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VIPや法人ユースがメイン。静粛性や乗り心地は一級品。
ラグジュアリーで広い室内空間を誇るグランエース。ボディサイズは アルファード/ヴェルファイアを大きく上回るため、トヨタのミニバンのフラッグシップかと思いきや、位置づけが違うのだという。アルファード/ヴェルファイアは乗用ミニバ ンのトップであるのに対して、グランエースは法人ユースをメインターゲットとしたショーファー。空港やホテルでVIPの送迎に使うのが最もしっくりくるモデルなのだ。
エクステリア
ベースとなったのはASEANなど新興国向け商用車のハイエースで、 エンジンを車体前方に縦置きしたFRとなるためボンネットタイプとなる。モノコックだがアンダーボディがストレートラダー構造を備えた強固なつくりとなっているのが、過酷な使用状況にも耐えうる商用車らしいところだ。スライドドアの開口部 は1000mmに達するほど長く、3列シート6人乗りと4列シート8人 乗りが用意される。全長は5300 mmと長いが、前輪の切れ角が大きな FRのため、最小回転半径は5・6 mと優秀だ。ドアミラーがAピラー の付け根から離されて視界確保がされていることもあって、狭い路地でもボディの大きさを持て余すようなことはない。
乗降性
エンジンは、2・8lディーゼル ターボ。車両重量は2740kgと決 して軽くはないが、1600―240 0rpmの幅広い回転域で450 ものトルクを誇るから想像以上に力 強く走ってくれる。6速ATのギヤ 比も適切な設定で発進時は軽やかで 街なかから郊外路程度の速度域では動力性能に不満はまったくない。音 や振動はよく抑え込まれており、ディーゼル特有のガラガラ音などはほとんど耳に届かず、VIP送迎にも適した静粛性が確保されている。ただし、高速域では空気の壁を感じて 加速感が鈍ってくる。高速道路を走るなら走行車線を大人しく流すのが 無難だろう。
インストルメントパネル
縦バネの硬い商用タイヤを履いているが、サスペンションがソフトタ ッチなので街なかから郊外路の速度 域での乗り心地は快適だ。各ピラー を結合した環状骨格構造にするなど ワンボックス型ながらしっかりと剛 性が確保されたボディによって、サ スペンションがしなやかに動いているからこそ上質な乗り味になっているのだろう。タイヤのパターンノイズもよく抑え込まれている。
居住性
ただし、高速道路はあまり得意ではない。100km 付近になると横 風や路面の荒れといった外乱に弱く、 ステアリング操作による進路修正を強いられるようになる。低・中速域 での快適性に特化したモデルであって、グランドツーリング性能はあま り考えられていないのだろう。圧倒的な存在感や豪華なインテリアに惹 かれて個人ユーザーとしてグランエースの購入を検討するのはアリだが、 休日は高速道路を使ってレジャーを 楽しむという用途を考えているのな ら、乗用ミニバンのアルファード/ ヴェルファイアの方が向いていると言えるだろう。とはいえ、高速道路以外の快適性は圧倒的。オットマン付きキャプテ ンシート4脚を備える6人乗りなら ば、4人のVIPに最高のおもてな しができるなど、他にはない独自の魅力をもっているのは確かだ。
うれしい装備
月間登録台数 31台(21年6月〜11月平均値) 現行型発表 19年1月(一部改良21年6月) WLTCモード燃費 10.0km/l
ラゲッジルーム
圧倒的な存在感や豪華なインテリアに惹かれて個人ユーザーとしてグランエースの購入を検討するのはアリだが、 休日は高速道路を使ってレジャーを 楽しむという用途を考えているのな ら、乗用ミニバンのアルファード/ ヴェルファイアの方が向いていると 言えるだろう。とはいえ、高速道路以外の快適性は圧倒的。オットマン付きキャプテ ンシート4脚を備える6人乗りなら ば、4人のVIPに最高のおもてなしができるなど、他にはない独自の魅力をもっているのは確かだ。
※本稿は、モーターファン別冊ニューモデル速報統括シリーズVol.139「最新ミニバンのすべて」の再録です。掲載データは作成時点での参考情報です。