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ホンダは、米国ネバダ州ラスベガス市で開催されているCES 2024において、2026年よりグローバル市場への投入を開始する新たなEV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」を発表するとともに、そのコンセプトモデルである「SALOON(サルーン)」、「SPACE-HUB(スペース ハブ)」、そして次世代EV向けの新「Hマーク」を世界初公開した。
現地の模様を写真でお届けしよう。
SALOON
SPACE-HUB
CES 02024 Hondaプレスカンファレンス スピーチ
登壇者 ・三部 敏宏氏 取締役 代表執行役社長 ・青山 真二氏 取締役 執行役副社長 ・Jennifer Thomas氏 Vice president of Corporate Affairs for American Honda Jennifer:
Jennifer: 皆さんようこそ!HondaのJenniferです。 今ビデオの中で「夢」という言葉を何度も耳にしたと思います。 それは、Hondaという会社は、「夢の力」を信じ、これまでの常識をゼロにリセットし、最先端のモビリティを生み出してきた会社だからです。
1958年、オフロードでの抜群の走行性能を実現しながらも、ほとんどの人が簡単に乗りこなせるユニークなモーターサイクル、スーパーカブを生み出しました。
1973年、画期的なCVCCエンジンを搭載した象徴的なCivicを発表しました。このクルマは、米国大気浄化法の厳しい排ガス規制をクリアした最初のクルマでした。
そして2015年、ホンダジェット初の量産型は、その特徴的なエンジンマウントで空を飛び始めました。 これらは、Hondaが夢を現実にした製品のほんの一部です。
Hondaには、ビジョンと情熱、そして困難に直面しても夢に向かって努力し続ける忍耐力を持った人々がたくさんいます。”The Power of Dreams “にコミットするために、自らを鼓舞し続けるHondaの象徴です。それではご紹介しましょう。HondaグローバルCEOの三部です。
Jennifer: 三部さん、ようこそ。まずはじめに聞かせてください。あなたの夢は何ですか?
三部: 私にとって夢とは、そう簡単には叶わない大きなものです。私は簡単に叶うような夢は持っていません。
Jennifer: 「100年に一度」と言われる自動車業界の変革期、Hondaはどのような夢を描くのでしょうか。その大きな夢の話、お聞きください。
三部: 『The Power of Dreams』 私たちは夢を追いかけ、夢のチカラで新しいものを生み出します。 Hondaは、長い間使ってきたこのグローバルブランドスローガンに、新しい言葉をつけ加えました。
『The Power of Dreams. How we move you.』
私たちHondaの夢のチカラは、あなたを動かし、あなたの心を動かし、あなたの夢の移動を実現します。
Hondaが夢のチカラでつくるこれからのモビリティ それは、『自由な移動の喜び』を創造するモビリティ。『時間や空間の制約から人を解放』するモビリティ。『人の能力や可能性を拡張』するモビリティです。
Hondaは、二輪、四輪、パワープロダクツ、Jetなど、エンジンを軸に、世界で一番モビリティを販売しているメーカーです。しかし、私たちは2040年までにガソリン車の販売を終了し、EV/FCVに移行することを決め、電動化へ大きく舵を切りました。全ては、環境負荷ゼロ、そして交通事故死者ゼロという、モビリティメーカーとしての使命を果たすためです。
今日は、4年ぶりに帰ってきたこのCESの場で、新たなグローバルスローガンのもと大きく変革するHonda、そして、私たちHondaが夢見るモビリティを象徴する、新たなEVシリーズをご紹介致します
まず私たちは、HondaがEVに見る夢とは何かを考えるために、クルマづくりの原点に返りました。
MM思想 『マン・マキシマム メカ・ミニマム』は、『人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に』という、Hondaのクルマづくりの基本思想です。このMM思想のもと、私たちは常に、人のための空間を大きくしたいと願って来ました。それは、より自由で快適な『人の移動』を提供するためです。
それだけではありません。
Hondaは1964年にF1に初参戦して以降、自動車レースの最高峰で走りの技術を鍛え上げ、市販車にもフィードバックすることで、いつの時代においても『操る喜び』を追求してきました。
これほどにまで『操る喜び』に拘る理由。それは、自分で操り、好きなところに好きなように移動することこそ、人の根源的な欲求/喜びであると、Hondaは信じているからです。
こうして、『MM思想』と『操る喜び』、私たちのクルマづくりの二つの原点に立ち返り、『自由な移動の喜び』を創造するEVづくりへのチャレンジが始まりました。
まずは現在のEVの潮流を見てみましょう。
現在のEVは、航続距離を長くするために、大きな重い電池が床下に置かれ、それを支えるために、車体やプラットフォームも大きくて重くなる、という条件を余儀なくされる傾向があります。
また、現在のEVはデジタル技術が充実しています。これは『移動とは退屈なものだ』という前提のもと、『操らなくても目的地に連れて行ってくれるスマートさ』を重視しているからなのかもしれません。
現在のEV市場は、言うならば『Thick, Heavy, but Smart』という潮流のもと、群雄割拠の時代となっています。
しかし、私たちが夢見るモビリティは、その延長線上にはありません。私たちは0から全く新しい価値を創ります。私たちは、EVであれば、Hondaがクルマづくりで最も大事にしてきた原点、『MM思想』と『操る喜び』を、そして、『自由な移動の喜び』をさらなる高みへ進化させることができると確信しました。
それでは、お待たせしました。
これがHondaの夢見るモビリティを具現化させた新EVシリーズ ”0” です!ご覧ください !
(コンセプトモデル SALOON / SPACE-HUBをアンベール)
三部: 0シリーズの象徴である『SALOON』と『SPACE-HUB』いかがでしょうか。
『Thin, Light, and Wise』で創造する私たちのこれからのEVは、『厚くて重い』というEVの制約から解放し、EVの可能性を拡張します。
この新たなアプローチで開発する次世代のEVは次世代のHマークを採用します。
このHマークは、原点を超え、挑戦と進化を絶えず追い求める企業姿勢を表現し、両手を広げた様なデザインにより、モビリティの可能性を拡張し、ユーザーに向き合う姿勢を表現しています。
ここからは、この2つのモデルの具体的な紹介に移りましょう。青山さん、よろしく。
青山: 『Thin, Light, and Wise』は、Hondaが原点に戻ってたどり着いたEV開発のアプローチです。
Thin:フロア高を抑えた”薄い”EV専用プラットフォームにより、低全高のスタイルなどデザインの可能性を拡張するとともに、高い空力性能を実現します。
Light:原点に立ち返って生み出した独自技術で、これまでのEVの定説を覆す軽快な走りと電費性能を実現します。
Wise:これまで培った知見を活かしながら、知能化進化を通じてクルマそのものが賢くなることで、Honda独自のソフトウェアデファインドモビリティを実現します。
このThin, Light, and Wiseが提供する5つのキーバリューを紹介しましょう。
それは
「『①共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン』、
『②安心・安全のAD/ADAS』、
『③IoT・コネクテッドがもたらす新たな空間価値』、
『④人車一体のあやつる喜び』、
『⑤高い電費性能』
です。
我々は原点に立ち返り、新しい時代に向け0シリーズのデザインを定めました。
「The art of resonance」個々の感性を共鳴させ、独創性を生み出します。
一目見ただけで他とは圧倒的に違う大胆でピュアなプロポーションは見る者に新しい視点を呼び覚まします。爽快な視界と、直感的な操作によってドライバーの感性に共鳴する楽しいドライビング体験を創り上げます。クルマは単なる移動の手段から、個々の感性に寄り添う存在へと昇華します。
環境との共鳴も我々の大きなテーマです。大胆かつシンプルなデザインは未来をより豊かなものへと変えていく力があります。ユーザーの創造性を刺激し暮らしの可能性を拡げるモビリティがSPACE-HUBです。ユーザーの“やりたい”に即座に応える自由な空間は、人と人、人と社会をつなぐハブとなり、共感や共鳴をうみだします。「The art of resonance」私たちの描く未来に共鳴していただけることを願っています
次に0シリーズが提供するAD/ADASについてお話ししましょう。2021年、Hondaは世界で初めて自動運転技術を実用化しました。ここで培った自動運転技術を世界中のお客様にお届けするため、0シリーズでは、私たちが誇る自動運転の技術を活用した最新のADASに加え、20年代後半のモデルには、
次世代の自動運転を搭載します。この自動運転は、『人中心』という哲学のもと培ったHondaの安全思想をベースに、さらに進化したAI、センシング、認識判断、ドライバーモニターと言った知能化により、人の感性に近い、安心・安全な自動運転空間を提供します。
さらに、ハンズオフをできる領域も拡大します。現在、高速道路のみとしているハンズオフ機能を、一般道でも安全に利用できるよう開発を進めています。0シリーズを通じ、より多くのお客様の手が届く自動運転車をお届けしていきます。
0シリーズでは、コネクテッド技術により、『運転して楽しい、使って楽しい、繋がって楽しい』という価値を提供します。AIやビッグデータの活用により、クルマが音楽などユーザーの好みや、運転中の行動や傾向を学習し、クルマがさまざまな提案をしてくれます。使えば使うほどクルマとユーザーが親密になり、生活のさまざまな場面で『繋がる楽しさ』を提供します。このようなコネクテッドの価値はUXやUIもシームレス化していきます。究極的には、『やりたいことがすぐできる』 そんなストレスゼロ・楽しさMAXのUXを目指します。
『あやつる喜び』はいつの時代も変わらないHonda不変の哲学です。
“Thin, Light, and Wise”なEV専用アーキテクチャーを軸とするHonda独自の電動技術とダイナミクス技術により、『軽快で、心も⾝体もクルマと一体になる高揚感』 そんな次世代のあやつる喜びを提供します。
このSALOONではステアバイワイヤの採用に加え、Honda独自のロボティクス技術で培った姿勢制御などによるモーションマネジメントシステムをさらに進化させ、様々な走行シーンにおいてドライバーの思い通りのコントロールを実現します。
また、Hondaは0シリーズの低全高のスタイルに、モータースポーツで鍛え上げた空力技術を惜しげなく採用することで、 ダイナミクス性能と空力性能とデザインを高次元に融合させます。これからの自動運転時代、『安全で快適な自動運転』と、『魅惑的な操る喜び』、2つのオプションを持っていることは、贅沢な体験ではないでしょうか?
「薄く、軽く、賢く EVをつくることは、電費性能も別次元へと進化させます。Hondaは、現在までに世界500万人のお客様に電動車をお届けしてきました。この長年磨き上げた電動化技術をベースに、0シリーズでは、電力変換効率と、パッケージングに優れたe-Axle、軽量化や空間効率に寄与する高密度バッテリーパック、空力性能を突き詰めることで、バッテリー搭載量を減らしながら、十分なロングAERを実現します。
また、EVでは『充電時間』や『バッテリー劣化』に対する不安をお持ちの方も多いと思います。20年代後半に投入する0シリーズモデルでは、15% – 80%急速充電時間を15分程度に短縮すると同時に、10年後バッテリー劣化率 でも、バッテリーシステム制御技術によりバッテリーの劣化を抑え、通常の使い
勝手においては10%以下を目指します。
この0シリーズを盤石な体制でお届けするために、バリューチェーン全体で電動化の取り組みを加速します。
ここアメリカでは、 LG Energy Solutionとの合弁会社による共同生産を計画しております。ここで生産されるバッテリーは、IRA法への適合を目指しています。現在、年内の工場建設完了を目指し、順調に建設を進めており、0シリーズ向けに競争力の高いバッテリーを供給していきます。
自社開発を進める固体電池については、0シリーズの価値をさらなるの高みへと解放・拡張すべく研究・開発を進めており、20年代後半での適用を引き続き目指しています。
また、お客様の充電に対する不安を払拭するために、 利便性の高いエネルギーサービスを提供していきます。USでは、昨年OEM7社で設立したEV用高出力充電網を構築する合弁会社を通じ、2030年までに3万口を目標に充電器を設置、他地域でも充電ネットワーク拡充を加速していきます。
さらには、BMW、Fordとともに設立するChargeScape社を通じ、多数の電力会社との連携を広げ、一部地域で既に開始している、スマート充電サービスの提供地域の拡大を加速します。
本日ご紹介した0シリーズは、新Hマークと共に2026年に第1弾を投入、北米、日本、アジア、欧州、アフリカ・中東、南米とグローバルで展開していきます。ご期待ください。
三部: 私たちHondaの夢、そして変革の象徴である0シリーズ、いかがでしたでしょうか?
Hondaの夢見るこれからのモビリティ、それは、時間の制約から人を解放し、あらゆる可能性を拡張していくモビリティ。私たちHondaははいつの時代も、自らの意志で動き出す人々に「驚き」と「感動」を提供し続け、移動の進化により世界を変えていきます。
このクルマ(SALOON)は、ほとんどこのままの形で、2026年にはアメリカ、そして世界を駆け抜けているでしょう。ご期待ください。本日はありがとうございました。CES2024で、0シリーズをお楽しみください。