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現代のクルマには失われた何かが旧車にはある!
緊急事態宣言化でも細々とイベントは開催されてきた。けれど、解除されたことでイベントへ参加する側も見学する側も気分が晴れたのではないだろうか。
実は北本市にあるヒートベアーズ北本スタジアムでは2020年にも同様のイベントが開催されている。けれどその雰囲気は、やはり新型コロナウイルスの影響により明るくはなかった。だから緊急事態宣言が解除され、新規感染者数が減少を続けた11月初旬になると、ようやくイベント本来の醍醐味が味わえるようになった。
2020年に開催された時は感染対策を徹底していたものの、参加台数が90台前後に抑えられた。これは展示車両同士の間隔を空けて人が密集しないための配慮。だが今年は違う。実に152台ものエントリーがあり、その多くがキャンセルすることなく会場に並んだのだ。
イベント開催を祝うかのような快晴に恵まれたこともあり、朝9時45分に予定されていた開会式も前倒して行われた。見学者は入口で署名と検温、消毒を済ませてから入場する。もちろんマスク着用も義務化されていた。
注目の参加車両たちをご紹介!
まず紹介したいのが古いMGたち。このイベントには毎回、古い英国車が集まることも特色で、赤い1952年式MG-TDや白い1947年式MG-TCは最古参のモデルたち。年数を感じさせない程度の良さが素晴らしい。
続いては1957年式オースチンヒーレー100/6(手前)や、その奥に並ぶ1956年式MG-Aなど、Tシリーズミジェットより新しい世代のモデルたち。この時代になるとクラシックカーというよりヒストリックカーであることをスタイルからも感じるところ。
一転してドイツ車はといえば、幅広い車種が集まった。手前のメッサーシュミットは航空機メーカーだった同社が戦後に送り出した3輪のバブルカー。その奥は今でも根強い人気のあるフォルクスワーゲン・タイプ2。サイズの違う2台が並ぶとコミカルでもある。
タイトルのようにクラシックカーのイベントとはいえ、1991年までに製造された車種へ参加対象を広げたことも特徴。そのためから手前の1986年式VWゴルフや奥の1990年式BMW3シリーズなども並んでいた。
この日はエントリーが5台と少なめだったアメリカ車。とはいえ1972年式シボレー・コルベットや奥のフォード・マスタングが並ぶと存在感は抜群。ともにアメリカを代表するスポーティカーと言っていいだろう。
国産車はといえば、通常日産車がズラリと並ぶことが多い。そこで今回は趣向を変えて珍しいモデルたちに目を向けてみたい。まずは日本の国民車とも呼べるスバル360たち。この日は4台がエントリーしたほか、後継車のR-2、さらにはレックスなども参加していた。
日野自動車といえばトラックメーカーという認識が大多数だと思われるが、1960年代には乗用車も生産していた。なかでもミケロッティがデザインしたコンテッサはエレガントなスタイルで忘れられない存在。手前がクーペで奥はセダンとボディバリエーションも2種類をラインナップしていた。
日野と同じようにいすゞ自動車も過去には乗用車を生産していた。60年代に発売したベレットは代表的な存在で、比較的小さなボディにパワフルなエンジンを組み合わせ、スポーティなハンドリングで人気だった。手前は非常に珍しいファストバックで奥はDOHCエンジンを搭載するGTR。
この日はいすゞ車が比較的多く参加していたことも特筆できる。なかでも写真の117クーペは4台がエントリーしていて、すでに乗用車を作っていないメーカーとは思えないほど。手前は1972年式のハンドメイドモデルで奥は1975年式の量産化された中期モデル。
この日は1台だけの参加だったが、いすゞジェミニも忘れられない存在。青い1984年式ZZ/Tは当時のオペル・カデットと兄弟車で後輪駆動だった。この後の世代でFFへと切り替わる。その奥は42年間も同じオーナーが所有されているという1979年式117クーペXG。
最後に紹介するのは、超絶レアなマニアもビックリの東急くろがね工業が発売していたオート3輪のくろがね号。マツダやダイハツが有名だし残存数も多いオート3輪だが、くろがねが原型を保ったまま実働状態にあることは奇跡に近い。写真は1961年式のKW8型でくろがね号の末期に近いモデル。
駆け足で紹介してきたクラシックカーフェスティバル2021の模様だが、次回からは1台1台クローズアップして紹介する予定だ。