BMWが「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ2024」で世界初公開した、コンセプトロードスター「スカイトップ」が、ほとんどの人が存在を知る前に生産開始され、限定50台がすべて完売していたことがわかった。
スカイトップは、単なるコンセプトカーだと思われたていたが、実際は製造されている。購入できた人は同ブランドのVIPリストに乗っている50人で、価格は非公開とされている。
参考までに、BMWの最新の超限定スペシャルである「3.0 CSL」(こちらも50台限定)は、2022年に82万ドル(約1億2千万円)で販売されていた。後に中古市場で135万ドル(約2億円)取引された車もあったことから、歴史が繰り返されるなら、スカイトップも同じ道をたどる可能性が高い。
BMWグループのデザイン責任者、エイドリアン・ファン・ホーイドンク氏は、「スカイトップは非常にエキゾチックなデザインで、ドライビングダイナミクスと、エレガンスを最高レベルで組み合わせています」と語った。そして「この車が製造されることを発表できることは、夢のようです。世界中で非常に好意的な反応をいただき、プロジェクトに取り組んだ情熱的なチームに感謝します。」と付け加えている。
コンセプトスカイトップは、既存のBMW「 8シリーズ」をベースに、タルガのようなセミオープンコックピットを装備、特注のボディで再構築されている。
パワートレインは、BMWの最も強力なV8、つまりM8コンペティションなどのフラッグシップMモデルに搭載されているのと同じ、4.4リットルツインターボエンジンで、最高出力625psを発揮、8速ステップトロニックトランスミッションとxDrive全輪駆動により、0から100 km/h(62 mph)まで3.3秒で加速する。
性能も凄いが、スカイトップを本当に際立たせているのはデザインかも知れない。「Z8」と「503」クーペの要素を融合させて、レトロとモダンの両方を兼ね備えたものを作り上げ、ベースの8シリーズよりはるかに完成させている。
フロントエンドでは、シャークノーズに、量産車の中でも最も薄いカスタムデザインの LED ライトを配置しているほか、流れるようなリアも特徴的だ。側面では、ドアハンドルがなく、コンパクトなウィングレットに置き換えられている。
キャビン内では、高級素材をふんだんに採用、8 シリーズのダッシュボードレイアウトと技術パッケージを踏襲しているほか、ヘッドアップディスプレイを備えている。「Bowers & Wilkins」のサウンドシステムは、ボンネットの下のV8エンジンと同じくらい迫力あるサウンドを奏でるはずだ。
前述の通り、スカイトップは50台すべてが完売しており、中古市場で法外なプレミアムを支払う覚悟がない限り、手の届かない自動車芸術品1つに過ぎなく、写真で楽しむことになりそうだ。