その中でも目を引くのはなんと言っても「16式機動戦闘車」(略称:MCV)だろう。主砲である105mmライフル砲に加え、12.7mm重機関銃と7.62mm車載機関銃も武装できる砲台は、実車を目の当たりにするとやはり迫力満点だった。
だがその足元にもぜひ注目してほしい。履帯(キャタピラ)ではなく8輪のコンバットタイヤを備えているうえ、サスペンションは8輪ともダブルウィッシュボーン式。
車体前方左側には570psを2100rpmで発する4気筒ディーゼルエンジンを搭載しており、最高速度は約100km/hに達するというから、車重約26t、全長×全幅×全高=約8.5×3.0×2.9mの巨体ながら機動力は高い。実際に今朝も、軽快な身のこなしで颯爽と富士スピードウェイへ入場していた。
武装を備える車両としてはもう一台、「87式偵察警戒車」(略称:RCV)が姿を見せている。こちらは25mmの機関砲を搭載し、7.62mm車載機関銃も装着可能だが、そのエンジンはなんと10気筒のディーゼル!
隊員の方に聞くと、「音が静かでボディサイズも小柄(全長×全幅×全高=約6.0×2.5×2.8m)なので16式機動戦闘車よりも偵察任務に適しているが、設計年次が旧いのもあり加速性能は低く、坂道を登るのが大変」と、両車の違いを簡潔明瞭に話してくれた。
他にも「96式装輪装甲車」や「軽装甲機動車」のほか、トヨタ・メガクルーザーとして市販もされた「高機動車」、2代目三菱パジェロのショートボディをベースとした「1/2tトラック」、さらには偵察用の「オートバイ」も展示されている。
これらの実車をぜひ、ご自身の目で確かめてほしい。展示場所はAパドック・P21だ!