目次
日産 セレナ新型モデルの概要
日産セレナは、同社のミニバンラインナップの主軸を担うスタンダードなモデル。2.0Lエンジンを基軸としたミドルサイズのミニバンにカテゴライズされる日産セレナだが、1991年の初代デビューから4回のフルモデルチェンジを果たし、最新モデルは2016年にデビューした5代目となる。
電動化の波が押し寄せる自動車業界だが、日産 セレナも2018年、最新モデルとなる5代目に同社が誇る「e-Power」をドライブトレインに追加。2.0Lガソリンエンジン+モーターのスマートシンプルハイブリッドと併せて2種類のドライブトレインが設定されている。価格帯は257万円~371万円前後となっており、AUTECHモデルが322万円~419万円前後となっている。
《スペック例》
車種 | 日産 セレナ |
---|---|
モデル・グレード | XV エアロ |
年式 | 2021年11月 |
全長×全幅×全高 | 4745×1740×1865mm |
ホイールベース | 2860mm |
車両重量 | 1710kg |
サスペンション形式 | 前:ストラット式 後:トーションビーム式 |
エンジン型式 | MR20DD |
総排気量 | 1997cc |
内径×行程 | 84.0mm×90.1mm |
圧縮比 | 12.5 |
最高出力 | 150ps(110kW)/6000rpm |
最大トルク | 20.4kg・m(200N・m)/4400rpm |
燃料供給装置 | ニッサンDi |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク容量 | 55L |
JC08モード燃費 | 15.4km/L |
新車価格 | 2,890,000円 |
中古車価格帯 | ー |
カタログページ | 日産 セレナ |
日産 セレナの外観・内装デザイン
日産 セレナは、大胆かつ精悍なスタイルに加え、ファミリー層を強く意識した親しみやすいデザインの2種類から外観のデザインを選ぶことが可能だ。では、内装デザインはどうだろうか。ここでは、外観と内装デザインをチェックしていくことにしよう。
ポイント
- 外観:ミニバンの王道スタイルを貫く
- 内装:独立シート採用で上質感を演出
外観:ミニバンの王道スタイルを貫く
日産 セレナは、ミニバンの王道となる箱型スタイルを採用。存在感と高級感を演出する大型フロントグリルを採用した「セレナ ハイウェイスター」に加え、先進性と親しみやすさを兼ね備えた標準モデルとなる「セレナ」と大きく分けて2つのエクステリアデザインが設定されている。なお、e-POWER搭載モデルには、ブルート差し色が入ったフロントグリルや専用エンブレムが備わる。
派生として、漆黒のフロントグリルや専用の16インチアルミホイールを採用した「セレナ アーバンクロム」、より上質でスポーティなデザインを身にまとったプレミアムスポーツブランド「AUTECH」もラインナップ。ミドルサイズの箱型ミニバンに美しさやスポーティさを求める人におすすめだ。
内装:独立シート採用で上質感を演出
日産 セレナの乗車定員は、e-POWERは7名、スマートシンプルハイブリッド車が8名となっている。どちらもセカンドシートが前後だけでなく横にもスライドできるのが大きな特徴でシートアレンジの幅が大きく広がる。
シート素材はグレードによって異なり、上位グレードとなるe-POWER ハイウェイスターGは手触りが良く、ラグジュアリー感を醸し出す合成皮革“プレミアムインテリア”を設定。その他グレードはジャガード織物もしくは織物とトリコット素材を使ったシートを設定。それぞれ、体を包み込むような形状となっているため、長時間乗車しても疲れにくい。
日産 セレナのサイズ・室内スペース
ミドルサイズのミニバンとしてはクラスNo.1のサイズを持つ日産 セレナ。同車のサイズ感をはじめ、と室内スペース、そして荷室を含む収納の性能について詳しく見てみよう。
ポイント
- ボディサイズ:クラストップの車高で存在感が溢れる
- 室内スペース:横に動く2列目シートで室内移動もラクラク
- 収納スペース:狭い場所でも開けるバックドアを採用
ボディサイズ:クラストップの車高で存在感が溢れる
日産 セレナのボディサイズは、標準モデルで全長4685×全幅1695×全高1865mm、ハイウェイスターで全長4770×全幅1740×全高1865mm。後者のハイウェイスターはミドルサイズのミニバンとしては最大級のサイズを持っており、存在感を放つだけでなく走行安定性にも寄与している。
また、ビックボディを持っていることもあり室内空間の広さもトップクラス。長さ3240×幅1545×高さ1400mmと高級ミニバン、大型ミニバンに肉薄するほど広い室内空間を実現しているのも日産 セレナの特徴だ。
室内スペース:横に動く2列目シートで室内移動もラクラク
7名乗りのe-POWER車のセカンドシートは、キャプテンシートとなっており、前後のみならず横スライド機構を採用。ウォークスルーで1列目から3列目まで移動することができるほか、セカンドシート同士を横付けすることでベンチのように使用することも可能だ。
特筆すべきは、シートの1列目にも2列目にもセットできる「スマートマルチセンターシート」を採用したスマートシンプルハイブリッド車だ。2列目にシートをセットすれば8名のフル乗車が行え、運転席と助手席の間にコンソールボックスのように収納すれば、セカンドシートをそれぞれ独立させることが可能。2列目と3列目間のウォークスルーができるようになるため、乗車人数や積載する荷物の量に合わせて自由度の高いシートアレンジが行える。
収納スペース:狭い場所でも開けるバックドアを採用
日産 セレナの荷室は、全高1.8mを超える1.2~2.0Lクラスのミニバンでもっとも広い。加えてサードシートは床面に収納するのではなく跳ね上げて収納するため、横幅こそ制限が設けられるものの、高さを活かした収納が可能だ。
また床や側面には荷物固定用のフックが備わっているため、自転車やバイクといった荷物をそのまま載せ、タイダウンベルトなどで固定することができるため、レジャーシーンなどでも重宝するだろう。
また、バックドアには、通常の半分のスペースで開けるハーフドアを標準設定。後ろにクルマが止まっている場合や壁からの距離が近くても開閉できるのも嬉しい。
日産 セレナの性能・燃費・装備
スマートシンプルハイブリッド車に加え、新たにe-POWER搭載車がラインナップに加わった日産 セレナ。日産独自の技術を惜しげもなく投入した日産 セレナの燃費性能や走行性能、装備・機能についても見ていこう。
ポイント
- 走行性能:ミニバン向けe-Powerでキビキビ走る
- 安全性能:全方位を見守り周囲の安全にも配慮
- 燃費性能:e-Powerなら重量級でも18.0㎞/L走る
- 装備・機能:ブレーキ回数を減らして疲労を軽減
走行性能:ミニバン向けe-Powerでキビキビ走る
日産 セレナは、同社初のe-Power搭載ミニバン。100%モータードライブといった特性に加え、ミニバン向けに高出力化するためのセッティングが行われているため、重量のあるミニバンでもトルクフルでキビキビとしたドライブが可能だ。
一方、スマートシンプルハイブリッド搭載モデルは、ECOモーターと呼ばれるモーターがエンジンに組み込まれる仕組みを持っている。加速のアシストを行なったりアイドリングストップ時の電装品を動かしたりするといった働きを行うことで省燃費化が図られている。
安全性能:全方位を見守り周囲の安全にも配慮
前方はもちろん後方や側方まで全方位を見守り、安全運転を支援してくれる「360°セーフティーアシスト」を全車標準搭載。衝突を回避してくれるインテリジェントエマージェンシーブレーキや踏み違いによる衝突防止アシスト、車線の逸脱防止などの機能によって、思わぬ事故を未然に防ぐことが可能だ。
また、高速道路での加減速やハンドル操作をアシストしてくれる先進のプロパイロットは、e-POWERとスマートシンプルハイブリッドに関係なくハイウェイスターに標準装備。XVグレードは、セットオプションで対応している。
燃費性能:e-Powerなら重量級でも18.0㎞/L走る
e-POWERを搭載した日産 セレナe-POWERの燃費性能は重量の大きなミニバンでありながらWTLCモードで18.0㎞/Lといった高い省燃費性能を実現。郊外モードなら、実に18.6㎞/L、JC08モードで26.0㎞/Lにも及んでいる。
一方、ガソリンエンジンを搭載するスマートシンプルハイブリッド搭載モデルはWTLCモードで13.2㎞/Lの走行が可能となっている。特段ずば抜けた省燃費性能とまでは言えないが、約1.7tといった車重を考えれば十分な燃費性能を持っていると言ってもいいだろう。
装備・機能:ブレーキ回数を減らして疲労を軽減
e-POWER搭載車に搭載される「e-Pedal Step」は、強い減速力を持たせることでワンペダル感覚の走行が行える機能。強い加速感が欲しいワインディングなどに適したSモード、市街地や渋滞路などに適したECOモードに設定すれば、ブレーキを踏む回数を減らせるため疲労を大きく軽減することが可能だ。
また、指先ひとつでパーキングブレーキが作動し、素早く解除できる「電動パーキングブレーキ」をハイウェイスターに標準設定。XVグレードもセットオプションで対応している。
日産 セレナおすすめポイント要約
日産 セレナは、ミドルサイズにカテゴライズされるミニバンの中でクラストップの広さを誇るモデル。加えて、最大8人乗りの乗車定員が設定されているため、ファミリー層はもちろん、大人数でレジャーを楽しみたいアクティブな層に最適と言えるだろう。
とはいえ、車体が大きく、そして重くなると気になるのが燃費性能だ。モーターのチカラだけで走行可能なe-POWERを搭載したモデルなら、重量級のミニバンだって18.0㎞/Lという高い省燃費性能でお財布にも優しく、どこまででも走っていく楽しみが味わえるだろう。
ミドルサイズのミニバンと言えば、一昔前までデザインは二の次といった具合に単なる箱型というイメージもあった。しかし、日産 セレナならスポーティで精悍なスタイルでこれまでミニバンに乗ることを敬遠してきた層にも受け入れられやすい。前後だけでなく左右にも動くセカンドシートといった新しい発想もミニバンの使い勝手をより向上させることに寄与。ドライバーの発想次第で使い方の方が大きく広がる。そんな楽しみと実用性を兼ね備えたミニバンと言えるだろう。