最高出力800ps、V12エンジンから名付けられた812は、2017年のジュネーブモーターショーで発表され同年に発売された。その後のシリーズでは、「812スーパーファスト」、「812 GTS」、「812コンペティツィオーネ」、「812コンペティツィオーネA」と、4つの仕様が展開されている。
現在でも新鮮なイメージだが、実は2022年にオーダー受付を停止、すでに生産中止になっている。しかしこれは、後継モデルが開発中であることを意味する。開発コード「F167」と呼ばれる初期プロトタイプは2022年にも目撃されたが、「ローマ」のテストミュールをまとっており、これが初の市販型ボディだ。
細部を厳重に隠したプロトタイプだが、812に似たプロポーションが見てとれる。また、フロントバンパーに三分割されたエアインテークを配置、ボンネットの通気口、スリムなヘッドライト、筋肉質のリアフェンダー、LEDテールライトの一部が確認できる。
後継モデルでは、フェラーリのフロントミッドシップ車用の最新プラットフォームを搭載する可能性が高い。2018年に初めて発表されたこのプラットフォームは、複数のホイールベース長、エンジンタイプ、座席構成をサポートしており、全輪駆動およびハイブリッド技術を搭載することもできる。
電動化を示すステッカーがなく、後部にエキゾーストパイプを装備していることから、後継モデルがV12自然吸気エンジンを継承する可能性が高いとみられる。2022年のフェラーリ資本市場デーのプレゼンテーションでは、今後発売するハイブリッド製品にはV6またはV8エンジンが搭載される一方で、V12モデルは純粋なICE形式でのみ販売されることが明らかになっている。
パワートレインは、昨年プロサングエでデビューした新開発の6.5L V型12気筒エンジンを搭載すると予想され、プロサングエでは最高出力715psを発揮するが、812後継モデルでは840ps程度まで向上すると噂されている。
待望の812後継モデルのワールドプレミアは、意外にも早く、5月2日マイアミで行われると伝えられており、市場では先日スクープしたアストンマーティン「DBS」後継モデルと対峙することになるだろう。