納車までわずか2週間! 自動車研究家の出来利弘がジムニーを選んだ理由【ジムニーオーナーレポート:その1】

契約から納車までわずか2週間! 自動車研究家の出来利弘はなぜジムニーを選んだのか。【ジムニーオーナーレポート:Vol.1】

自動車研究家で執筆活動を続ける出来利弘がマイカーとしてスズキ ジムニーXC(5MT)を購入した。33年前に同じく新車発売時にすぐに予約し、購入したユーノスロードスター以来の衝撃を受けたというジムニーの魅力を、オーナー目線でレポートする。第一回は「なぜジムニーを選んだのか」購入に至った経緯とどんな仕様を選択したのかに迫る。
REPORT:出来利弘(Toshihiro Deki)

スズキジムニーXC(5MT)を4年前に買った。私がジムニーを選んだ理由はたったひとつ、「ひと目惚れ」だ。新車発表前に予約し、発売後はすぐに納車されたため、仮予約から正式契約し、購入。そして納車までが2週間程度ととても早く、私が契約した神奈川県横浜市のディーラーでは一番だったようだ。おかげで街中を走れば「あ、ジムニーだ!」と声と共に人々から熱い視線を浴びるちょっとした恥ずかしさと不思議な優越感に浸りながら、ジムニーとの楽しい日々が始まった。

ジムニー購入に至った理由を更に掘り下げて考えれば機能に裏打ちされた中身があったこと、背景にある歴史と伝統、これからの時代に求められるクルマの未来を感じたこと。そしてクルマ本来の魅力を内包していること。もしかすると時代の革命児になるかもしれないと感じたことなど多数ある。これらをどうして一瞬にして直感し、行動し、即購入を決めたのかと、購入した後、実際にジムニーと生活してみて解ったことを良かったこと、悪かったことなど詳細レポートしていこう。

ジムニーに決めた理由

2018年6月、私はちょうど「大人の男が乗っても格好良い軽自動車がないか」と探していたところだった。軽自動車は街中をスイスイと走れて、小回りが効いて、狭い道でのすれ違いも楽だが、どうしても子供っぽいデザインや可愛らしいすぎるものが多かった。自動車は「自分が好きだから」というだけで購入するのも良いが、アパレル的要素もあるため、「人からどう見られるか」も購入条件として、とても重要だ。

そんなある日、信頼できる業界カメラマンから「出来さん、今度出る新型ジムニーはかなり格好いいですよ。インテリアも独立メーターでかなり凝っているし、実はオレも欲しい」との話を聞いたその夜、改めてwebで発表前のジムニーのスクープ写真を見てひと目惚れした。噂は聞いていたし、イラストなどでは見たことがあったが、写真を見て衝撃を受けたのだ。

「未来」を提案しようと多くのクルマが採用するツリ目のデザインに疲れ果てていた私の心にジムニーの四角くて、シンプルかつ機能美溢れるデザインと愛らしい丸めデザインが「やっぱり自動車はこうでなくちゃ!」と興奮した。

長く分厚いボンネットが軽自動車らしからぬボリューム感を生み、視覚的にも安全性の高さをイメージさせる。垂直近くに立ったフラットなフロントウインドウや80扁平タイヤでも非常にバランスが良く、格好いいデザインができることを証明した。ディティールも隅々まで手を抜いていない。

インテリアは四角い外観に似合う水平基調のインパネは安価な素材を使いながらも機能美溢れるデザインがまた魅力的だ。立体的なメーター、パートタイム4WDのレバーが復活したのも嬉しい。本格オフローダーの所有満足度を高めてくれている。

さらにスペックを調べてみると、FRレイアウトベースのパートタイム4WD、ラダーフレームを踏襲し、3リンクリジッドサスなど、独自のメカニズムでコストが掛かっても守るべき伝統を貫く、スズキの開発者の情熱と覚悟を感じ取り、感銘を受けた。伝統のシャシーに、パワフルで信頼性の高い最新設計の低燃費エンジンが組み合わされていることは素晴らしい。

嬉しいことに、私が選択した上級グレードのXCは明るいLEDヘッドランプ、オートマチックハイビームや車線逸脱警報、ヒルディセントコントロール、自動ブレーキを始めとする最新の安全装備、本革巻きステアリング、オートクルーズ、ステアリングオーディオスイッチ、キーレスや電動格納ミラー、シートヒーターなど現代の軽自動車で常識となっている快適装備がとても充実している。

ユーノスロードスター購入時の経験が活きた

「コレは大変な人気車になるのは間違いない。すぐに予約しないと大変なことになる」と直感した。じつは33年前、私は今回とまったく同じようにひと目惚れして、ユーノスロードスターを発売直後に予約したが、時すでに遅く、納車は1年待ちだった。それから、待ちきれずに東奔西走した失敗経験があったからこそ、今回は即決し、先手を打つことにした。

翌朝、開店時間にスズキアリーナ港北ニュータウン店に行き、初めて訪問したにもかかわらず、いきなり「ジムニーを予約し、購入しますのでお願いします」と話をして、見積書をもらい、予約金を支払った。

選択したグレードはジムニーXC 5MT(5速マニュアル)ジャングルグリーン 車両本体価格177万6500円。オプションはフロアマット1万1715円、ETCビルトイン2万1120円、ETCセットアップ2750円の合計で3万5585円。その他、諸費用10万9630円と合わせて総合計192万1715円だった。


その他のディーラーオプションは後日考えるとして、まずはボディカラーとグレードだけ決めて予約する。これがいち早く人気車を手に入れる鉄則だ。

「ジムニーが格好良いらしい」と聞いてから24時間後には予約するというスピード感。これできっと発売後、3ヵ月以内くらいでは納車されるに違いないと予測したが、発売後に電話が鳴り、「出来さん、2週間ほどでご納車できますがどうなさいますか」と連絡が来て……(続く)

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著者プロフィール

出来利弘 近影

出来利弘

1969年千葉県出身だが、5歳から19歳まで大阪府で育つ。現在は神奈川県横浜市在住。自動車雑誌出版社でアル…