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久々に復活したカローラのホットモデル
WRC等への参戦を念頭において開発されたGRヤリスの発展版として、かつてカローラを愛車としていた豊田章男現会長の「お客さまを虜にするカローラを取り戻したい」との強い思いを受け、TGRがモータースポーツ参戦からの学びを活かして開発したモデルとなる。
エクステリア
ちなみに、GRヤリスとGRカローラの両方が販売されるのは日本や豪州など限られた国となる。ベース車の面影を残しつつも、後付け感を強調するかのように架装されたフェンダーや、随所に赤のアクセントを配しアルカンターラをふんだんに用いたコクピットなど、内外装はわかりやすく差別化されている。GRヤリス譲りのG16E-GTS型エンジンは、車両重量の増加に見合う動力性能の強化を図るべく、32㎰もの出力増の実現や、冷却や排気効率の向上、燃料噴射ポンプの増量、ウェイストゲートの制御の工夫によるレスポンスの確保、ピストンの重量合わせなどを行なっている。
インテリア
また、RZをベースに「お客さまを魅了する野性味」を追求して開発し、70台が抽選販売された「RZモリゾウエディション」では、徹底した軽量化と剛性アップや、さらなる動力性能とコーナリング性能の向上を図り、気持ちが昂りずっと乗っていたくなるような走りの味を追求した。
GRヤリスより日常的に モリゾウモデルは刺激的!
3ペダルの6速MTのみの設定で、手引きのサイドブレーキもある。それだけでも、より操る楽しさをダイレクトに味わえそうでうれしい。期待どおり、ドライブフィールはすべてが刺激的だ。エンジンは低速域は控えめながら、3000rpmあたりから本領を発揮し、いかにも高い過給圧が掛かったような盛り上がり感のある強烈な加速を味わうことができる。3気筒ながら勇ましく野太い独特のサウンドも印象的だ。電子制御多板クラッチを用いたアクティブトルクスプリット4WDシステムは、前後輪のトルク配分を30対70、60対40、50対50から選べるようになっている。四輪を駆動するので基本性能として操縦安定性が高く、その中でモードの選択により操縦感覚が変わり、リヤ寄りにすると一層俊敏な回頭性を楽しめる。
うれしい装備
引き締まった足まわりにより挙動の乱れは抑えられているが、乗り心地はそれほど硬いわけではない。高性能を日常的に楽しめるRZに対し、モリゾウエディションは、走りに特化したクルマとして開発されたことが乗ると即座にわかる。低〜中速域をさらに増強したトルク特性のエンジンやローギヤード化が効いて、より速さを直感する。ハンドリングも軽量化と車体剛性の向上や専用の足まわりのチューニングによりスパルタンな雰囲気と走りの一体感が増している。コーナリング限界も高まっているに違いない。まずは受注の再開を願うのみだ。
Country Japan Debut 2022年6月 車両本体価格 525万円
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.151「2023-2024 スポーツカーのすべて」の再構成です。