第4世代EVではICEは設定されず、電気のみ発売
ポルシェは、現在開発中の電動クロスオーバーSUV「カイエンEV」及び「カイエンクーペEV」を2025年に発売することを正式発表、その最新プロトタイプを独占撮影した。
第3世代となる現行型カイエンは2018年に登場、翌2019年にはカイエンクーペが導入された。第4世代では両モデルとも完全電動化されることが決定、発売までに「数百万キロメートルのテスト走行」を行っている。
また、オクタン価とエンジン音、ワット数と排出ガスのない、バッテリー駆動のカイエンEV は、ガソリン駆動のモデルと似たもの以上のものになると予想されている。

最新プロトタイプは、以前の電気マカンと同じ形状のライトシグネチャーを備えている。しかし、カイエンクーペEVは、より筋肉質なプロポーションと、より傾斜したリアにより際立っている。
第4世代EVでは、ICEは設定されず、電気のみで動くことになる。量産型ではフォルクスワーゲングループの「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック」(PPE)アーキテクチャを採用する。このプラットフォームは、電気自動車マカンのほか、アウディのQ6 e-Tron、そして近日発売予定のA6 e-Tronの基盤となるものでもある。

ポルシェによれば、PPEプラットフォームは新型カイエンEVのために「さらに全面的に開発」される予定だ。急速充電用の800ボルトアーキテクチャはそのまま残るが、アップグレードにより、現在このプラットフォームで発売されている車よりもバッテリー容量や性能が向上する可能性がある。
マカンEVの場合、プラットフォームには100kwh(使用可能95kwh)のバッテリーパックと、各車軸を駆動するモーターが搭載されている。合計出力は現在、ターボモデルで630psに達しているが、カイエンEVシリーズでは、さらに高い出力が期待できる。
マカンEVと差別化するために、4モーターパワートレインを搭載する可能性があるという。実現すれば、合計出力は1,000以上期待できるだけでなく、より高速で正確なトルクベクタリング制御も提供される。
一方、ガソリンエンジン搭載モデルは、現行の3代目カイエンで生き続ける。同社は、ICEモデルは「さらにアップグレードされ、第4世代の全電気自動車と並行して提供され続ける」と発表し、V8の改良版を含むパワートレインの選択肢を提供、「広範囲にわたる技術的対策により、ツインターボエンジンは将来の法的要件に準拠できるようになります」と発表した。また、プラグインハイブリッドバージョンの提供も継続される。
EV販売の鈍化と、特定の市場での排出ガス規制の若干の緩和により、一部メーカーでは若干の見直しを迫られている。アウディはすでに当初の計画よりも長期間、内燃機関車を販売する計画を立てているが、ポルシェも同様の措置が取られる。
ポルシェCEOのオリバー・ブルーメ氏はその点について、「当社の製品戦略により、顧客の需要と世界各地での電気自動車の発展次第では、2030年には新車の80%以上を完全電動化することが可能になるだろう。」との考えを示している。
第4世代の完全電気カイエンシリーズは、2025年に発売。新型マカンとカイエンのこの新たな戦略に加え、現在コードネーム「K1」と呼ばれる新しいフラッグシップSUVも2027年に発売することがわかっている。




















