレコーダーの機能にとって重要なのだ。
その点、「VREC-DH301D」にはSDメモリーカードフォーマットフリー機能が搭載されているので安心感がある。定期的にフォーマットせずともメモリーカードの状態を最良にキープしてくれるのは、パソコンなどに詳しくないユーザーにはうれしい機能だ。
また、容量不足や劣化による書き込み速度の低下などSDカードの状態を検知し、フォーマットをする適切なタイミングを教えてくれる「SDカードフォーマット警告機能」も搭載されている。ドライブレコーダーがここまで教えてくれるのは親切といえる。
余談だが、ドライブレコーダーのように連続使用かつ高温~低温といった過酷な環境で使われる電子機器には、高耐久SDメモリーカードを使うことが基本となる。パイオニアでも、ドライブレコーダーでの使用を前提とした高耐久・高速化のドライブレコーダー推奨microSDカードを設定している。(CD-MSD128G他)
「VREC-DH301D」には32GBのmicro SDカードが付属しているが、より大容量のメモリーカードに交換したいときなどは、こうした推奨品を選ぶべきことも覚えておきたい。
駐車監視機能を追加することも可能
ドライブレコーダーの機能は運転しているときのアクシデントを記録することだけではない。車両荒らしや駐車場での接触事故などを記録する機能を求める声も少なくない。
「VREC-DH301D」にオプション設定されている駐車監視ユニットを追加すれば、本体のセンサーが一定以上のショックを検知したときに録画を開始して、ぶつけたクルマやいたずらした人物の映像を撮っておくこともできる。
シンプルで使いやすさが魅力の「VREC-DH301D」だが、このようにニーズに合わせてアップデートすることもできるのはうれしいところだ。
もちろん、駐車監視ユニットは車両側のバッテリー状態もチェックしているので、バッテリーが弱ってくると駐車監視機能をキャンセルする機能も持っている。
駐車監視やあおり運転への対策を強化したいなら
ここまで見てきたように、前後の様子を昼夜問わずクリアに録画するというドライブレコーダーに求める基本機能において「VREC-DH301D」は非常に優れた性能を持っている。初めてのドライブレコーダー、フロントだけのドライブレコーダーからグレードアップしたい、といったユーザーにとっては満足度が高いドライブレコーダーになっている。
駐車監視機能を重視したいのであれば、カロッツェリアの2カメラモデルでもうひとつラインアップされている「VREC-DZ800DC」も有力な選択肢となってくるだろう。こちらは追加でオプション品を購入することなく365日24時間の駐車監視機能を採用しているアイテムだ。このモデルも夜間の撮影に適したSTARVIS™技術搭載ソニー製CMOSセンサーを採用しているので、昼夜を問わず鮮明な映像を記録可能となっている。
さらに後方カメラの映像を独自のアルゴリズムで解析することで、後方からのあおり運転をドライバーへ通知し、自動で録画する「後方車両接近検知機能」を搭載しているのも差別化ポイントといて注目したい。あおり運転と判断した映像はイベント録画として連続録画とは別のフォルダに自動保存されるという配慮もされている。
また、ドライブレコーダー本体は薄型でフロントガラスに沿うように装着ができるので、すっきりした取付けができるという点も特徴的だ。
冒頭で記したようにドライブレコーダーというには、いまや必須アイテムとなっている。ただ取り付けて満足するのではなく、昼夜を問わず確実に録画するという基本機能についての信頼性を考えて、選んでほしい。その条件において優れた撮影性能を持ち、SDカードの管理能力も高いパイオニア・カロッツェリアのドライブレコーダーは有力候補といえる。