スノーソックスは転ばぬ先の杖になるか? スバルBRZで脱着練習をしてみた

装着完了。これはとても簡単だ
首都圏でも年に数回ある「時ならぬ大雪」。積雪地帯にお住まいの方、スノースポーツが趣味の方は文句なしにスタッドレスタイヤ履き替えなのだが、そうでない方は、オールシーズンタイヤかサマータイヤ+チェーンで迷うところ。【SUBARU BRZ長期レポート】では、話題のスノーソックスを試してみた。これで、これからのなごり雪への備えも万全だ。
TEXT & PHOTO:松沼 猛(MATSUNUMA Takeru)

2月5日、関東は大雪に見舞われた。夜には道路も雪が積もり、BRZもきれいに雪に覆われていた。

雪が積もり始めたBRZ。夜にはきれいに雪に覆われ、道路も真っ白になっていた

さて、雪と言えば冬用タイヤである。BRZ用の冬用タイヤは今のところ購入してはいない。学生時代は冬になるとスキーに行っていたし、レガシィB4に乗り始めた頃まではスノードライブに行くことも多かったので、冬になるとスタッドレスタイヤに交換していた。しかし、2009年頃にスタッドレスタイヤを盗まれて以降、新たにスタッドレスタイヤを買っておらず、雪国に行く場合は現地でレンタカーを借りている。

ということで、BRZ用にわざわざスタッドレスタイヤを買う必要はないかなとは思ったものの、今年はBRZで出張に行く機会が増えそうなことと、出先で雪に見舞われた場合に帰れないと困るのでエマージェンシー用にチェーンを買うことにした。チェーンと言ってもあくまでもエマージェンシー用なので、今回は布製チェーンのイッセ・スノーソックス スーパーを選択することにした。スノーソックスは布製ながら高速道路のチェーン規制にも適合していて、BMWの純正アクセサリーにも指定されているという。乗用車用スノーソックスはクラシックとスーパーがあり、スーパーの方が制動力と耐久性に優れているらしいので、スーパーをチョイスすることにした。

今回購入することにした布製チェーン、イッセ・スノーソックス スーパー

イッセ社はスペイン・バルセロナの自動車安全グッズ専門メーカー。バルセロナは古くから繊維産業が盛んな場所で、スノーソックスには繊維技術のノウハウが注ぎ込まれているという。雪道ではスノーソックス(タイヤ)と接した際に雪が溶けることで発生した水の膜を吸収することで、タイヤの接地面積を拡げてグリップ力を得る。アイスバーンではスノーソックスの繊維が氷に張り付いてグリップ力を確保する。布製と聞くと耐久性などがいろいろ気になるところだが、およそ2シーズンは使用可能らしい。

ということで2月12日にA PIT オートバックス東雲に行ってみた。スノーソックスの適合表によるとBRZ Sグレードが装着している215/40 R18タイヤはサイズ62が適合するようだ。

スノーソックス スーパーを買うために、A PIT オートバックス東雲に行った
サイズ適合表を確認するとサイズ62が適合する模様

購入してBRZのトランクにスノーソックスを積載。そこそこコンパクトサイズでトランク内でもそれほど場所を取らないからエマージェンシー用としては良さそうだ。

スノーソックスはコンパクトで場所を取らないのがいい

さて、スノーソックスはジャッキアップすることなく、わずか3分で脱着できるという。ということで練習を兼ねて脱着をしてみることにした。

袋から取り出したスノーソックスは、とてもチェーンに見えない外観だ。このチェーンは裏表があって、タグのある裏側がタイヤと接する面となる。

見ればみるほどチェーンに見えないスノーソックス

装着は本当に簡単だった。まず接地面以外をタイヤに被せて、その後はタイヤ半回転分前進又は後進させて残りを被せるだけ。たしかにジャッキも必要なかった。

まずはタイヤの上部からスノーソックスを被せる
タイヤを半回転させて、残りの部分を被せるだけ
装着完了。これはとても簡単だ

スノーソックスを取り外すのも超簡単。スノーソックスにはロック機構がないが、走行中はオートセンター機能が働いて摘めに適正な位置を保つらしい。スノー路面についてはスノーソックスの繊維が水を吸収することでグリップ力をアップさせ、アイスバーンでは繊維が路面に張り付くことでグリップを確保できるそうだが、果たしてこれを試す機会が来るかは今のところ分からない。ともあれ、転ばぬ先の杖となってくれればありがたい。

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著者プロフィール

松沼 猛 近影

松沼 猛

1968年生まれ1993~2013年まで三栄書房に在籍し、自動車誌、二輪誌、モータースポーツ誌、鉄道誌に関わる…