猛暑でも盛況! 定例ミーティングで出会えた310サニー! 【オールドカー倶楽部東京・狭山ミーティング】

東京の多摩地域や八王子市周辺のオーナーたちを中心に発足したオールドカー倶楽部東京。比較的新しいオーナーズクラブで、車種を限定していないことが特徴だ。参加車両の中から、こだわりのカスタムが施されていた310サニーを紹介しよう!
PHOTO&REPORT●増田 満(MASUDA Mitsuru)
猛暑日になろうかという陽気にもかかわらず朝から古いクルマたちが集まった。

東京の多摩地域や八王子市周辺のオーナーたちが集まり、国産旧車をメインにしたイベントを開催するためにクラブとして発足したのがオールドカー倶楽部東京。比較的新しいオーナーズクラブで、その特徴は車種を限定していないことだろう。古い国産車であれば基本的に誰でも参加できるのだが、広く一般に会員を募集しているわけではない。また発足時には比較的規模の大きなイベントを開催してきたが、近年では身内が集まるミーティングが主な活動になってきたようだ。

居並ぶ1960年代の国産車たちに、もちろんクーラーは装備されていない。

オールドカー倶楽部東京(以下OCCT)では、実に毎月ミーティングを開催している。規模の大きなイベントより顔見知りたちによる会合がメインになってきたということだろう。とはいえ毎月集まっているのだから、彼らの大きな拠り所になっているといえそうだ。ここ数年、猛暑が続く日本列島だが暑さ寒さも関係なく古いクルマを走らせ楽しむのがOCCTのスタイル。猛暑が続いた2023年7月にも定例ミーティングが開催された。

集まる車種に偏りはなく見ているだけで楽しめる。

開催と言ってもイベントではないので、厳密に言えば声をかけあって時間がある人が集まるだけ。しかも場所は圏央道の狭山パーキング。クルマをストレスなく走らせるために選んだ場所であるが、一般の利用者が多く大々的な催しはできない。単に集まりクルマ談義を楽しんだら帰るというスタイルだ。しかも時間が決められているわけでもなく、通常は朝の9時くらいから集まり始め昼には解散しているといった様子。

サニーのボンネットを開けているのがまとめ役の大村さん。

OCCTの狭山ミーテイングは現在、B110サニーに乗る大村さんが声をかけて仕切っている。この日は赤いB110サニークーペで来られていた大村さんについては、過去の記事でも紹介しているので参照してほしい。やはり誰かしら仕切り役がいないと、こうしたミーティングの場合は問題になることが多いそうだ。毎月第一日曜日に集まっているそうなので、見学がてら圏央道・外回り狭山パーキングに向かうと楽しめることだろう。

プロが仕上げた310サニー!

1981年式日産サニーGL。
リヤスポイラーにエンブレムを移植。
足元には定番のRSワタナベ製アルミホイール。

この日は仕切り役の大村さんがサニーに乗っているためか、サニートラックをメインに古いクルマの販売からカスタム、メンテナンスを請け負うプロショップの社長が来訪していた。アウトラインというショップを経営する持丸文直さんで、ショップのメイン車種であるサニートラックを所有しているのはもちろん、KP61スターレットやスズキGSX1100Sカタナなども所有されるマニアだ。56歳になる持丸さんがこの日選んだのが、紹介する310サニーだ。

ダットサンコンペ・ステアリングに変更したインテリア。
メーターパネル内にタコメーターを増設。
フロント2脚はフルバケットシートに変更。

仕事にするくらいサニーが好きという持丸さんだけに、こだわりのカスタムが施されていた。古いサニーといえばツーリングカーレースとは切っても切れない関係。それゆえ後輪駆動時代のサニーの多くがレーシングカーを模したカスタムが施されていることがほとんど。持丸さんのサニーも同様で、自ら加工したフロントスポイラーや社外のリヤスポイラーを装着。車高調整式サスペンションによりローダウンさせた足元には、国産旧車定番のRSワタナベ製8スポーク・アルミホイールを履かせている。

エンジンは吸排気系をメインにチューニングしてある。
2連装したソレックスキャブレターはφ44mmのファンネル仕様。

ところがエンジンは吸排気系を変更しているくらいで本体はノーマルのようだ。というのもチューニングメニューが豊富なA型エンジンながら、改造すればするほどトラブルのリスクは高くなる。それにもう一台サニートラックを所有しているので、310サニーはホドホドにしているのだろう。ソレックス44キャブレターはファンネル仕様として、タコ足+トラスト製マフラーの組み合わせで音とレスポンスを楽しんでいる。

自ら加工したフロントスポイラーがお気に入り。

猛暑日に迫ろうかという勢いだった当日、310サニーを選んだ理由がもう一つあった。なんとクーラーが装着されているのだ。70年代後半から80年代前半に作られた国産車の場合、オプションでクーラーやエアコンが用意されるようになった。ハイチューンなエンジンだとトラブルの元になるが、エンジン本体がノーマルならコンプレッサーを駆動するくらいで問題になることはない。ここ数年で後付けクーラーも増えてきたことから、国産旧車でも装着率が高くなった。これだけ暑くても運転を楽しみたいなら、今や必須装備と言ってもいいだろう。サスペンションと吸排気系を変更するだけでも楽しめるのが旧車の魅力。それにエンジン本体はノーマルならクーラーまで使えるのだから、説得力があるとはいえないだろうか。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…