現在、アウディ AG技術開発部門の統括責任者であるオリバー・ホフマンは、取締役会によってゼネラル・レプレゼンタティブ(総代表)に任命され、アウディ AGにおけるF1プロジェクトの遂行、および世界最高峰のモータースポーツ参戦に関する全責任を担うことになった。
アウディ AGのF1プログラムの3つの柱、すなわち、有名なスイスのレーシングチームであるザウバーへの出資、ノイブルクのアウディ・フォーミュラ・レーシングGmbH(Audi Formula Racing GmbH)におけるパワーユニットの開発、そしてアウディ AGによるF1プログラムの戦略的実行と活性化、これらすべてをこの新設ポジションが一元管理することになる。
F1プログラムの立ち上げの成功に加えて、この部門の統合はグローバルなステージでアウディ・ブランドを強化し、モータースポーツと市販モデルの緊密な連携を確保することも目的としている。
この目的のため、アウディはザウバー・ホールディングス AG(Sauber Holding AG)の株式を100%取得する予定である。現在のザウバーの大株主であるイスレロ・インベストメンツ AG(Islero Investments AG)とは既に合意に達しており、同社はこの変更を全面的に支持しているという。
また、2019年から2022年までマクラーレンF1チームの代表を務め、2023年にザウバーグループのCEOに就任したアンドレアス・ザイドルが、アウディF1チームの最高経営責任者(CEO)として、チームの管理だけでなく、このF1プロジェクトの遂行にも責任を負うこととなり、この先、アウディF1チームの象徴的な存在になるという。
尚、今回の改編でオリバー・ホフマンはアウディ AG取締役会のメンバーを辞任することになるため、技術開発部門の統括責任者はアウディのCEOのゲルノート・デルナーが兼任することになる。