エアロキットとして販売予定。S130オーナーは期待して待て!
1970年代のツーリングカーレースでは、ワークスによる派手なスタイルとされたスカイラインやフェアレディZ、サバンナなどが大活躍した。ワークスカーを尊重するカスタムもまた大流行したもので、当時はマル改なんて言葉が知られていない時代ながら血気盛んな若者にとり憧れのスタイルだった。
スタイルの基本はワイドタイヤをクリアするために装着されたオーバーフェンダーと、空力性能向上のためボディ前後に取り付けられた大型スポイラー。このスタイルを現代流に甦らせて世界的な人気を獲得しているのがロケットバニーだ。東京オートサロン2022の会場にはTRA KYOTOのブースでロケットバニーの新作が発表された。
新作のエアロパーツキットを装着していた中で注目したいのは2代目フェアレディZであるS130。S130に初代S30時代に存在した240ZGのようなロングノーズスタイルを採り入れたスタイルが提案されたのだ。もちろん前後のビス留めオーバーフェンダーや巨大なスポイラーを装備するのは言うまでもない。
スタイルのテーマとされた240ZGはエアロダイナノーズ、俗称Gノーズと呼ばれるフロントスタイルを備えていた。ヘッドライトカウルを延長してボンネットの先にもパネルを追加、さらにバンパーやスカート部を新たにデザインしたパーツにより構成したもので、今も昔のS30フェアレディZの代表的スタイル。だが、今やショートノーズで普通のS30ですら中古車価格が暴騰して、手軽なカスタムベースと呼べる存在ではなくなった。そこで白羽の矢が立ったのが2代目のS130だったというわけだ。
一見しただけだとまとまりあるスタイルなので気づきにくいが、フロントはバンパーやスカート部分だけでなくヘッドライトカウルまで新設計されたもの。240ZGとS130ではライトカウルの長さが違うため、純正のライトカウルに合わせてバンパーなどをデザインすると全体が破綻してしまうそうだ。
さらに前後のオーバーフェンダーはサイドシルや前後スカートと同時装着することで一体感あるデザインを生み出している。このデザインを実現するため、一見すると純正に見えるリヤバンパーも新たにデザインした別物なのだとか。
これらのエアロはキットとして販売する予定ということだから、S130オーナーには魅力的な商品になることだろう。まだS30ほど中古車価格が高騰していないS130だから、今なら旧車入門車として狙い目とも言えるのだ。