理由はまさかの「デザインルール変更」…三菱、パジェロスポーツを含むオーストラリアでの SUV 好調3車種の販売を中止へ!

三菱 エクリプスクロス
三菱は、オーストラリアでのラインナップを大幅に刷新し、ASX、エクリプス クロス、パジェロスポーツを廃止する。

いったい、何の「ルール変更」が起きたのか?

三菱 ASX ルノー キャプチャー

老朽化したASX、エクリプスクロス(ICEとPHEVの両方)、およびパジェロスポーツは、「デザインルール変更」のため、生産中止となる。これにより、三菱オーストラリアには「アウトランダー」と、トライトンピックアップのみが残ることになるが、ルノーベースの新型ASXが今年後半にラインナップに加わる予定となっている。

三菱パジェロスポーツ

3台のSUVが生産中止となる理由は、2025年3月1日から施行されるオーストラリアデザインルール(ADR)の改定によるものだ。三菱オーストラリアの社長兼CEOであるショーン・ウェストコット氏によると、3台のSUVを再設計するために必要な投資は、モデルの古さを考えると「商業的に実現可能ではなかった」という決断が下された。

この3台の販売実績は好調で、「CarsGuide」の調べでは、この3台で、2024年の三菱オーストラリアの売り上げの3分の1以上を占めており、業界標準からすると実質的に古いモデルとしては悪くないゆえに、なんとも皮肉な結果と言えそうだ。

しかし、ASXは2010年から販売が続けられており、オーストラリア市場で最も古いモデルの1つとなっている。確かに、ASXは過去15年間で3回のフェイスリフトが行われているが、新しい競合車と比べると古さが目立っているのは事実だろう。

パジェロスポーツの現行モデルも2015年に発売されて以来、終焉の時を迎えている。このラダーフレームSUVは2019年と2024年にモデルチェンジされたが、今後数年間で新世代モデルがデビューすると予想されている。同様に、2017年に初めて登場し、2020年に刷新されたエクリプスクロスも、ライフサイクルの終わりに近づいていることが背景にありそうだ。

やはり期待は第2世代のASXが2025年後半にオーストラリアに導入されることだろう。すでに欧州で販売されている新型ASXは、本質的には最近モデルチェンジしたルノー・キャプチャーの三菱バージョンとなる。同社はオーストラリア版についてはまだ詳細を明らかにしていないが、この新モデルはラインナップに活気を与えるはずだ。

エクリプスクロスとパジェロスポーツの代替候補として、三菱は具体的な詳細を明らかにしていないが、次世代のパジェロスポーツは最新のトライトンプラットフォームを使用して開発中であることはわかっている。

さらに、同社2030計画には、BEV、PHEV、ハイブリッド、ICEパワートレインを使用して、「2030年までにオーストラリアに数台の新型車または大幅に改良された車両を導入する」ことが発表されている。その1つは、改良されたPHEVセットアップを特徴とし、2025年にオーストラリア市場に投入されるフェイスリフトされたアウトランダーだ。

大きな転換期を迎えるオーストラリア市場のSUVだが、良い意味で日本市場への影響もあるかも知れない。

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著者プロフィール

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1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…