荒野の覇者はどっち? スズキ・ジムニーvsトヨタ・ランドクルーザー 価格、走破性、納期……

左がスズキ・ジムニー、右がトヨタ・ランドクルーザー
日本が世界に誇る本格クロスカントリーであるスズキ・ジムニーとトヨタ・ランドクルーザー。サイズも価格もまったく違うが、同じなのは厳しい条件になったときの絶対的な信頼性の高さだ。おそらく買うときに比べる人は少ない(皆無?)かもしれない。が、比較してみよう。

価格と納期比較

スズキ・ジムニーXC(5MT):180万4000円
トヨタ・ランドクルーザーGR SPORT(ガソリン):770万円

比較したのは、スズキ・ジムニーXC(5MT)とトヨタ・ランドクルーザーGR SPORT(ガソリン)だ。軽自動車であるジムニーの上級グレードがXC、ランドクルーザーGR SPORTはランクルのなかでもスポーツ性を高めたモデルである。
価格は
スズキ・ジムニーXC(5MT):180万4000円
トヨタ・ランドクルーザーGR SPORT(ガソリン):770万円

だ。ランクル1台でジムニーが4台買えるということになる。
じゃあ、ジムニーだ!となっても、昨今の半導体不足(と両モデルとも非常に高い人気ゆえに)もあって、納期はかなりかかる。
ジムニーは、現在のところ1年2ヵ月待ち、ランドクルーザーは4年待ちということだ。

サイズ比較

上がジムニー、下がランドクルーザー 全長で1600mm、ホイールベースで600mm、ジムニーが小さい。
左がジムニー、右がランドクルーザー 全高で200mm、全幅で515mm、ジムニーが小さい。

次は、サイズを比べてみよう。
スズキ・ジムニーXC(5MT)
全長×全幅×全高:3395mm×1475mm×1725mm
ホイールベース:2250mm
車重:1040kg

トヨタ・ランドクルーザーGR SPORT(ガソリン)
全長×全幅×全高:4995mm×1990mm×1925mm
ホイールベース:2850mm
車両重量:2520kg

ジムニーは軽規格だから全幅は1475mm、ランドクルーザーは1990mmで現在国産車でもっともワイドなボディを持つ。車両重量に至っては、ランドクルーザーはジムニーの約2.5台分にもなる。

エンジン出力は? パワーウェイトレシオは?

ここまで見てくると、ランドクルーザーは大きくて重い、ということなるが、エンジンのパワーも大きく違う。

スズキ・ジムニー エンジン 形式:直列3気筒DOHCターボ 型式:R06A 排気量:658cc ボア×ストローク:64.0mm×68.2mm 圧縮比:9.1 最高出力:64ps(47kW)/6000pm 最大トルク:96Nm/3500rpm 燃料供給:PFI 燃料:無鉛レギュラー 燃料タンク:40ℓ
トヨタ・ランドクルーザー 形式:V型6気筒DOHCターボ 型式:V35A-FTS 排気量:3444ccボア×ストローク:85.5mm×100.0mm最高出力:305kW(415ps)/5200rpm最大トルク:650Nm/2000-3600rpm燃料供給方式:EFI(電子制御式燃料噴射装置)

スズキ・ジムニー
R06A型660cc直列3気筒ターボ
最高出力64ps(47kW)/最大トルク96Nm

ヨタ・ランドクルーザー
V35A-FTS型3.5ℓV6ツインターボ
最高出力415ps(305kW)/最大トルク650Nm

もう比較しようがないほど違う(当たり前だ)。パワーウェイトレシオ(車重を最高出力で割った数値。数値が小さい方がパワフル)とトルクウェイトレシオ(車重を最大トルクで割った数値。数値が小さい方がトルキー)も比べてみよう。

ジムニーの車重は1040kgだから、
パワーウェイトレシオ:16.25kg/ps 
トルクウェイトレシオ:10.83kg/Nm。

ランドクルーザーの車重は2520kgだから
パワーウェイトレシオ:6.07kg/ps 
トルクウェイトレシオ:3.88kg/Nm

これまたランクルがスゴイ数字を持っている。どれくらいすごいかというと、ライトウェイとスポーツの代名詞であるマツダ・ロードスター990のパワーウェイトレシオが7.5kg/ps(車重が990kgでエンジン出力が132ps/152Nm)、トルクウェイトレシオが6.51kg/Nmなのだ。

走破性は?

3アングルを比べてみよう

今度は、3アングルを見てみよう。3アングルとは、アプローチアングル/ランプアングル/デパーチャーアングルの3つの角度のことだ。
その前にまずは、最低地上高を見てみよう。
ジムニー:205mm
ランドクルーザー:225mm

上がジムニー、下がランドクルーザー

ランプブレークオーバーアングル

ランプアングルとは、クルマを側面から見て、ホイールベース間において、最下部と前後タイヤ外周の接線のなす角度のこと。 でこぼこ道、うねった道、石ころの道などを走破するときの、最下部の路面干渉の度合いを表す。ホイールベースが短く最下部が高いほどランプアングルは大きくなり、路面干渉しにくい。
ジムニー:28°
ランドクルーザー:25°

この数字は、ジムニーの短いホイールベース(全長3395mmに対して2250mmで66.3%。ランクルは全長4995mmに対して2850mmで57.1% )が効いて、ランクルの25度に対してジムニーが28度となっている。

アプローチアングル

アプローチアングルとは急な上り坂に近づいて前進するとき、車両先端のバンパーに接触しない最大の角度、車両進入側の障害物に対して進入可能な角度のこと。
ジムニー:41°
ランドクルーザー:32°

デパーチャーアングル

デパーチャーアングルとは、車両の後端部と後輪タイヤ後ろ側の接地面を結ぶ接線と、地面との角度のことをいう。 車両が、平地から急な坂に移行する際の走破性の目安となる。 
ジムニー:51°
ランドクルーザー:26°

3アングルに関してはジムニーに分がある。
ランクルは、3アングルのほかに、最大安定傾斜角と登坂能力の数値もカタログに掲載している。
ランドクルーザー
最大安定傾斜角:44°
登坂能力:45°

どこまでいけるか?

ジムニーもランクルも、どこでも走れる極めて高い走破性を持っていることは論を待たない。では、1タンクでどのくらい走れるのだろうか? WLTCモード燃費×燃料タンク容量で比べてみよう。

ジムニーのWLTC燃費はXC(4AT)で14.3km/ℓ、ガソリンタンク容量が40ℓだから572kmの航続距離

ランドクルーザーGRスポーツ(ガソリン)は同じく7.9km/ℓで80ℓ。航続距離は632kmということになる。ジムニーで5MTを選べば16.6km/ℓになるから、航続可能距離は664kmということになる。

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