トミカ × リアルカー オールカタログ / No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック

あの“物流の主役”が登場! 西濃運輸カンガルー便のトラックが『トミカ』に降臨!

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ? / トミカ × リアルカー オールカタログ / No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック

No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック(希望小売価格594円・税込)
No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック

それまでの『No.106 ホンダ CT125・ハンターカブ』に替わり、2025年5月の第3土曜日に『トミカ』に登場したのが『No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック』です。

西濃運輸 カンガルー便トラック ハイブリッド車(『トミカ』のモデル車とは仕様が異なります) (PHOTO:日野自動車)

西濃運輸株式会社は、日本を代表する総合物流企業のひとつであり、特に企業間物流に強みを持つ老舗の運送会社です。創業は1930年のことで、戦後の経済成長期を通じて全国規模の物流ネットワークを築き上げ、国内物流の基盤を支える存在に成長。現在では、セイノーホールディングス株式会社の中核企業としてグループをけん引しており、日本全国はもとより海外との連携も視野に入れた事業展開を行なっています。

西濃運輸の事業内容は、貨物自動車運送業を中心に、倉庫業や通関業、さらには国際物流事業など多岐にわたりますが、主力となるのは混載貨物輸送で、複数の荷主の貨物を効率よく集約し、トラック便によって全国各地へ配送する仕組みを長年にわたって構築してきました。こうしたネットワークは地域密着型の営業所網と中継センターによって支えられており、高い輸送頻度と安定したサービスを実現しています。同社の代表的なサービスとして一般にも広く知られているのが『カンガルー便』で、トラックに描かれたカンガルーのロゴマークとともに親しまれており、着日・時間帯指定や代金引換など、さまざまなオプションを組み合わせた運送サービスを展開しています。

日野プロフィア 実車フロントビュー(FR1AWHG-GRABAAB型)(『トミカ』のモデル車両とはかなrずしも一致しません)(PHOTO:日野自動車)
日野プロフィア 実車リヤビュー(FR1AWHG-GRABAAB型)(『トミカ』のモデル車両とはかなrずしも一致しません)(PHOTO:日野自動車)

『No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック』は、この西濃運輸のカンガルー便のトラックをモチーフにしたもので、車両そのものは2017年に登場した日野自動車の大型トラック、プロフィアの3代目モデルを再現しています

日野自動車のプロフィアは、国内外の物流を支えるフラッグシップモデルとして、長い歴史を持つ車種です。初代モデルは1992年に登場し、それまでの日野スーパードルフィン・シリーズの後継として開発されました。その後、2003年には2代目が登場、より高い快適性、環境性能、走行性能が追求されました。そして2017年に登場した現行の3代目モデルは、安全性・経済性・快適性といった全方位的な性能向上を実現し、日野の技術の粋を集めたモデルとして刷新されています。

運転者の疲労軽減をテーマに考えられたプロフィアのコクピット。(PHOTO:日野自動車)

3代目プロフィアは、日野が開発した大型トラックとして初めて、先進の電子制御技術や空力性能を本格的に導入したモデルであり、物流現場の効率化と運転者の疲労軽減に重点を置いています。キャブ(運転室)の設計は全面的に見直され、流麗でありながら重厚感のある造形が施され、ブランドの信頼性を視覚的にも強く印象づけています。フロントには大きく張り出したバンパーと存在感のあるグリルが配置され、LEDヘッドランプを組み込んだライト周りのデザインは、先進性と視認性の両立が図られています。

車体外部では、キャブ全体が空気抵抗を最小限に抑えるように設計されており、サイドの整流カバーやルーフディフレクターなどによって空力性能が大幅に向上しています。これにより燃費向上にも寄与しています。車体の剛性は確保しつつ軽量化が図られ、積載効率も高められています。

視認性に優れたインパネなど、作業環境の快適性が高められている。(PHOTO:日野自動車)

内装に目を向けると、ドライバーの作業環境の快適性が格段に向上している点が特徴です。インパネは視認性に優れたレイアウトで、液晶メーターと情報ディスプレイが統合されており、必要な情報を一目で把握できる構造となっています。シートは長距離運転に耐えうる設計で、サスペンション機構や多彩な調整機能により体への負担を軽減します。また、運転席と寝台部の空間配置が見直され、休憩時の快適性も追求されています。

A09C型エンジン(PHOTO:日野自動車)

エンジンには、日野が開発したA09C型(8.9L 直列6気筒)やE13C型(12.9L 直列6気筒)ディーゼルエンジンが搭載されており、出力やトルクのバリエーションによって用途に応じた最適な構成が可能です。これらのエンジンは高出力と燃費性能を両立しており、排出ガス後処理装置、尿素SCRやDPFとの組み合わせにより、ポスト新長期規制に適合する優れた環境性能を実現しています。加えて、トランスミッションにはAMT(自動変速機)であるProShif(プロシフト)が採用されており、変速ショックの少ない滑らかな走行と燃費の最適化が図られています。

プロフィアには複数の先進運転支援システムが標準またはオプションで搭載されている。(PHOTO:日野自動車)

安全装備においても、3代目プロフィアは日野として初めて複数の先進運転支援システムを標準またはオプションで搭載しています。ミリ波レーダーとカメラを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報装置、車両安定制御システム、車間距離制御クルーズなどが採用されており、ドライバーの操作を支援するとともに、事故の未然防止に大きく貢献します。また、ドライバーの異常を検知するドライバー異常時対応システムも備えられ、万が一の事態にも対応可能な備えがなされています。3代目日野プロフィアは、過酷な輸送現場で求められる信頼性・経済性・安全性を高次元で実現した最新鋭の大型トラックであり、日本の物流を支える屋台骨として、確かな存在感を放っています。

日野プロフィアにはハイブリッド車のほか燃料電池車などの環境対応車のファミリーがいる。西濃運輸はそれらの実証実験に積極的に参加している企業としても知られている。(PHOTO:日野自動車)

『No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック』は先述のように、この3代目プロフィアを用いた西濃運輸のカンガルー便トラックを再現したもので、プロフィアのカーゴの6輪車FR 6×2のフルキャブ&ハイルーフ車、おそらく25トンのFR1AHCあたりをモデル化しているようです。実車の特徴を『トミカ』スタイルで、なかなかよく捉えて再現していると言えます。あなたのコレクションにもぜひ1台、加えられてみてはいかがでしょう?

■日野自動車 日野プロフィア カーゴ 6×2 [25トン/フルキャブ/ハイルーフ(FR1AHC/ FR1AWHG-GRABAAB)]主要諸元

全長×全幅×全高(mm):12000×2490×3700

ホイールベース(mm):7050

トレッド(前/後・mm) :2055/1820

車両重量(kg):8890

エンジン:A09C-VA<AT-X>型 直列6気筒ターボインタークーラー

排気量(cc):8866

最高出力: 279kW(380ps)/1700rpm

最大トルク:1765Nm(180kgm)/1100-1400rpm

トランスミッション: AMT(Pro Shift 12)

サスペンション(前/後):リーフ/エア

ブレーキ(前/後) :空気式リーディングトレーリング

タイヤ:(前/後) 275/80R22.5

■毎月第3土曜日はトミカの日!

No.115 トヨタ センチュリー(サスペンション可動/希望小売価格594円・税込)

毎月第3土曜日は新しいトミカの発売日です。2025年5月の第3土曜日には、上でお伝えしているように、それまでの『No.106 ホンダ CT125・ハンターカブ』に代わって『No.106 西濃運輸 カンガルー便トラック』が登場します。また、それまでの『No.115 ホンダ FU655 ラッキー』に代わって『No.115 トヨタ センチュリー』が登場します。なお、『No.115 トヨタ センチュリー』には初回のみの特別仕様(特別色)もあります。

No.115 トヨタ センチュリー(初回特別仕様)(サスペンション可動/希望小売価格594円・税込)*初回のみの特別仕様(特別色)です。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部