新型ポルシェ「718ケイマンEV」、ミッドシップが決定! タイカンよりもはるかに低いドライビングポジションを実現

ポルシェ 718ケイマン EV スパイショット
ポルシェが現在開発終盤と見られる、エントリーモデル「718ケイマンEV」市販型の最新情報が入ってきた。

「ミッションR」コンセプトと同様のミッドマウント・スタック型バッテリー配置を採用か

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ポルシェは、718ボクスターとケイマンの後継となる次期完全電気自動車(EV)に、独自の積層型ミッドマウントバッテリー構造を採用すると発表した。これにより、低い2シーターシートのような効果を再現しながら、航続距離を最大化し、重量を最小限に抑えることができるのだ。

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ポルシェの安全システム責任者であるサイモン・マウラー博士は、Auto Express誌の取材に対し、「私たちが電気スポーツカーを開発していることは周知の事実です。そのため、床下にバッテリーを配置することは不可能です。重心の問題だけでなく、寸法の問題もあります」と述べたと報道されている。

これを踏まえ、クーペ・ケイマンとソフトトップ・ボクスターで提供される電気自動車718シリーズは、2021年モデルの「ミッションR」コンセプトと同様のミッドマウント・スタック型バッテリー配置を採用することになるだろう。これにより、ポルシェのEVスポーツカーは従来の内燃機関(ICE)スポーツモデルと同様の重量配分となり、タイカンよりもはるかに低いドライビングポジションを実現できるという。

独自のバッテリー構成を試みるのはポルシェが初めてではない。例えば、マセラティ「グランツーリスモ・フォルゴーレ」は、ドライバーとパッセンジャーが両側に座れるようセルを「T」字型に配置している。このレイアウトは、将来発売が期待される、マツダ「ロードスター」EVにも採用されると予想されている。

ポルシェのエネルギーシステム担当副社長のハイコ・マイヤー氏は、前述Auto Express誌に対し、ポルシェ初の電気自動車におけるもうひとつの焦点はバッテリー寿命の向上だと語ったといい、718のバッテリーは重量を最小限に抑えるため、「マカンやタイカンよりも小型」になると発言している。シュトゥットガルトに拠点を置くポルシェのEVパワートレイン専門家、オットマー・ビッチェ氏は、このシステムは高エネルギー密度に重点を置くと説明、「スポーツカーのセルの相対的な出力能力はマカンのセルよりも高く、おそらくタイカンと同程度になるだろう」と述べているようだ。

このことから、ミッションRの82kWhユニットと同等の容量を持つバッテリーを搭載しつつ、マカンの床下パックよりもはるかに小型になると予想される。ポルシェは公式の航続距離を300マイル(約482km)以上とすることを目標としており、近い将来、将来のEVはすべて800ボルト技術を採用、超高速充電を可能にするとしている。

ポルシェは、バッテリーシステムの寿命は15年、走行距離は最大30万km(18万6000マイル)と見積もっている。マイヤー氏は、「お客様は(スポーツカー)製品を1、2年だけ所有するのではなく、7年、8年、あるいは9年も所有する傾向があります」と述べている。

ポルシェの開発者たちは、性能向上のために動作温度を高め、お客様が頻繁にハードな運転をすると予想されるにもかかわらず、新型718は従来のEVバッテリーよりも長寿命になると予想しているようだ。

718 EVの心臓部には、最先端の電動パワートレインが搭載される予定でだ。具体的な詳細はまだ明らかにされていないが、デュアルモーターでは、0~100 km/h(0~60 mph)を3秒以内で加速できるようになり、市場最速のスポーツカーに匹敵することになる。ただし、ケイマンGT3 eパフォーマンス後継モデルのように、1000psを超えるような出力は持たないと思われる。

楽しみなエクステリアデザインだが、718EVシリーズには、タイカンや最新のポルシェ911に見られるクアッドドットヘッドライトや、ストライクドフロントバンパー(アクティブエアロパーツの搭載も検討)といった要素を取り入れ、基本的に現行モデルの現代化バージョンのような外観になると予想される。

また、リヤセクションでは、全幅LEDストリップライトが採用され、新型マカンと同様に、全面発光の「PORSCHE」ロゴが採用される可能性があるだろう。もちろん、排気管は装備されず、オプションのポルシェ・スポーツサウンドジェネレーターが唯一の走行サウンドとなるはずだ。

キャビン内では、高級感、スポーティさ、最先端のテクノロジーが融合したデザインが期待できる。キャビンは高品質の素材、人間工学に基づいたデザイン、ドライバー重視のレイアウトが特徴となる見込みだ。また、大型のインフォテインメントディスプレイを備えたデジタルコックピットでは、さまざまな接続機能、ナビゲーション、パフォーマンスデータにアクセスできる。

718EVシリーズのワールドプレミアだが、最速で2025年内と予想されているが、遅れれば2026年になることも想定される。

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著者プロフィール

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1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…