限定車の宿命? 販売開始を迎えるも、なんと抽選方式に!【GRカローラ長期レポート】

GRカローラ RZ(シアンメタリック、スーパーホワイトⅡ、プラチナホワイトパールマイカ、プレシャスメタル、プレシャスブラックパール、エモーショナルレッドⅡ)
交通コメンテーターの西村直人さんの「GRカローラ長期レポート」の第二話は、”抽選への挑戦”だ。まずは抽選に当たらないと!
TEXT & PHOTO:西村直人(NISHIMURA Naoto)

第一弾の限定500台は「ハズレ」てしまった

2022年12月2日、販売台数を限定したGRカローラの抽選申込がスタートした。初披露時(同年4月1日)には、「日本での販売は2022年後半を予定」とだけ示されていたが、12月の時点では通常の販売方式ではなく、「抽選申込」(商談権利の抽選)方式になったことが明かされた。

「コロナ禍による部品不足が要因です」とトヨタは説明するが、こればかりは仕方がない。逸る気持ちを抑えつつ発表されている手順に則って抽選申込を行なった。

第一話はこちら

この時点で判明していたことはGRカローラが500台(5,250,000円で5人乗り)、GRカローラ モリゾウエディションが70台(7,150,000円で2人乗り)の合計570台であることと、GRカローラがWEB申し込みであるのに対して、GRカローラ モリゾウエディションは全国のGR Garageに出向いて申し込みを行なうことだった。

第一話でのとおり、筆者は実用性を考えての購入なので5人乗りのGRカローラ一択! 特設サイトで抽選申込を行なうと、早速、自動応答メールが返ってきた。

「西村 直人様 この度はGRカローラRZ商談申込受付にご応募いただき、誠にありがとうございました。次のとおり、ご応募を受け付けました。~中略~応募多数の場合は抽選を行い、2023年1月13日にメールにて抽選結果を連絡させて頂きます」。

ご多分に漏れずコロナ禍により新車の製造やデリバリーが大幅に遅れていたが、GRカローラは台数限定であることから事前に必要な部品の確保が済んでいるのではないかという筆者の勝手な思い込みにより、納車までそれほど時間は掛からないだろうと推察(当選する気マンマン!)。

加えてGR好きの潜在的なユーザーは、よりスポーツ走行に特化したGRヤリスに惹かれている、だから当選確率は高いのではないかという甘い考えを抱いていた(我ながら浅はか……)。

迎えた2023年1月13日、当選連絡日。

「西村直人様 GRカローラRZ商談申し込み受付事務局と申します。~中略~厳正に抽選させていただいた結果、誠に残念ですが【落選】となりました。~中略~まずは500台の抽選販売とさせていただきましたが、今後、生産状況を見ながら追加販売を検討していきます。“お客様を虜にするカローラを取り戻す”というモリゾウこと社長豊田の強い想いでGRカローラの開発は始まりました。~中略~今後も、スーパー耐久をはじめ、あらゆるモータースポーツから得た技術や知見を反映し、GRカローラを進化させていきます。」

当然、がっかりしたもののGR人気は本物なんだと実感した。もっともトヨタとしても商売だから業界を盛り上げるための策をしっかり採っている。しかしそこに留まらず、文章こそ短いが落選した人にも夢を見続けさせてくれる。こうした思いやりには感心しきり。  

「今後、生産状況を見ながら追加販売を検討」という一文に期待を寄せていると、2023年8月23日、抽選販売の第二弾がやってきた。

外板色シアンメタリックに、専用内装色ブラック×ブルーのモデルは限定50台!

一部改良を施した2023年モデル(550台)の抽選で、そのうち50台がきれいな水色のボディカラー「シアンメタリック」をまとっている。シアンメタリックはベースモデルの「カローラ・スポーツ」導入時(2018年)に設定があった人気色。よって倍率が上がると予想し通常設定カラーを選び、前回の抽選時にも記入したGRカローラへの想いをしっかり記して(必須項目)送信ボタンを押した。

9月22日、2回目の当選連絡日だ。15:00ジャストに受信したメールから、「【抽選結果】 ご当選、【カラー】通常設定カラー」との文字が飛び込んできた。と同時に、見慣れない番号から電話着信が……。出てみると、トヨタの販売店さんからだった。「西村さん、おめでとうございます!」と明るく元気な声で当選を伝えてくれる。(第三話につづく)

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著者プロフィール

西村 直人 近影

西村 直人

1972年1月 東京生まれ。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、そして…