飛び石注意! BMWのフロントガラスは実は薄くて割れやすい? Z4のフロントウインドウ修理費用は!? 【BMW Z4オーナーレポート vol.7】

98万円という格安で手にいれたBMW Z4だが、そこは18年落ち(購入当時)の中古輸入車。トラブルは避けられない。それでも、センサー類の故障による緊急修理を終えてひとまず安心……かと思いきや! しかし、残念ながら、再びトラブルに見舞われることになってしまったのである。

それは取材に向かうべく、首都高を走行していた時のこと。渋滞を抜けて、巡行速度が上がり始めた直後のこと、「ピシッ」という不気味な音が車内に響いたのである。嫌な予感を抱えつつ、フロントウィンドウに目を凝らすと、無情にも、透き通ったガラスの表面には、円状の傷と縦に走るラインが……。そう一撃で、フロントガラスが割れてしまったのである。

新車から無交換と思われる純正ガラスには、全く目立つ傷がなかった。それを私の不注意で、飛び石を食らい、無残にも割ってしまったのである。ガラスの修理ならば、車両保険が利用できるが、そこはお手頃中古車である。対人対物こそ十分な保険を掛けていたものの、費用負担が増す車両保険には未加入。そのため、自腹で修理しなければならない。加害者は、前方のダンプである可能性が高いが、同車両の落下物でない限り、責任を問うことは難しい。そのようなこともあり、飛来物によるガラスの修理については車両保険による修理でも、以前は等級維持なんて温情もあったわけだ。しかし、現在は、ガラス修理のよるペナルティとして、1等級ダウンし、保険代の割引が下がるようになってしまった。それでも事故による3等級ダウンよりはマシだが……。

BMWのフロントガラスは薄くて割れやすい……修理費は一体いくら?

この悲劇(?)を慰めてもらうべく、知人の元BMWディーラーマンに愚痴ったところ、「BMWのフロントガラスは、薄く曲率も強いので、割れやすい。私自身、何度か経験ある」と慰められてしまった。ただ純正ガラスとなると、費用も高価となる心配があるだけでなく、旧型車ゆえ、在庫が切れの場合は修理に時間が掛るという心配もあった。
そこで街の自動車ガラス屋さんに、見積もりをお願いすることにした。街のガラス屋さんを利用するメリットのひとつが社外ガラスが使えることだ。一般的には、純正同等品や同じメーカーのものが、より安価で購入できることにある。

BMWのフロントガラスは曲率が高く薄くて割れやすいという。

早速、数社に見積依頼をお願いしたが、すべて公式サイトからの問い合わせフォームに必要事項を記入するだけで、当日か翌日には回答を貰えた。A店からの見積書によると、純正ガラスの在庫がないため、社外品のみでの対応になるとの返答が……。純正ガラスの在庫については、全店共にBMWジャパンの部品センターに問い合わせるだろうから、早急の修理は難しいと思った方が良いだろう。届いた見積金額は以下の通りだ。

A店10万9967円
B店9万1300円
C店9万8700円
D店10万9225円
フロントガラス修理見積もり金額(部品代+工賃/2023年4月末時点)

いずれも社外ガラスとショートパーツ、そして工賃の総額であるが、その差額は最大1万8700円ほどにもなることに驚いた。やはり、少し高くとも近所のお店か、それとも最安値のお店か……そこで地元の友人に相談してみると、最安値のC店は、最近、彼の親族がガラス修理に持ち込んでおり、印象が良かったとのこと。

そこで今回はC店に持ち込んでみることにした。修理依頼の連絡を取ると、注文後のキャンセルは不可とのことだが、予約日に工場にクルマを持ち込み、2~3時間後には終了。その場で引き渡せるとのこと。まさに「早い、安い、上手い」の三拍子である。スピーディすぎる引き渡しに、不安を感じたが、Googleでの評判の良さもあって即決した。
その後、ガラス上部の色についての確認もあるなど、実際に対応は安心できるものであった。

社外ガラスは日本板硝子傘下のイギリスメーカー製でクオリティは上々

作業当日は、あいにくの雨。ガラス店の工場に持ち込むと、てきぱきとガラス交換作業が始まった。その間にも、次の客が訪れるなど、評判通りの人気店のようだ。実際2時間ほどで終了し、数時間はガラス面に大きな衝撃を与えないことなどの注意を受けて帰宅した。

PILKINGTON(ピルキントン)はイギリスの大手ガラスメーカーで1826年創業の老舗。2006年に日本板硝子の傘下に入った。

交換した新品ガラスを調べてみると、「PILKINGTION」の文字が……。同社は、日本板硝子の傘下である歴史ある英国のガラスメーカーであり、BMW向けOEMだそう。品質にも問題はなしといえるようだ。
ネット通販などで、安いアフター向けガラスが存在するが、こちらはOEMではなく安価なだけの中国メーカー品も出回っていると聞く。さらにガラスは輸送中に破損となるリスクもある。もちろん、輸送中の破損はトラブルの元だ。

また解体屋から中古ガラスを入手するという手もあるが、こちらも傷の状態が不明な事や輸送中の破損のリスクがあるため、新品ガラスが入手できない際の最終手段といえそうだ。やはり、素直に、ガラス屋さんで、予算に合う新品ガラスをお願いした方が得策だ。
また社外品という選択ならではの特徴として、最新の遮熱ガラスなどの高性能ガラスにアップグレードするなんてことも可能だったりする。

OEM供給される社外品ではあっても、そこは老舗最大手メーカーの製品。交換後から今に至るまで不具合はない。

費用を抑えることはできたが、それでも10万円ほどの余計な出費となってしまったのは正直ショックだった。以来、ボディ傷の防止を含め、より車間距離に気を付けるようになったのは言うまでもない。皆さんも走行中の飛び石には十分に注意してほしい。
交換したフロントガラスは、もちろん車検は問題なし。さらに交換後から1年間ほどが経過するがまったくトラブルはなく、商品選びと腕が確かなガラス屋さんと出会えたことにホっとしている。

さて次回は、ちょっと小休止。ネットオークションやネットショップで手に入れたZ4専用アイテムを紹介したい。

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