BMW 本気のEV、iXシリーズ発表! 航続距離460kmのiX3と650kmのiX

FEEL THE iX/iX3@ SHIBUYAと題されたイベントで発表されたiX3(左)とiX(右)
BMWの新型EV、「BMW iX3」と「BMW iX」が発表された。価格は、BMW iX3が862万円、BMW iXが981万円〜となっている。
左がiX3、右がiX

BMWの新しい次世代車ブランド「i」は、これまでi3、i8の2モデルをラインアップしていた。これに、新たに加わったのが、BEV(バッテリーEV)の「iX」「iX3」「i4」である。この3モデルで日本導入を果たしたのが、SUV(BMWはSAV=スポーツ・アクティビティ・ヴォークルと呼ぶ)のiXとiX3だ。どちらも航続距離が400kmを大きく超える新世代のEVである。

まずは、iX3から紹介する。

iX3:X3ベース 航続距離460kmは魅力

全長×全幅×全高:4740mm×1890mm×1670mm ホイールベース:2865mm

iX3は、モデル名からわかるように、BMWのミディアムクラスSUVのX3の電気自動車版だ。ボディサイズは全長×全幅×全高:4740mm×1890mm×1670mm ホイールベース:2865mmで、ベースとなったX3とほぼ同じ。日本に新規導入されるモデルは

BMW iX3 M Sportで価格は862万円である。

PHEVモデルのX3 xDrive30e M Sport Edition Joy+(4WD)が857万円だから、ほぼ同価格である。ただし、モデル名からわかるように、iX3 M Sportは、4WDではなく後輪駆動となる。

iX3 M Sportのハイライトを簡単に解説しよう。

バッテリー容量:80.0kWh(netで74.0kWh)
航続距離:460km(WLTPテストサイクルで)
最高時速:180km/h(欧州仕様)
モーター:最高出力286ps(210kW) 最大トルク400Nm
前後重量配分:前43:後57
ラゲッジスペース:510~1560ℓ
ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機構を搭載
BMW Intelligent Personal Assistant搭載
Amazon Alexa搭載

航続距離は460kmで充電はAC(200Vの普通充電)が11kW、DC(急速充電)が150kWに対応する。現状では、150kWで充電できる急速充電器は限られるが、将来は高出力充電器が増えてくるはずだ。また、家庭用のAC充電も11kWの充電器を設置しているユーザーは少ないだろうが、将来の発展性を考える大きなアドバンテージになりそうだ。

ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機構は、レベル2(SAEが定めるレベルで)の運転支援でBMW社が国内認可取得モデルとして初めて導入したハンズ・オフ機能が搭載される。高速道路での渋滞時にドライバーが前方に注意するとともに、周囲の道路交通や車両の状況に応じて直ちにハンドルを確実に操作できる状態に限り、ステアリングから手を離しての走行が可能になる。

BMW Intelligent Personal Assistantは、AI技術を使った音声会話だけで車両の操作、情報へのアクセスが可能になる機能で、「OK、BMW」と呼びかけたり、システムに独自の名前を付けることができる。

Amazon Alexaは、Amazonが提供するクラウドベースの音声サービスで、Amazon Echoシリーズなどのデバイスに搭載されている機能がiX3にも搭載されている。

ライバルはメルセデス・ベンツEQC(EQC400 航続距離 400km 車両価格895万円)、アウディe-tron (50クワトロ 航続距離316km 車両価格933万円)だろう。iX3は4WDはないが、航続距離がライバルより長く、そしてプライスタグが少し軽い。充分な競争力が期待できそうだ。

生まれながらのEVとして開発されたBMW iX 

奥のiX3とデザインが大きく違っているのがわかる。

もう一台のiXは、ベース車両があってそれをEV化したモデルではなく、コンセプト、デザイン、パワートレーンなどすべてをゼロベースで開発したモデルである。したがって、デザインもまったくあたらしい。BMWのデザインを特徴付けるキドニー・グリルも大型化されているのが目を惹くが、それだけでなく、エクステリア/インテリアともにデザインは「i」であることを強く打ち出している。

ボディサイズは全長×全幅×全高:4955mm×1965mm×1695mm ホイールベース:3000mmで、X5とほぼ同じだ(X5をベースにしているわけではないが)。

BMW iX xDrive40が981万円

BMW X5 xDrive35Dプレジャー3エディション(3.0ℓ直6ディーゼル搭載の4WDモデル)が1038万円だから、BMWがEVのiXシリーズをかなり戦略的価格で導入したことがここからも窺える。

全長×全幅×全高:4955mm×1965mm×1695mm ホイールベース:3000mm
巨大なキドニーグリルが目を惹くフロントセクション
フロントと同じく薄くシャープなライトを採用したリヤセクション

まずはグレード構成から

BMW iX xDrive40:981万円
BMW iX xDrive50:1116万円

こちらも特徴を簡単に解説しよう。

バッテリー容量:
  iX xDrive40 76.6kWh(netで71.0kWh)
  iX xDrive50  111.5kWh(netで105.2kWh)
航続距離:
  iX-Drive40  450km(WLTPテストサイクルで)
  iX xDrive50  650km(WLTPテストサイクルで)
最高時速:200km/h(欧州仕様)
xDrive:前後1基ずつ計2基のモーターによる4輪駆動
モーター:
  iX-Drive40  システム最高出力326ps(240kW)/システム最大トルク630Nm
  iX xDrive50  システム最高出力523ps(385kW)/システム最大トルク765Nm
ラゲッジスペース:500~1750ℓ
4輪アダプティブ・エア・サスペンション:iX xDrive50に標準
インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング:後輪操舵システムでiX xDrive50に標準
BMW Intelligent Personal Assistant搭載
Amazon Alexa搭載

などとなっている。

2022年はEV時代の本格幕開けか。トヨタと日産の次期主力EVを比較する

トヨタはBEV(バッテリーEV)の新シリーズであるbZシリーズの第一弾である「bZ4X」を2…

イベントに登場したクリスチャン・ヴィードマン(ビー・エム・ダブリュー株式会社代表取締役社長)と安藤政信さん(俳優・映像監督)、レスリー・キーさん(写真家・映像監督)、佐々木香菜子さん(ペイントアーティスト) 写真左から

キーワードで検索する

著者プロフィール

モーターファン 近影

モーターファン