初代レンジローバースポーツはポルシェ「カイエン」の成功に刺激を受け、2005年にデビューした。現行型となる第3世代は2022年に登場しているが、フルモデルチェンジを待たずしてフルエレクトリックバージョンが導入される。2025年登場予定のレンジローバーエレクトリックに続いて2台目のフルEVレンジローバーモデルとなるのだ。
現行型では、同社の完全新設計された「MLA-Flex」プラットフォームを採用。この柔軟なアーキテクチャにより、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドのパワートレインだけでなく、オール電動も可能になる。
プロトタイプを見ると、排気管の代わりにカバーが取り付けられているほか、通常バージョンとは異なるパターンのラジエーターグリルが確認できる。また、レンジローバーエレクトリック同様に、充電ポートは従来の燃料フィラーキャップの後ろに配置されると予想されている。
足回りでは、22インチアルミホイールを履いているのがわかる。
さらに、車内にはロールケージが配置されており、過酷な高速テストが行われていることを示している。
MLAプラットフォームは、電気パワートレインを念頭に設計されており、新しいバッテリーパックがキャビンスペースを侵害することはないと予想されている。レンジローバーエレクトリックや、このスポーツモデルのバッテリーの詳細はまだ明らかにされていないが、800V充電ハードウェアは、英国で拡大中の350kW超急速充電ポイントネットワークを活用できるはずだ。
レンジローバーは、フルエレクトリックモデルの潜在的な航続距離についてはまだ明らかにしていないが、比較的大きなバッテリーが搭載されると予想されている。ただし、大型SUVながら抗力係数(CD値)が0.29ではあるが、おそらく車両重量が大きいことを考えると、驚異的な数字を期待するのは酷だろう。
しかし、パフォーマンスでは、エレクトリックモデルがエンジン車の直線性能に匹敵する可能性があるという。それが事実なら、3.8秒で0から100km/hまで加速でき、アストンマーティン「DB12」とほぼ同じ数値となる。レンジローバーがBMWの電気モーターを採用するかどうかは不明だが、2019年に両社は電動駆動ユニットの共同開発に合意していることからも可能性はありそうだ。また、レンジローバー本来のオフロード伝統を念頭に置けば、スポーツエレクトリックに全輪駆動を提供するデュアルモーターが搭載されるのは当然と考えていいだろう。
レンジローバースポーツエレクトリックのワールドプレミアは2025年内で、市場ではポルシェ「カイエンEV」が最大のライバルことは間違いない。