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放置された状態から自力チューンで復活
若い頃、夢中になってクルマやバイクを楽しんできた人は多いけれど、年齢を重ねて再び同じ趣味に戻る人は意外と少ない。年とともに趣味が変わったり生活環境が許さないという面もあるだろう。
今回紹介するキャロルオーナーは、若い頃にバイクを楽しんできた。住んでいる東京・八王子から近い大弛峠に通っていたといえば、バイク乗りなら理解してもらえるだろう。今でいうローリングを楽しんできた。その頃にできた仲間とは今でも親交があるし、その後はクルマも楽しむようになった。
結婚前に楽しんでいたのは四駆で、リフトアップして相模川を走ったりしていた。けれどトラブルが多く、また結婚することも重なりクルマやバイクの趣味から足を洗う。ところが子育てが終わり自分の時間を楽しめるようになると趣味を復活させたい。バイク仲間だった友人がキャロルを楽しんでいる姿に触発された。そこで選んだのが今回のキャロル。引っ張りタイヤが迫力のルックスだ。
キャロル・マメ知識
1962年に発売されたキャロルはマツダ軽乗用車の第二弾。初はR360クーペで空冷V型2気筒エンジンと小さなボディ。これに対してキャロルは水冷4気筒OHVアルミエンジンをリヤに搭載。RR駆動でR360より乗用車として洗練された。当初は2ドアセダンだけだったが63年に4ドアを追加。66年のマイナーチェンジでデザイン変更された後期型へ移行。後継車は2ストのシャンテになって車名が一時消滅することに
SUSPENSION
完全にフェンダー内へ隠れたフロントタイヤはバイク用。極太ホイールは鎌ヶ谷ワイドホイールで加工した
フェンダーに潜ったタイヤとツメの隙間は17mmしかない
同じ合わせホイールのリヤはさらに幅広の8.5Jで145タイヤだと引っ張っても足りないくらいワイド
リヤもタイヤが潜った。ステアリングは関係ないので間隔はさらに狭い
ENGINE
キャロルの歴史にヒントがあるスペシャルエンジンに換装。気合いの磨きとブラック仕上げで超クール
キャブとインテークはノーマルの角度を変えてエアクリ仕様に
仲間にワンオフしてもらったエキパイはゼファー400がベース
オーバーヒート対策で旧ミニ用ファンを加工して組んだラジエター
簡単ローダウンと鬼幅広の加工ホイール
仲間に相談して関西のキャロルキングを通して程度の良い後期型が見つかる。長らく納屋保管だったのでルーフ以外は新車時塗装のまま。だから塗装は変えずカスタム開始。
ローダウンはトーションバーなのでカンタン。限界まで下げてワイドタイヤにすると、ステアリング操作でタイヤが当たる。そこでフェンダー内を加工して処理。引っ張りタイヤは鎌ヶ谷ワイドホイールで加工した極太ホイールなので、おかしなサイズになった。
エンジンはこれまたヒミツのチューンド仕様。関西から入手したものを運び仲間のガレージで載せ替えた。エンジンがない状態で補機類を可能な限り外し、エンジンルーム内をブラックアウト。定番の熱対策に加えオルタ化やオイルフィルターブロックを増設。
エンジンや外装だけでなく内装もオーナーの気合とセンスが注入された。切れたり割れやすい内装材を自ら貼り直して仕上げた。
このキャロルは G-ワークス2022年7月号で紹介! この他、さまざまな国産旧車を掲載中!懐かしの車両に出会えるかもしれません。 キャブ車からターボ車まで、令和に残るクルマ改造雑誌 みんなの知りたい情報満載!G-ワークス