ホットロッドからマッスルカーまでアメ車カスタムや国産旧車が160台!『24th HOT ROD RAZZLE DAZZLE』で見つけた気になるクルマ

MOONEYESスタッフによるカークラブ「CHOP STICKS CAR CLUB」が主催する『24th HOT ROD RAZZLE DAZZLE』が、2025年2月9日に本牧山頂公園で開催された。公共駐車場を会場としたまっとりとしたカーミーティングだったが、集まってきたHOTRODやCUSTOMマシンは超ハイレベル。今回は『HOT ROD RAZZLE DAZZLE』の様子をリポートする。
REPORT&PHOTO:山崎 龍(YAMAZAKI Ryu)

まったりと楽しめるHOTROD&CUSTOMのミーティング

2025年2月9日、「MOONEYES Area-1」からほど近い本牧山頂公園駐車場を会場に、MOONEYESスタッフによるカークラブ「CHOP STICKS CAR CLUB」が主催する『24th HOT ROD RAZZLE DAZZLE』が開催された。

これは1969年までに製造されたアメリカ車と1979年までの日本車によるHOTROD&CUSTOMを対象にしたミーティングだ。会場は公共駐車場ということで、エントリーが無料で駐車料金以外は参加も見学もお金がかからない。

その代わり会場内には物販ブースもケータリングサービスも一切なし。会場からMOONEYES Area-1までは徒歩10分という距離という好立地ということもあり、買い物や食事はそちらをどうぞということなのだろう。

そこまで歩くのも億劫という人には、目の前のイスパニア通り沿いに美味しいコーヒーが飲める喫茶店『焙煎工房フィガロ』(タバコを嗜む人には嬉しいことに喫煙室の用意もある)があるし、コンビニもすぐ近くにあるので飲食をする場合はそちらを利用すると良いだろう。

オーナーとの距離が近くファン同士交流を深められる

集まったマシンはやはり1930~40年代のSTREETROD(ストリートロッド)、1950~1960年代のSHOEBOX(シューボックス)、1960年代中盤以降のMUSCLE CAR(マッスルカー)、そして国産旧車、空冷VWとさまざまだ。

また、厳密に言えばレギュレーション外となる1973年型シボレー・モンテカルロのようなクルマも参加している。ファンミーティングとしての性格が強いイベントなので、細かいことを言わないエントリーの間口の広いおおらかなイベントなのだ。

TLC Classicが会場に持ち込んだ1973年型シボレー ・モンテカルロ。アメリカ本国で良質な車両を見つけて輸入したらしい。
1973年型シボレー ・モンテカルロのインテリア。改造された後もなくオリジナルの状態を保っていて、なおかつキレイ。
1973年型シボレー ・モンテカルロのリヤビュー。LOWRIDER(ローライダー)のベースに用いられることも多い車種だが、できれば次のオーナーにはオリジナルの状態をキープして乗ってほしい。

とは言うものの、エントリーしたマシンのレベルは相当なもの。ビッグイベントでアワードを受賞したマシンもちらほらと散見される。そんなHOTRODやCUSTOM CARもさりげなく他のエントリー車に混じって並んでいる。

1932年型フォード・ロードスター。カウルフードにはピンストでクライスラー製383cu-inV8を積むことを謳っている。やはりアメ車のイベントにDEUCEは欠かせない。

また、ナッシュ・メトロポリタンやプリマス・ヴァリアント、マーキュリー・コメットのような日頃なかなかお目にかからない珍しいクルマの姿もあった。けっして広い会場ではないのでオーナーを見つけるのも容易で、マシンについてあれこれと話を聞け、CAR GUY同士交流を深められるのもこのイベントの良いところだ。

『CUSTOM HILL』や『HOTROD&CUSTOM SHOW』『アメフェス』などのアメ車関連のイベントでは常連の1948年型フォード・クーペ。ボディワークにこだわったBOMB(ボム)スタイルの美しいマシンだ。

イベントの開催は10~14時まで。会場への出入りは自由なので、早朝に会場に来て早めに帰る人、お昼くらいに来て閉会までのんびりとイベントを満喫する人など楽しみ方は人ぞれぞれだ。今回の参加台数は166台。まったりとHOTRODやCUSTOMの世界を楽しめるイベントなので、興味のある人は次回会場をぜひ訪れてみてほしい。

エントリーしたHOTRODやCUSTOMを一気に紹介!

■1970年型イェンコ・DEUCEノヴァクーペ350SC

ペンシルバニア州キャノンズバーグにあったシボレー・ディーラーのイェンコがカスタムした1970年型イェンコ・DEUCEノヴァクーペ350SC。元レーサーでマッスルカーチューンのスペシャリストだったドン・イェンコの手によりZ-28カマロとLT1コルベットに搭載されていたシボレー350cu-inV8を搭載する。
1970年型イェンコ・DEUCEノヴァのリヤビュー。心臓部の強化に合わせてトランスミッションやサスペンション、リヤアクスルの大幅なアップグレードに加え、派手なストライプやバッジ、内装デカールの装備が特徴となる。
1970年型イェンコ・DEUCEノヴァのフロントフェンダーには社名のNOVAのほかYENCOのバッジが備わる。

■ビュイック・スーパー2ドアクーペ

1947年型もしくは1948年型ビュイック・スーパー2ドアクーペ 。ビュイックの特徴となる縦格子グリルは取り外され、他車種のグリルを装着している。
ビュイック・スーパー2ドアクーペのリヤビュー。ボディパネルは切った貼ったの仕上げ途中の状態。初期LOWRIDERのBOMB STYLEへとカスタムされるのだろう。
ビュイック・スーパー2ドアクーペのトランク周りのアップ。ルーフをチョップする場合、このように細かくパネルを切り出してボディラインを調子して行く。
カスタムされたエクステリアとは異なり、ほぼストックの状態にあるビュイック・スーパー2ドアクーペのインテリア。

■1958年型リンカーン・コンチネンタルMK.III 2ドアコンバーチブル

1958年型リンカーン・コンチネンタルMK.III 2ドアコンバーチブル。ヨーロピアンルックのマークIIから一転し、押し出し感のあるマスクにスクェアなスタイリングが与えられた。
1958年型リンカーン・コンチネンタルMK.IIIのフロントマスク。「チャイニーズ・アイ」と呼ばれるツリ目のヘッドランプは、ロールス・ロイス・シルバークラウドIIIが有名だが、採用はリンカーンの方が7年ほど早い。
1958年型リンカーン・コンチネンタルMK.IIIのリヤビュー。全長5817mm×全幅2035mmの巨体は圧巻のひと言。ライバルだったキャデラックに比べるとテールフィンは小さめだ。

■1965年型フォード・ファルコン・ヴァリアント

ウッドトリムが美しい1965年型フォード・ファルコン・ヴァリアント。
1965年型フォード・ファルコン・ヴァリアントのリヤビュー。現在ではすっかり廃れたもののウッディワゴンはアメリカ車を対象としたカーイベントではなくてはならない存在だ。

■1955年型ナッシュ・ランブラーワゴン

1955年型ナッシュ・ランブラーワゴン。アメリカンカスタムの世界では有名なTHE NASH.さんの愛車。1993年にこのクルマを手に入れてから随時カスタムの手を入れ、現在の仕様となった。
1955年型ナッシュ・ランブラーワゴンのリヤビュー。ブラックのボディに真紅のFLAMESが映える。

■Others

第二次世界大戦後初のシボレーの軽・中型シリーズとなったアドバンスシリーズのうち、もっとも小さな1/2t積みの1948年型シボレーC3100
1963年型フォード・ランチェロ。コンパクトカーのファルコンをベースにしたピックアップトラックだ。
日本国内ではなかなかお目にかかれない1963年型マーキュリー・コメット。クロームメッキのホイールにホワイトリボンタイヤの組み合わせがよく似合っている。CHOP STICKS CAR CLUBのメンバーの愛車とのこと。
1963年型プリマス・ヴァリアント。プリマスブランドのボトムを支えるコンパクトカーで、ヴァリアントとしては2世代目の初年度モデルとなる。なお273cu-in(4.5L)V8がオプション設定されるのは翌1964年から。1963年は170cu-in (2.8L)と225cu-i(3.7L)nの直6エンジンを搭載していた。
1965年型フォード・サンダーバード 。1964~1966年にかけて生産されたサンダーバードとしては4世代目に当たり、フラットデッキスタイルのフォーマルなスタイリングから「フレアバーズ」の愛称を持つ。
1966年型フォード・マスタング。第1世代マスタングの初期型で、この車両はもっともポピュラーな2ドアアードトップ。コンディションは良好で内外装とも非常に美しい。
1969年型シボレー・カマロ。第1世代カマロとしては最終型に当たり、ボディパネルを一新してよりグラマラスかつスポーティなルックスとなった。マッスルカーを象徴する1台として現在でも人気が高い。
2024年12月の『32nd YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW』でライドオンした1972年型シボレー ・ヴェガワゴン”Sprightly Fairy”。MOONEYESイメージガールのemiちゃんがドラッグレースに使用するマシンだ。
『32nd YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW』での同車のレポートはこちら。
フォード・モデルA 2ドアセダンのRATROD。チャネリングやセクショニングなどのボディワークを駆使して限界まで車高を低く、COOLなマシンに仕上げている。
日産ブルーバード(510型)。1967年に誕生したブルーバードの3代目で、新開発のL型直列4気筒エンジン、四輪独立懸架などの革新的なメカニズムでサファリラリーでの優勝(1970年)のほか、ピート・ブロック率いるBREによりSCCAプロダクションCクラスに参戦。モータースポーツで華々しい活躍を見せた。
左ハンドルの日産フェアレディZ(S30型)を内外装はストックの状態のままエンジンをL型からシボレー製V8に換装したマシン。

キーワードで検索する

著者プロフィール

山崎 龍 近影

山崎 龍

フリーライター。1973年東京生まれ。自動車雑誌編集者を経てフリーに。クルマやバイクが一応の専門だが、…