ロードスターは進化をとめない。エンジンやLSDをリファイン、 先進安全技術も装備した大幅改良モデルは2024年1月発売

2シーターのオープンカーとしては異例の大ヒット商品となっているマツダ・ロードスター。現行モデルも売れ行きも好調を維持しているが、このたびNDがデビューしてから最大のアップデートを実施。持ち味を維持、向上させながら、安全性も強化している。

マツダは10月5日、ロードスターとロードスターRFを大幅に改良し、同日より全国のマツダ販売店を通じて予約を開始したと発表した。発売は2024年1月中旬になる見通しだ。

マツダのロードスターは1989年に初代がデビューして以来、同ブランドを代表するクルマとして長年販売が続けられ、これまでに約120万台が生産されてきた。
4代目となる現行のNDロードスターは2015年に発売されてから改良が重ねられてきたが、この度大幅なアップデートを実施。現代の交通事情に合わせた装備を追加すると同時に、同モデルがモットーとしている「人馬一体」の走りの楽しさをさらに高めた。

Mazda Roadster

安心・安全と楽しさに効くアップデート

2024年発売モデルでは、ロードスターとしては初めて、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)とスマート・ブレーキ・サポート[後退時検知機能(SBS-RC)]を採用。また、マツダコネクトの進化など、最新の先進安全技術やコネクティッド技術を搭載し、操縦者の負荷と事故の危険性を低減するとともに、より安心して運転を楽しめるようにされた。

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走りの面における大きな違いとして挙げられるのは、ASYMMETRIC LIMITED SLIP DIFFERENTIAL(アシンメトリック LSD)が採用されたこと。このLSDは加速側と減速側でカム角を変え、それぞれで最適な作動制限力を発生するようにしたもの。具体的には従来よりも減速側での効きが強くなっており、挙動が不安定になりやすい減速しながらのターンインした際のスタビリティが確保されている。
加えて電動パワーステアリングもリファインされ、ステアリングラックの摩擦抵抗が低減されているほか、アシスト制御も緻密化されており、より自然ですっきりとしたフィードバックが得られるようになっている。

Mazda Roadster

またエンジンについても改良されており、最高出力が3kW向上。さらに最新の制御が施されたことでスロットルのオン・オフに対するレスポンスも改善された。

Mazda Roadster
左上がDSC-TRACKのスイッチ

MT車では、DSCモードに「DSC-TRACK」が新規に追加された。このモードではDSCが介入するのはドライバーがコントロールできない危険なスピン状態に入ったときに限られ、ドライバーの操作を最大限に尊重しながらもクラッシュを防ぐというレーシングトラック上での使用を前提とした制御が施されている。

見た目はよりスタイリッシュに

エクステリアとエクステリアのデザインも一部で改良された。

Mazda Roadster
改良型のヘッドランプ
Mazda Roadster
改良型のヘッドランプ(ターンライト点灯状態)
Mazda Roadster
従来のヘッドランプ

クルマの雰囲気を左右するランプ類は、今回の改良でフルLED化されている。デザインとしても、ヘッドランプのデイライトランプの位置が変更されたほか、ターンランプはデイライトと統合された。リアコンビネーションライトもジェットエンジンのアフターバーナーにインスピレーションを得たという、よりスタイリッシュな見た目に刷新されている。

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改良型のテールランプ
Mazda Roadster
従来のテールランプ


また、従来のホイールデザインは16インチと17インチで同じだったが、今回のアップデートでそれぞれ独自の外観を持つようになった。

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改良型に装着される16インチホイール
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改良型に装着される17インチホイール

ボディカラーとしては、ソリッドカラーのような鮮やかさとメタリックカラーならではの陰影感がバランスした新色『エアログレーメタリック』が追加された。

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新たに設定された外装色『エアログレーメタリック』エアログレーメタリック

インテリアではモニターとメーターを刷新。モニターは従来の7インチから8.8インチへと大型化されている。メーターは文字盤が黒一色とされたほか、指針はシャープに、立体メモリはシンプルにされ、スポーティ感が増された。ルームミラーもフレームレスになったほか、ルームライト脇には救急通報ボタンが追加されている。

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改良型のインテリア
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改良型で採用されたフレームレスミラー
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改良型のセンターディスプレイ
Mazda Roadster
従来のセンターディスプレイ
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改良型のメーター
Mazda Roadster
従来のメーター

このたびの改良により、特別仕様車だった990Sなど一部のグレードが廃止された一方、ラインナップにS Leather Package V Selectionが加わった。これはベージュ幌とスポーツタン内装で彩られたもの。クラシックかつ上品な装いで、ゆったりとしたドライブや旅を楽しんでもらうことを狙いにしているという。

Mazda Roadster
ロードスター (ソフトトップモデル)メーカー希望小売価格一覧(消費税込)
グレードトランスミッション旧価格新価格
S6MT2,689,500円2,898,500円
NR-A6MT2,843,500円3,064,600円
S Special Package6MT
6EC-AT
2,906,200円
3,021,700円
3,087,700円
3,203,200円
S Leather Package6MT
6EC-AT
3,257,100円
3,372,600円
3,498,000円
3,613,500円
S Leather Package V Selection6MT
6EC-AT
(設定なし)3,553,000円
3,668,500円
RS6MT3,422,100円3,679,500円
ロードスターRF (リトラクタブルハードトップモデル)メーカー希望小売価格一覧(消費税込)
グレードトランスミッション旧価格新価格
S6MT
6EC-AT
3,527,700円
3,555,200円
3,796,100円
3,823,600円
VS6MT
6EC-AT
3,823,600円
3,851,100円
4,154,700円
4,182,200円
RS6MT3,988,600円4,308,700円

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